[アニメ レビュー] 2.43 清陰高校男子バレー部 #4 「高く、はやく、強く」
2.43 清陰高校男子バレー部
2.43 清陰高校男子バレー部は灰島公誓と黒羽祐仁を中心とした清陰高校バレー部の物語だ。
#1と#2はで中学時代の物語が描かれた。東京のバレー強豪校に在籍した灰島だったが、問題を起こしてかつて住んでいた福井へと帰ってくる。中学で再会した黒羽と灰島はバレー部で共に汗を流すのだが、中学最後の大会でプレーをめぐり決定的な溝ができてしまう。
#3で清陰高校へ進学した2人は球技大会のバレーで対決する。黒羽はバレー部に所属しているが、灰島は帰宅部。黒羽は灰島に一緒にバレーがしたいと言う。主将の説得もあり灰島はバレー部に入部する。2.43は春高バレーの男子におけるネットの高さ。主将は本気で春高へ行くために灰島をバレー部に誘ったのだった。
登場人物はほぼ男の子ばかり。オープニングテーマもイケボでボカロっぽい曲調だ。だからといって女性しか楽しめないアニメではない。バレボールのシーンでは迫力のある作画が楽しめるし、黒羽の田舎臭くて純朴なキャラクターには好感がもてるだろう。またクセのないキャラクターデザインなので普段アニメを観ない層にも”観てもらえれば”受け入れられそうだ。
※本記事は2021年1月2日時点での視聴をもとにした記事です。
#4 「高く、はやく、強く」
#4の長さは22分57秒(1377秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
<登場人物>
黒羽祐二(くろば ゆに)
黒髪の少年。身体能力は申し分ないが、精神的に弱い部分がある。灰島大好き。
灰島公誓(はいじま きみちか)
金髪ツリ目の少年。バレーボール大好き。周りのことに気が回らない。黒羽大好き。
起 (240秒)
0-7
ロゴ 7秒
7-40
トラックの上 大量の差し入れ 33秒
40-50
パンツ何枚持ってきた 10秒
50-1:10
パンツ何枚持ってきた(2回目) 線引が極端 20秒
1:10-1:38
過去の記憶 灰島とバレーがしたい 28秒
1:38-3:08
オープニングテーマ 90秒
3:08-4:00
合宿初日 自己紹介と練習開始 52秒
承 (309秒)
4:00-4:47
戦術の話 黒羽はいらない 47秒
4:47-5:55
バレー以外は無頓着な灰島 灰島を守りたい 68秒
5:55-6:15
合宿が終わると灰島が入って初めての公式試合 20秒
6:15-6:27
肉 12秒
6:27-8:00 合
宿の恋愛トーク バボちゃんは人間やない 93秒
8:00-9:09
絃子と頼道の話 青木先輩の制裁 69秒
攻撃の練習から外される黒羽。主将は灰島の才能を認めて、壊さないように大学に送りたいと思っている。灰島が認められて嬉しい黒羽。合宿でお決まりの恋愛トークでは、まさかのバボちゃんが登場。先輩の制裁もあり、ありがちな展開もきっちり楽しませる。承では、灰島の部における重要性と楽しい合宿風景が描かれている。
転 (282秒)
9:09-9:50
今日も攻撃練習に参加できない黒羽 41秒
9:50-10:47
灰島と距離をとる黒羽 延々とレシーブ練習をする黒羽 57秒
10:47-12:00
コインランドリー 灰島への不満がつのる 73秒
12:00-13:51
灰島のエースになりたい/// 黒羽の勘違い 111秒
黒羽のやる気を削ぐようなレシーブ練習。灰島との距離も広がるが、灰島はまったく関心のない様子。コインランドリーでついに爆発する黒羽。しかし灰島は黒羽をエースと認めていた。転では、黒羽の誤解が解け灰島の本当の意図が明かされる。
結 (373秒 + 173秒)
13:51-14:20
秋季大会2回戦 絃子と頼道が応援に来ている 29秒
14:20-14:30
コートの中に全部ある 10秒
14:30-15:15
試合開始 順調にポイントを重ねる清陰 45秒
15:15-15:35
灰島のトスはドS 20秒
15:35-16:03
灰島のトスは精密 選手の最高到達点に合わせる 28秒
16:03-16:40
灰島は献身的なセッター 灰島を信じろ 37秒
16:40-17:40
黒羽のアタック 最高のチームにする 60秒
17:40-18:20
黒羽を活かすため 先輩たちを春高につれていく 40秒
18:20-19:00
合宿の成果 本気でバレーをやりたい 40秒
19:00-20:04
頼道との和解 64秒
20:04-21:34
エンディングテーマ 90秒
21:34-22:10
カラオケ 絃子に殴られる 36秒
22:10-22:57
チンピラともめる頼道 走る黒羽 47秒
合宿での成果が試合で発揮され順調に勝ち進む清陰。灰島のトスの意味、セッターとしての灰島の本質が主将の口から語られる。攻撃のバリエーションが増えたことで黒羽を切り札として活かすことができるようになった。春高という目標に向かい灰島と黒羽は思いを一つにした。一方で黒羽がバレーをすることに懐疑的だった頼道とも和解をしたが…。結では、チームとして成長する清陰高校を描き、春高に出るという次の目標を出現させている。そして順調かに思えた黒羽に事件が…つづく。
感想
ずいぶんあっさりとした記事になってしまったが、スポーツアニメのレビューは難しい。試合それ自体がドラマティックなので語れることは少ない。#4の場合、全ては結の試合のシーンを気持ちよく観せるための仕込みが起承転でされている。そしてそれは成功していると思う。
冒頭からバレーボールのこと以外は無関心な灰島の行動。合宿が始まってからは攻撃陣の補強に集中。置いてけぼりにされた黒羽にとっては面白くないし、考えすぎて灰島との溝を勝手に深めてしまう。全ては黒羽に最高のトスをしたいという灰島の思いに集約されるのだが、視聴者にはなんとなくそれが分かっていて黒羽のふて腐れた行動にやきもきしてしまう。とてもうまい作りだと思う。
個人的には布団でのシーンが楽しかった。短いシーンだがバボちゃんのところは思わず一緒に笑ってしまった。この普通の部活感の演出は多くの人の心に残る”青春”を思い出させてくれるだろう。特に私にとってはくだらないことを話していた時間こそが青春だった。なに部だったかなんてどうでもいい。
エンディングテーマ後のシーンでは非常に気になる引きで終わっている。黒羽はあの場面でどう対応したのだろうか?手を出したのか出さなかったのか。非常に気になっている。90年代のトレンディドラマや金八先生のようなベタな仕掛けにまんまとハマってしまうおっさんであった。
バレー以外のことは頭にない灰島は他の部員から煙たがられた過去を持つ。しかしそんな灰島とバレーがしたいと言ってくれた黒羽。起では、灰島と黒羽の関係。過去の出来事をふまえ灰島はどういう思いで合宿へ参加しているのか。視聴者に期待をもたせて合宿がはじまる。