[アニメ レビュー] アストロノオト 第1話
アストロノオト
ホテルのレストランに勤めていた宮坂拓巳は、新しい就職先として「あすトろ荘」の面接を受けることにした。拓巳はそこで出会ったオーナー兼大家さんの豪徳寺ミラに一目惚れする。
なんとか「あすトろ荘」で働けるようになった拓巳だったが、住人たちは変わり者ばかり。それに加えてミラにも何か秘密があるようだ。新しい拓巳の生活は前途多難な日々になりそうだ。
昭和生まれには「めぞん一刻」へのリスペクトがあちらこちらに感じられる作品だ。本作のストーリーを楽しむ以外にも「めぞん一刻」との共通点を探すのも面白いだろう。
※本記事は2024年4月8日時点での視聴をもとにした記事です。
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第1話
第1話の長さは24分00秒(1440秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
<登場人物>
- 宮坂 拓己(みやさか たくみ)
- 住み込みの料理人として「あすトろ荘」に就職面接に来た。ミラに一目ぼれをしてしまう。
- 豪徳寺 ミラ(ごうとくじ ミラ)
- 「あすトろ荘」の大家さん。「あすトろ荘」は朝食付きがウリだったが、ミラは料理が下手なので料理人を探していた。
第1話
<ストーリーの流れ>
⇩
料理の腕が認められ、あすトろ荘へ引っ越してきた拓巳
⇩
あすトろ荘の案内と拓巳の歓迎会
⇩
ミラの秘密は”未亡人”だったこと
※背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。
起 (360秒)
拓巳とミラの出会いが描かれるパート。色っぽいミラの雰囲気が印象的だ。あすトろ荘の住人たちも個性的で楽しい。前オーナーからあすトろ荘を引き継いだものの、世間知らずなのか虚偽の求人を出してしまうミラがかわいい。キャラクターたちが騒がしいこのドタバタ感は昭和の空気だ。ここに冒頭の宇宙船がどうつながってくるのか、ワクワクする。
0-1:00
敵から逃れ地球にたどり着く宇宙船 60秒
1:00-1:30
あすトろ荘に来た青年 30秒
1:30-2:00
屋根から落ちそうな人を発見 30秒
2:00-2:35
ミラと拓巳の出会い 35秒
2:35-3:00
履歴書を出す拓巳 25秒
3:00-4:00
他企業の丸パクリ虚偽求人だった 60秒
4:00-4:40
ミラは壊滅的な料理下手 40秒
4:40-5:15
無職はセンシティブ 35秒
5:15-6:00
ミラさんが作る朝ごはん被害者の会のみなさん 45秒
承 (320秒)
拓巳が住人たちに認められ、あすトろ荘へ引っ越してくる。名前は分からなくとも濃いキャラクターばかりで、印象に残らないキャラクターがひとりもいない。アジを料理してみんなで食べるシーンは音までこだわった名シーン。キャベツ検定も合格である。
6:00-7:10 近所からいただいたアジでアジフライを作る拓巳 70秒
7:10-8:05 拓巳を引き入れようとする住人 55秒
8:05-8:30 別れを告げるミラ 25秒
8:30-9:00 ミラの笑顔が忘れられない拓巳 30秒
9:00-9:30
無事にあすトろ荘へ引っ越してきた拓巳 30秒
9:30-10:00 犬のナオスケはおじいさんが苦手 30秒
10:00-10:30 2号室に住んでる小説家の山下正吉さん 30秒
10:30-11:00 スマホも知らないミラさん 30秒
11:00-11:20
ようやくお互いの自己紹介 20秒
転 (305秒)
あすトろ荘の案内と拓巳の歓迎会のパート。ピンク髪のお姉さんが地下アイドルであることがわかる。先代のオーナーさんは朝食の提供にかなりこだわりがあったようで、地下の納戸には自家製の調味料が大量に保管してある。会話にしか出てきていない先代さんだが、住人たちとの関係や愛情が伝わってくる。お金の入ったひきだしの鍵を持っているのは拓巳とミラのふたりだけ。鍵自体に深い意味はないだろうが、拓巳とミラだけが持っていることに意味がある。物語の大切なキーとなりそうなアイテムだ。
11:20-11:40
もとは「あすなろ荘」だった 20秒
11:40-12:10
「あすトろ荘」の案内 30秒
12:10-12:45
納戸には大量の食材や調味料 35秒
12:45-13:30
戸棚の鍵を持っているのはふたりだけ 45秒
13:30-14:30
騒がしい住人たち 60秒
14:30-15:30
6号室の松原照子はアイドルのテルルン 60秒
15:30-16:25
拓巳の料理長就任を喜ぶ一同 55秒
結 (355秒 + 100秒)
とてもいい雰囲気だけど何かかみ合わない拓巳とミラ。なんとかミラとお近づきになりたい拓巳は「スペースガール」のブルーレイを手にミラの部屋をたずねるのだが、そこで衝撃的な事実を立ち聞きしてしまう。実はミラはミボー星のミボー人なのだが、拓巳は未亡人だと勘違いしてしまった。ふたりで買い物からの持ち上げて落とす展開。未亡人というネタやOPの爽やかさ。もはや「めぞん一刻」のパロディを隠す気もないその姿勢は、この作品の内容に対する自信のあらわれと言えるだろう。
16:25-17:20
美味しい食事から始まる朝 55秒
17:20-18:40
謎多きミラと無職の若林さん 80秒
18:40-19:00
ミラの探しもの 20秒
19:00-19:20
一緒にお買い物 20秒
19:20-20:00
何かがかみ合わないふたり 40秒
20:00-20:30
楽しいひととき 30秒
20:30-21:00
勇気を出してミラの部屋へ 30秒
21:00-21:20
ミラは未亡人だった 20秒
21:20-22:00
ミラはミボー人だった 40秒
22:00-22:20
鍵を見つけてミボー星の王位を継承するのがミラの役目 20秒!
22:20-23:50
OP:「ホホエミノオト」降幡愛 90秒
23:50-24:00
次回予告 10秒
シーンリプレイ
9:00-9:30
無事にあすトろ荘へ引っ越してきた拓巳 30秒
5号室とはまた分かっていらっしゃる。めぞん一刻の五代くんも5号室だった。
11:00-11:20
ようやくお互いの自己紹介 20秒
お互いに好感を持っているのだけれど、まだ噛み合っていない感じを表現している。
21:20-22:00
ミラはミボー人だった 40秒
冒頭のSFシーンがここにつながる。しかしミボー人とはまたややこしい。
感想
80年代のラブコメとくれば「めぞん一刻」さらにSFとくれば「うる星やつら」が思い浮かぶだろう。OPテーマの「ホホエミノオト」はどこかめぞん一刻のOPテーマ「悲しみよこんにちは」にどこか似ている。この作品そのものが高橋留美子作品や80年代文化へのオマージュと考えて問題ないと思う。
オマージュといっても設定や見かけだけを真似した”なでる”ようなレベルのオマージュではない。拓巳とミラの主人公以外のサブキャラクターたちもしっかりとキャラが立っており、複数いるにもかかわらず第1話にして忘れられないインパクトを与えている。
作画のレベルも高く観ているだけの私たちも、拓巳の料理に胃袋をつかまれてしまいそうだ。キャラクターデザインもそれぞれに魅力的だ。どちらかというとリアル寄りなキャラクターが多いなか、がっつりアニメ寄りな山下さんが違和感なくとけ込んでいるのもポイントが高い。
80年代の名作を見事に消化しつつ、しっかりオリジナリティも確立している。あからさまなオマージュもあくまで作品を楽しむための土台。そのうえに建てられた本編を魅せるための前置きに過ぎない。きっとこの先にハチャメチャで楽しい物語を用意してくれているはずだ。
拓巳があすトろ荘でミラと住人たちと出会う