[アニメ レビュー] ダンダダン 第1話 それって恋のはじまりじゃんよ

ダンダダン
なにかと話題の本作。とにかく動きまくる作画とテンポの早い展開。随所に仕込まれたオマージュなど見どころ満載。それでいて分かりやすく話が頭にスッと入ってくる。刺激的で過激な表現も多いが、とにかくひきこまれる万人が楽しめるであろう作品だ。
昭和から平成へと受け継がれてきた大衆文化の集大成。それは手塚治虫だったり、ウルトラマンだったり、あるいはジャンプ黄金期の名作であったり。長い年月をかけて積み重なった文化の先端に「ダンダダン」がある。思想を自由に表現できる環境が長きにわたって守られた日本だから生まれた作品と言ってもいいだろう。
※本記事は2024年10月20日時点での視聴をもとにした記事です。
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第1話 それって恋のはじまりじゃんよ
第1話の長さは24分02秒(1442秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
<登場人物>
- 綾瀬 桃(あやせ もも)
- 好きな男性のタイプは高倉健。まっすぐな性格で困難におちいっても真っ向から立ち向かうギャル。
- オカルトくん
- UFOやネッシーなどのオカルトが大好きな少年。地味な見た目や変わった性格のため友達がいない。学校ではイジメの対象になっている。

第1話 それって恋のはじまりじゃんよ
<ストーリーの流れ>
⇩
宇宙人VS幽霊の勝負で打ち解けはじめるふたり
⇩
ターボババアに呪われるオカルト君とセルポ星人に捕まる桃
⇩
桃の覚醒によってセルポ星人から逃げることができたふたり
※背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。
起 (300秒)
ふと見かけたオカルト好きの少年をイジメから救った桃。それをきっかけにまとわりついてきたオカルトくんに、彼氏にフラれイライラしていた桃はひどい一言を浴びせてしまう。
0-5
ロゴ 5秒
5-1:35
OP:「オトノケ」Creepy Nuts 90秒
1:35-2:15
彼氏にフラれる桃 40秒
2:15-2:45
理想の男性は高倉健 30秒
2:45-3:45
オタク君を助ける桃 60秒
3:45-4:20
オタク君はオカルト君だった 35秒
4:20-5:00
しつこくまとわりつくオカルト君に言ってはいけないことを言ってしまう桃 40秒
承 (340秒)
宇宙人を信じているオカルト君と幽霊を信じている桃は、意見の違いから対立。宇宙人と幽霊のどちらが本当に存在するかの勝負をすることになった。お互いの威信をかけた勝負だったが、話をするうちに打ち解けてゆくふたりだった。
5:00-5:30
言い過ぎたことを謝る桃 30秒
5:30-5:50
まさかの反撃をくらわすオカルト君 20秒
5:50-6:40
宇宙人VS幽霊 どっちが本当かバトル開始 50秒
6:40-7:00
桃は屋上でUFOを呼ぶとアブダクションされる病院へ 20秒
7:00-7:35
桃を監視する不気味な影 35秒
7:35-8:15
オカルト君は絶対出ると噂のトンネルへ 40秒
8:15-8:25
「TOO SHY SHY BOY!」は小室哲哉プロデュースによる観月ありさの楽曲 10秒
8:25-9:00
桃は幽霊を見たことがない 35秒
9:00-9:25
桃は小学校の頃に好きな子におまじないをバカにされた 25秒
9:25-10:00
好きな子におばちゃんをバカにされたのが嫌だった 35秒
10:00-10:25
桃は霊媒師のおばあちゃんを信じているから幽霊も信じてる 25秒
10:25-10:40
答えをはぐらかすオカルト君 15秒
転 (370秒)
セルポ星人にさらわれてしまった桃。セルポ星人の進化実験のエジキにされそうになった桃のピンチを救ったのは、ターボババアに呪われてしまったオカルト君だった。しかし力を制御できないオカルト君はあっさり倒され、桃は再びピンチになってしまう
10:40-11:05
おっぱい吸わせてやるからよぉ、イチモツしゃぶらせろ 25秒
11:05-11:45
ターボババアにかけっこで負けたら呪われる 40秒
11:45-12:10
襲われる桃 25秒
12:10-13:00
自らの進化のため、桃にセックスをせまるセルポ星人 50秒
13:00-13:50
抵抗する桃を念力でねじ伏せようとするセルポ星人 50秒
13:50-14:30
スマホから飛び出しセルポ星人を食いちぎるターボババア 40秒
14:30-15:00
ターボババアは呪われたオカルト君だった 30秒
15:00-15:25
セルポ星人VSターボババア 25秒
15:25-15:55
宇宙人と友達になりたかったオカルト君 30秒
15:55-16:35
桃を救うために戦おうとするオカルト君 40秒
16:35-16:50
再びピンチにおちいる桃 15秒
結 (327秒 + 105秒)
桃の覚醒によってセルポ星人から逃れることができた桃とオカルト君。ターボババアの呪いを解くにはターボババアを倒すしかない。ひとりで立ち向かおうとするオカルト君に寄り添う桃。それって恋のはじまりじゃんよ。
シーンリプレイ
5:00-5:30
言い過ぎたことを謝る桃 30秒
とてもキュートに描かれたシーン。桃の優しい性格が良く表現されている。この優しさが桃の本質。
10:00-10:25
桃は霊媒師のおばあちゃんを信じているから幽霊も信じてる 25秒
おばあちゃんが大好きだから信じる。桃も心のどこかでは心霊の存在を否定してる部分があったのかもしれない。
15:25-15:55
宇宙人と友達になりたかったオカルト君 30秒
地球の常識が通じない宇宙人なら、自分を受け入れてくれるかもしれない。そんな想いで夜空を眺めていたのだろうか。

感想
劇中でオカルト君が歌っている「TOO SHY SHY BOY!」は1992年リリースなので、時代設定は1990年代中盤以降だろう。桃の同級生にガングロの生徒がいるのもそれを裏付けている。
その頃は「ノストラダムスの大予言」による「1999年、7の月、空から恐怖の大王が降ってくる…」という予言が当たるのか、誰もが気にしていた時代でもあった。TVでもUFOや心霊の特番は人気があり、オカルト君のような少年はどこにでもいた。もちろんイジメの対象になりやすい子がいたのも現実である。
OPのアニメーションからウルトラマンへの多大なリスペクトが感じられ、ウルトラマン大好きな私はとても嬉しかった。セルポ星人の宇宙船内シーンのウルトラセブン感や、ダダとペガッサ星人をかけ合わせたようなセルポ星人の中身のデザイン。後半にUFOが墜落するあたりも”わかってる”と思わせてくれた。
また個人的な意見として手塚治虫の雰囲気も感じた。桃とオカルト君が喧嘩をするシーンでは、桃がブラック・ジャックのピノコの顔(あっちょんぶりけ)をしていたし、宇宙人と友だちになりたくて夜な夜な宇宙人を呼ぼうとする少年の話がブラック・ジャックにもあった。
桃が高倉健を好きなタイプの男性に挙げるというのも、「もうそんないい男いないって」というネタとして昭和(1980年代あたり?)のドラマにはチラホラみられた設定だ。今回話題になったオカルト君がターボババアに言われた卑猥なセリフや桃の貞操が危ないシーンなどは、昭和ならまぁ笑えるネタとして許容されていたレベルだと思う。
こうした多くのネタをまとめ、怒涛の勢いで連発するスピード感。なんか笑ってるうちに終わっちゃった……みたいなテンポの良さ。それを支える声優の演技力と会話のかけあいの上手さ。そこに素晴らしい作画とアニメーションが乗っかっていて、まさに鬼に金棒。楽しくない訳がないのだ。
桃とオカルト君の出会い