TRUMPシリーズTVアニメ『デリコズ・ナーサリー』 episode.01 ようこそナーサリー

TRUMPシリーズTVアニメ『デリコズ・ナーサリー』

 TRUMPとは、TRUE OF VAMPの略で永遠の命を持つ吸血種のことをさす。2009年から15年続いているシリーズ作品で、これまで舞台や小説、コンサートなどで展開されてきた。その人気シリーズが今回アニメ化されたということだ。

 吸血種と人間が共生している世界を舞台にさまざまな事件が巻き起こる。アニメでは貴族の吸血種たちが育児に奮闘する姿が描かれる。いっぽうで巷で起こっている吸血種の連続殺人事件。育児と任務を両立させるというアクロバットなストーリーとなっている。

 私もまったくのTRUMP初心者なので、このシリアスとドタバタのギャップを楽しみたいと思う。

※本記事は2024年8月18日時点での視聴をもとにした記事です。


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episode.01 ようこそナーサリー

 episode.01の長さは23分39秒(1419秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です

<登場人物>

ダリ・デリコ
血盟議会の特務組織・ヴラド機関に勤務する貴族。デリコ家は貴族の中でも名門中の名門とされる特級貴族家系。周囲に高慢な態度をとる。
ゲルハルト・フラ
ダリと同期で同じくヴラド機関に所属する。フラ家もまた特級貴族家系。ダリとは反発しがちだがお互いに認め合う良きライバル。
エンリケ・ロルカ
ダリと同期で同じくヴラド機関に所属する。ロルカ家もまた特級貴族家系。格式ばった姿勢よりも物事の本質を重んじる性格。上下関係などにも少々ゆるい感覚を持っている。
ディーノ・クラシコ
ダリと同期で同じくヴラド機関に所属する。ディーノ家もまた特級貴族家系。地位や名誉に誇りを持つ厳格な性格。


ようこそナーサリー

<ストーリーの流れ>

ヨハネス卿に呼び出されるダリとゲルハルト

任務を断ったダリの説得に向かうヴラド機関の仲間たち

子育てに奮闘中のダリ

デリコ邸にて任務と育児の両立


背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。



起 (300秒)

 血盟議会の特務機関であるヴラド機関に勤めるダリとゲルハルト。ある日ふたりは、ある任務のためヨハネス卿に呼び出される。物語の最初の最初ということで、過去の悲劇や主人公のダリとゲルハルトのライバル関係など、この物語を楽しむための前提が簡潔にまとめられている。


0-1:45
過去の記憶と残された子どもたち 105秒


1:45-3:15
OP:「UNFAIR」中島美嘉 90秒


3:15-3:40
逃げまどい追い詰められる人物 25秒

3:40-4:10
ダリとゲルハルト 30秒

4:10-4:40
ふたりはヴラド機関でTRUMPの監視をしている 30秒

4:40-5:00
月並みな挨拶 20秒

承 (400秒)

 巷で起こっている連続殺人事件は、実はTRUMPと関係していた。犯人は吸血種を狙って殺すことによって”永遠の命”を持っているかどうかを確かめているようだ。その調査を依頼されたダリは任務を放棄して帰ってしまう。ゲルハルトをはじめとするブラド機関の同期たちは、ダリを連れ戻すべくデリコ家へと向かう。そこでゲルハルトたちが見たものは、子どもに振り回されるダリの姿だった。登場時間もセリフも少ない同期たちだが、その性格や個性がわかりやすく描かれている。全員が特級貴族家系の出身で、その中でもダリは一目置かれる人物らしい。


5:00-5:40
ヨハネス卿の依頼は連続殺人事件について 40秒

5:40-6:00
「この者TRUMPにあらず」のメッセージ 20秒

6:00-7:00
最初の吸血種TRUMPは神のごとき存在 60秒

7:00-8:00
任務を放棄して帰ってしまうダリ 60秒

8:00-8:25
犯行はTRUMPに行き着くまで続く 25秒

8:25-9:25
ダリには名門としての義務を果させなくてはならない 60秒

9:25-10:15
ダリは誰もが一目を置く実力者 50秒

10:15-11:15
執事に導かれダリの部屋へ向かう一行 60秒

11:15-11:40
子どもに振り回されるダリ 25秒

転 (260秒)

 子育てと任務の優先順位について口論となるダリとゲルハルト。ダリが自ら子育てをしているのには、物語冒頭の悲劇が関係している。ゲルハルトたちはダリよりも先に子宝に恵まれたようだが、お貴族様だったため育児にはノータッチ。いっこうに泣き止まぬウルにまったくのお手上げ状態なのが面白い。


11:40-12:05
子どもの生命力の凄さを語るダリ 25秒

12:05-12:45
ゲルハルトとダリの育児を巡る議論 40秒

12:45-13:30
育児の先輩たる同期たちに育児の見学をお願いするダリ 45秒

13:30-14:10
吸血種の存続とおむつ替え 40秒

14:10-14:50 ダリが育児を選ぶ理由 40秒

14:50-16:00
泣き止まぬウルにお手上げの特級貴族たち 70秒

結 (445秒 + 14秒)

 貴族としての威厳と義務を重んじるゲルハルトと、妻のフリーダの言葉に応えようとするダリ。ふたりの口論は平行線であったが、機関の任務と育児を全員が両立させるということで落ち着いた。眉目秀麗なお貴族様たちのドタバタ育児の始まりである。


16:00-16:40
あっという間にウルをあやしてしまうクララ 40秒

16:40-17:20
なぜダリは子育てにかまけるのか 40秒

17:20-18:10
ダリは育児で手一杯 50秒

18:10-18:25
ヴラド機関の任務は何よりも優先される 15秒

18:25-18:50
ダリの妻フリーダの願ったこと 25秒

18:50-20:15
ダリに育児と任務の両立をせまるゲルハルト 85秒

20:15-20:40
条件付きで承諾をするダリ 25秒

20:40-21:20
特級貴族さまのパパ友会結成 40秒

21:20-22:30
デリコ邸は捜査本部と子ども部屋に 70秒

22:30-23:25
謎の人物クラウス 55秒

23:25-23:39
次回予告 14秒

シーンリプレイ

0-1:45
過去の記憶と残された子どもたち 105秒

 これら一連の事件は舞台「グランギニョル」にあたる部分らしい。この作品もシリーズの一部としてしっかり位置づけされているということだろう。


13:30-14:10
吸血種の存続とおむつ替え 40秒

 種の存続とは命をつなぐという行為であり、元をたどればそれは子育てに行き着くのだ。


21:20-22:30
デリコ邸は捜査本部と子ども部屋に 70秒

 大混乱の予感しかしない。こんなんで捜査が進むのだろうか。



感想

 さすが15年も続いているシリーズだけあって、ダリをはじめとする主人公キャラクターたちの魅力や関係が整理されており、みんなキャラクターがたっている。設定やストーリーも専門用語が多いわりにすんなりと頭の中に入ってくる。

 このアニメ作品をどう楽しむかというのも明確で、ダリたちヴラド機関のお貴族様たちが子育てに奮闘する姿と、連続殺人事件の真相に迫るというミステリーのふたつの要素が軸になっている。

 コミカルな演出が多い子育てと、シリアスになりそうな探偵パート。これらのギャップも楽しそうだし、終盤に向けてふたつの要素がクロスしてゆく展開も期待できそうだ。

 このシリーズでは永遠の命というテーマも扱っており、事件ではTRUMPが重要な要素として登場しているし、いっぽうで子育ても命を繋いでゆくという意味で重要な意味をもつ。

 アニメの放映がいっこうに始まらず、特別番組の配信が続いたときにはどうなることかと思ったが、それは私の杞憂だったようだ。初回のエピソードでキャラクターの魅力をしっかり伝え、設定やこれからの展開に期待を持たせることにも成功している。アニメ作品をきっかけにシリーズの認知度を上げ、ファンを拡大しようとする意欲も感じ取れる。要するに本気でアニメ化したということだ。

 さまざまな困難を乗り越え、ダリたちは子育てと任務を両立することができるのか。そして事件の行く末にどんな結末が用意されているのか。とても楽しみな作品だ。