[アニメ レビュー] 異世界スーサイド・スクワッド 第1話 Episode 1

異世界スーサイド・スクワッド

 2024夏期のアニメのなかで世界中で最も期待されている作品のひとつが「異世界スーサイド・スクワッド」だ。アメコミ原作のヴィランたちが異世界に転生するというストーリーと、日本のスタジオがアニメーションを担当するという点が注目されている。

 犯罪都市「ゴッサム・シティ」から剣と魔法の世界へ送られた犯罪者たちがどんな活躍をするのか。世界中のアニメファンの期待を背負い、それに全力で答えた情熱が伝わってくる。特にアクションやセリフの掛け合いの面白さにこだわりを感じるので、そのあたりも注目だ。

 私のようにアメコミの知識ほぼゼロの人間も十分に楽しめる作品になっているので、楽しめるか不安な方にもオススメしたい作品だ。

※本記事は2024年7月15日時点での視聴をもとにした記事です。


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第1話 Episode 1

 第1話の長さは24分05秒(1445秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です

<登場人物>

ハーレイ・クイン
アーカム・アサイラムの精神科医だった。患者であったジョーカーと恋に落ち、共犯者として彼の逃走を手助けしている。
デッドショット
様々な武器を使いこなす殺し屋。
ピースメイカー
正義のためなら暴力もいとわない歪んだスーパーヒーロー。
クレイフェイス
おしゃべりなナルシスト俳優。泥の体を持ち自由に変身をすることができる。
キング・シャーク
食欲に忠実なサメの姿をしたメタヒューマン。幼稚園児くらいの知能はあるらしい。
ジョーカー
言わずとしれたバットマン最大の敵。知性とユーモアを兼ね備えたサイコパス。ハーレイ・クインからは「プリンちゃん」と呼ばれている。
アマンダ・ウォラー
犯罪者を集めてスーサイド・スクワッドを結成する。目的のためには手段を選ばない戦略家にして冷酷無比なA.R.G.U.Sの長官。


Episode 1

<ストーリーの流れ>

ジョーカーの逃走とアマンダの実験

ジョーカーを逃がし捕まるハーレイ・クインとアマンダの実験の成功

刑期の短縮と命をかけた強制ミッション

怪しまれて牢屋に入れられる5人


背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。



起 (300秒)

 アマンダの実験、ジョーカーとハーレイ・クインの掛け合い。交互にシーンが切り替わりボルテージが上がってゆく。わずか数分にして狂乱と混沌の世界へ視聴者をいざなう、まさにジョーカーとこの作品を象徴したような幕開けだ。


0-25
ロゴ 25秒

25-1:10
ジョーカーとハーレイ・クイン 45秒

1:10-1:40
何かの実験を指揮するアマンダ 30秒

1:40-2:15
爆発と逃走 35秒

2:15-2:55
この世界は醜く不公平 40秒

2:55-3:25
ゲートを開くためには人間も道具 30秒

3:25-4:05
誰もが新しい世界を望んでいる 40秒

4:05-5:00
だから俺が変えてやる 55秒

承 (275秒)

 ジョーカーの逃走劇、ハーレイ・クインとカタナの一騎打ちとアニメーション的な見どころが続く。アマンダが強行した実験により異世界へのゲートも完成。「起」でのジョーカーの「新しい世界」というキーワードを、ここではアマンダが口にする。この作品は”異世界”がテーマなのだということをあらためて印象付けている。


5:00-5:30
冷めた雰囲気の店内 30秒

5:30-5:50
カマをかけるハーレイ・クイン 20秒

5:50-6:40
続けなさい 50秒

6:40-7:20
ハーレイ・クインの前に立ちはだかるカタナ 40秒

7:20-8:00
のらりくらりとカタナをやり過ごすハーレイ・クイン 40秒

8:00-8:40
カタナの勝利 40秒

8:40-9:15
ジョーカーには逃げられた 35秒

9:15-9:35
新しい世界を切り開いた 20秒

転 (360秒)

 ハーレイ・クインをはじめとする最悪の犯罪者たちを集めたミッション。しかしここで描かれているのは、A.R.G.U.S長官のアマンダが最も最悪だということだ。ミッションの報酬が刑期の短縮で、首に仕掛けられた爆弾で強制的に同意させられるというのは、まんま「電脳都市OEDO808」でも使われた設定だ。この設定をどう料理するのかは料理人の腕の見せどころである。


9:35-9:45
A.R.G.U.S 10秒

9:45-10:20
絶対的な権力を持つアマンダ 35秒

10:20-11:00
連れ出されるハーレイ・クイン 40秒

11:00-11:40
キョウキも無しに世界を変えることなんてできない 40秒

11:40-12:15
最悪の寝覚め 35秒

12:15-13:00
映画俳優らしき男をおちょくるふたり 45秒

13:00-14:00
平和のための崇高な任務のために集められた 60秒

14:00-14:25
任務をこなせば刑期が短縮される 25秒

14:25-15:10
従わなければ首の爆弾が爆発する 45秒

15:10-15:35
冷酷なアマンダ 25秒

結 (510秒)

 アマンダにより5人が送られたのは剣と魔法の異世界だった。モンスターたちを相手に大暴れの大活躍をする5人。しかし異世界人には怪しまれ、あえなく牢屋にぶち込まれてしまうのだった。人物紹介を兼ねた5人それぞれのアクションが楽しめる楽しいパートだ。みんなカッコいい。


15:35-16:00
渋々したがう4人 25秒

16:00-16:30
墜落するヘリ 30秒

16:30-18:00
外はファンタジーの世界 90秒

18:00-18:50
モンスターに囲まれるハーレイ・クインたち 50秒

18:50-19:13
キング・シャーク 23秒

19:13-19:30
ハーレイ・クイン 17秒

19:30-19:48
ピースメイカー 18秒

19:48-20:08
クレイフェイス 20秒

20:08-20:55
デッドショット 47秒

20:55-21:55
兵士たちに敵じゃないアピール 60秒

21:55-22:30
ここは異世界 35秒

22:30-23:33
捕まってしまった5人 63秒

23:33-24:05
先駆者たち 32秒

シーンリプレイ

4:05-5:00
だから俺が変えてやる 55秒

 勝手な妄想と理論の押し付け。世間を見下しているこの言い回しもジョーカーらしい。


5:50-6:40
続けなさい 50秒

 これは実験のことでもあり、直前のシーンの続きのことでもある。おしゃれでメタ的なセリフだ。


11:00-11:40
キョウキも無しに世界を変えることなんてできない 40秒

 狂気と凶器のダブルミーニングの日本語セリフ。英語ではどうなっているのだろうか。



感想

 ジョークを交えた軽妙な会話。メリハリの効いたスピーディーなアクションシーン。魅力的なキャラクターのデザイン。アメコミと日本アニメの良いところをミックスした作品だ。

 世の中の鬱屈をぶちまけ混乱と狂気に満たされた”新しい世界”へ導こうとするジョーカーとハーレイ・クイン。非人道的な実験で文字通り”新しい世界”への扉を開いたアマンダ率いるA.R.G.U.S。この設定が単なる言葉遊びなのか、それともストーリーの展開に大きな意味を持つのか。そこは今後のお楽しみだ。

 キャラクターデザインに関してはハーレイ・クインばかりが取りざたされているが、他のキャラクターたちにも注目すべきだろう。アメコミの魅力を失うことなく、日本のアニメファンにも受け入れやすいデザインになっていると思う。

 キャラクター紹介も兼ねた見ごたえのあるアクションシーンも期待通り。派手さも気持ちよさも私にとってはちょうどいい。今後もキャラクターの個性を際立たせるようなアクションに期待したい。

 せっかく日本制作なのだからストーリー展開にも期待したいところだが、アメコミっぽく大味な展開でもそれはそれで面白いかもしれない。この作品が持つ”お祭り”的な雰囲気は、すべてを飲み込んでしまう魅力がある。

 名作になるのか迷作になるのかは今後の展開次第。私としては正直どっちに転んでも成功だ。こういう作品は肩の力を抜いて楽しむのが正解なんだと思う。