[アニメ レビュー] The♡かぼちゃワイン 第1話 おれは男だ!青葉春助
The♡かぼちゃワイン第1話 おれは男だ!青葉春助
80年代は文化がどんどん新しくなっていった時代だった。男女の関係も文化とともに変わっていった。お見合いや親の決めた縁談は古い文化の象徴で、自由な恋愛こそが正しく”あるべき姿”で新しいとされた。
そんななか「The♡かぼちゃワイン」は大きな女の子とちびの男の子の恋愛を描き、新しく個性的な作品として人気だった。男であることにこだわる古い考えの春助と、そんなツッパった春助を”かわいい”と受けとめるL。春助がLに手を焼く様子が面白かった。
80年代という豊かな時代に甘えていたダメ男にとって、自分からあれこれおせっかいをしてくれる押しかけ女房のようなLはまさに理想の彼女だったのだ。この作品がきっかけで、大柄な女の子が好みになった紳士もいるのではないだろうか。
※本記事は2023年12月21日時点での視聴をもとにした記事です。
2300作品のアニメが見放題!
ドコモ以外も登録可能!
31日間無料!【dアニメストア】
第1話 おれは男だ!青葉春助
第1話の長さは25分05秒(1505秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
<登場人物>
- 青葉春助(あおば しゅんすけ)
- サンシャイン学園に転入してきた中等部の2年生。女ばかりの環境で育ってきたため、男臭い男子校への憧れが強い。
- 朝丘夏美(あさおか なつみ)
- サンシャイン学園中等部2年の女の子。背も高くいろいろとサイズも大きいのでL(エル)と呼ばれている。偶然に出会った春助に夢中になってしまう。
第1話 おれは男だ! 青葉春助
一番に登校したと思っていた春助だが、突然現れたLという美少女から今日は開校記念日だと知らされる。馴れ馴れしいLに戸惑いつつもLが気になる春助。体の大きいLは何かと春助をかまいたがる。パンツを覗いて足をくじいてしまった春助をおんぶしてあげたり。とにかく恥ずかしい春助だった。
治療のために春助を女子寮の自分の部屋へ入れてしまうL。女子寮をウロウロしていて痴漢扱いされてしまった春助は、非常ベルを鳴らされてしまっい寮内は大騒ぎ。男子まで集まってしまう騒動になってしまった。
なんとか誤解が解かれ男子寮へ入寮することができた春助。しかしLはバツとして忍耐部屋へ入れられてしまった。Lが気になっておにぎりを持っていった春助だったが、大好きと叫び続けるLにまいってしまったのだった。
第1話の見どころ
- 昭和の男女観
- だいたいLのせい
- 今ならアウトのセリフだらけ
※背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。
起 (107秒 + 213秒)
0-10
ロゴ 10秒
10-1:47
OP:「Lはラブリー」かおりくみこ 97秒
1:47-2:20
女だらけで育った 33秒
2:20-2:42
俺は男だぞー 22秒
2:42-4:30
もてあそばれる春助 108秒
4:30-5:20
学園に到着 50秒
春助がサンシャイン学園に到着するパート。
承 (400秒)
5:20-6:00
Lちゃん登場 40秒
6:00-6:30
春助に興味津々のL 30秒
6:30-7:30
興味あるのはおにぎりでした 60秒
7:30-8:10
開校記念日 40秒
8:10-9:20
SLコンビ誕生 70秒
9:20-10:30
自業自得です 70秒
10:30-10:42
もっと見たかったなぁ 12秒
10:42-11:30
おんぶしてあげる 48秒
11:30-12:00
恥ずかしい…… 30秒
Lと春助の出会いのパート。
転 (370秒)
12:00-12:45
女子寮へ連れて行かれる春助 45秒
12:45-13:40
おせっかいなL 55秒
13:40-14:35
シャワー室へ隠れる春助 55秒
14:35-15:30
石鹸が! 55秒
15:30-16:40
非常ベルが鳴らされた 70秒
16:40-17:30
男子に会えて大喜びの春助 50秒
17:30-17:50
ケンカつえー 20秒
17:50-18:10
転校生です 20秒
女子寮で大騒動のパート。
結 (319秒 + 96秒)
18:10-19:05
ようやく男子寮へ 55秒
19:05-19:35
ノンデリ春助 30秒
19:35-20:30
Lは忍耐部屋へ 55秒
20:30-21:00
春助を想うL 30秒
21:00-21:40
朝まで飯抜き 40秒
21:40-22:50
ツンデレ!! 70秒
22:50-23:29
春助くーん、だ~いすき♡ 39秒
23:29-24:34
ED:「青葉春介、ザ・根性」古川登志夫 65秒
24:34-25:05
次回予告 31秒
これから始まるふたりの学園生活のパート。
シーンリプレイ
8:10-9:20
SLコンビ誕生 70秒
Lちゃん積極的すぎてちょっと恐怖。おにぎりで落ちる女の子……。
19:35-20:30
Lは忍耐部屋へ 55秒
中学生の女の子がトイレも無い部屋で食事も抜き。普通に人権侵害。でも当時はお話として違和感のある展開でもなかった。
22:50-23:29
春助くーん、だ~いすき♡ 39秒
運動会で大声で応援するオカンくらい恥ずかしい。昔は”うれし恥ずかし”なんて言葉がよく使われたが、まさにこういう感じをあらわしていた。こういう女の子が現れるなどと夢見てはいけない。それは選ばれたイケメンだけに許されたポジションだ。
感想
昭和の価値観では何ともなかったセリフも、令和になって聞いてみるとハラハラするくらいNGだらけ。今の時代には春助のような少年は主人公にはなれないだろう。
「愛してナイト」のお父ちゃんもそうだったが、この頃はまだ70年代の価値観が残っている。”口は悪いが心は優しい”というのは当時のお決まりの型であったのだ。今はもう通用しないが。
Lを「デカ女」と呼び下げまくる春助だが、そこにはLに惹かれている自分の心を認めたくない気持ちと照れ隠しが入っている。そんな素直になれないところが”かわいい”というキャラクター表現だったわけだ。
令和の若者たちは春助の言動にはドン引きするだろうが、40年ぶりくらいに視聴した私もこの時代のノンデリ具合には閉口した。でも実際に私はこの文化の中で生活し大人になったのだ。時代の変化ってすごいと思う。Lが監禁されるシーンなんて今なら冗談にならない展開だ。
男尊女卑的な古い文化の一方で、Lの積極的な春助へのアプローチはとても80年代的だ。「うる星やつら」のラムちゃんにも通ずる、自分を全肯定してくれる押しかけ女房的な新しいヒロイン像だったと思う。
このあたりから今で言う”弱者男性”向けの、”ダメな俺だけどなぜか全部受け入れてくれる学校で一番かわいい女の子”路線の作品が増えてくる。可愛い女の子が勝手に俺のいい所を見つけてくれて好きになってくれるのだ。
80年代、こうしてダメな男たちは好きな子に振り向いてもらう努力を捨て始めたのだ。しかもその努力が必要な層から順番に……。そうして21世紀にはどうなったかというと、大量のヒロイン登場のオレ最強転生作品の乱立になりましたとさ。という恐ろしい本当の話なのだ。
女だらけで育ったことで”男らしさ”にこだわりを持つ春助。心機一転、サンシャイン学園での生活に期待をふくらませるのであった。