[アニメ レビュー] キン肉マン 第20話 7秒フォール! の巻/ノーロープデスマッチの巻

キン肉マン

 ジャンプの黄金期といえば数多くの作品があり、人それぞれに思い出の作品があるだろう。そんな中でも重要な作品といえば「ドラゴンボール」だろう。今でも世界中で愛される漫画・アニメの代表だ。

 今回レビューする「キン肉マン」も人気作品で、お笑い芸人のトークなどで名前だけは知っているという若い方もいるだろう。私の体感からいうと、連載当時の人気や熱量は「キン肉マン」が他作品より頭一つ抜けていたように思う。それはときには「ドラゴンボール」よりもだ。

 当時はまだまだプロレスも子どもたちに人気で、ゴールデンタイムでもやっていたし、プロレスごっこは男の子のメジャーな遊びだった。そんな時代だったから、私たちは超人たちが繰り広げる死闘に夢中になった。

 そんな「キン肉マン」だが、連載開始のころはちょっと下品なギャグ漫画で、そこまで熱狂したりあこがれたりするような作品ではなかった。しかしある日突然に、キン肉マンはカッコよくなったのだ。それがこのジェシー・メイビア戦なのである。

※本記事は2023年7月2日時点での視聴をもとにした記事です。


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第20話 7秒フォール! の巻/ノーロープデスマッチの巻

 第20話の長さは24分41秒(1481秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です

<登場人物>

キン肉マン
本名は「キン肉スグル」。キン肉星の王子。ブサイクな顔だが実はマスク。ドジでマヌケなのも相まって超人レスラーの落ちこぼれ扱いを受けることが多い。
ミートくん
本名は「アレキサンドリア・ミート」。キン肉マンのお目付け役として同行している。いつもナチグロンと一緒にツッコミなどをしている。
プリンス・カメハメ
元ハワイのチャンピオンレスラー。ジェシー・メイビアからベルトを奪還するため、キン肉マンの師匠となる。
ジェシー・メイビア
現ハワイのチャンピオンレスラー。容姿端麗で人気も高い。キン肉マンのあまりの弱さに失望した。


第20話 7秒フォール! の巻/ノーロープデスマッチの巻

 超人オリンピックで勝利し世界チャンピオンとなったキン肉マン。ハワイチャンピオンのジェシー・メイビアとの試合の権利を得るため、ジェシーの付き人であるプリンス・カメハメとの試合に挑む。しかしキン肉マンはわずか7秒でフォールされてしまい、観客もジェシーも失望させてしまった。

 なんとかジェシーに試合を組んでもらおうと奮闘するキン肉マンたち。しかし挑戦状も受け取ってもらえず、ひどい返り討ちにあってしまうのだった。落ち込むキン肉マンに手を差し伸べたのは、なんとジェシーの付き人のカメハメだった。カメハメはジェーシーからベルトを奪還するためにキン肉マンに協力するという。48の殺人技とは何なのか?キン肉マンの大逆転が始まる。

 行方不明と報じられていたキン肉マンだったが、ジェシーのジムに突然現れて弟子たちをコテンパンにしてしまった。鍛え上げた体を見せつけるキン肉マン。その体で繰り出す48の殺人技のひとつ「宇宙旅行」に驚愕するジェシー陣営。立場はいっきに逆転。今度はジェシーがキン肉マンに試合を申し込む番だ!

 大人気で派手な入場をするジェシーに対し、サムライの格好で入場するキン肉マン。ジェーシー陣営はすでに勝ったような空気だが……。ジェシーの口車にノセられてノーロープデスマッチを受けてしまったキン肉マン。しかしキン肉マンには48の殺人技があるのだ。戦え!キン肉マン!!

 第20話の見どころ

  • 数々の昭和ギャグ
  • 強くなったキン肉マン
  • 48の殺人技

背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。



起 (103秒 + 257秒)

0-10
ロゴ 10秒


10-1:43
OP:「キン肉マン GO FIGHT!」串田アキラ 93秒


1:43-2:20
解説のアデランス中野さん 37秒

2:20-2:40
カメハメに勝てばジェシー・メイビア 20秒

2:40-3:00
昭和ギャグ 20秒

3:00-4:05
余裕のキン肉マン 65秒

4:05-4:35
秒で負けた 30秒

4:35-6:00
見苦しいキン肉マン 85秒


 キン肉マンがカメハメに7秒で負けてしまうパート。

承 (370秒)

6:00-6:30
このままでは予定が進まない 30秒

6:30-7:00
ジェシーの試合に乗り込む 30秒

7:00-7:30
ファンにやられた 30秒

7:30-8:00
強敵(とも)の幻 30秒

8:00-8:20
キン肉マンはあきらめが悪い 20秒

8:20-9:00
今度は弟子たちの前で 40秒

9:00-9:20
ボッコボコにされたぴえん 20秒

9:20-9:45
世界チャンピオンのプライド 25秒

9:45-10:00
なぜカメハメがここに 15秒

10:00-10:30
カメハメはキン肉マンの実力を認めていた 30秒

10:30-10:55
ぎゅ~ど、んひっとすじ、さんびゃっくねん♪ 25秒

10:55-11:20
48の殺人技 25秒

11:20-12:10
ベルトの奪還のために 50秒


 失意のキン肉マンにカメハメが手をさしのべるパート。

転 (325秒)

12:10-13:00
キン肉大王 50秒

13:00-13:35
キン肉マンが行方不明 35秒

13:35-14:15
キン骨マンも心配してる 40秒

14:15-15:00
やっぱり帰ってきた 45秒

15:00-15:20
ムキムキボディ 20秒

15:20-15:50
宇宙旅行 30秒

15:50-16:20
ミートくんドヤ顔 30秒

16:20-17:20
挑戦するのはジェシーのほう 60

17:20-17:35
ドジは相変わらず 15秒


 行方不明だったキン肉マンが帰ってくるパート。

結 (335秒 + 91秒)

17:35-18:20
ダブルタイトルマッチ 45秒

18:20-19:00
美しいジェシーの登場 40秒

19:00-20:00
影武者で登場のキン肉マン 60秒

20:00-20:30
すでに勝ちモードのジェシー 30秒

20:30-21:20
ノーロープを受けてしまうキン肉マン 50秒

21:20-22:00
ジェシーにまんまとはめられた 40秒

22:00-22:20
こっちには48の殺人技がある 20秒

22:20-22:50
鋼のような肉体 30秒

22:50-23:10
ついに決戦のときは来た 20秒


23:10-24:21
ED:「肉・2×9-Rock’n Roll」串田アキラ 71秒


24:21-24:41
次回予告 20秒


 ジェシーに有利な条件で試合を受けてしまうパート。



シーンリプレイ

7:30-8:00
強敵(とも)の幻 30秒

 直接ではなくとも、彼らに恥ずかしくない自分でいたい。これも友情パワーの一種だろう。


10:30-10:55
ぎゅ~ど、んひっとすじ、さんびゃっくねん♪ 25秒

 キン肉マンと一緒に口ずさんだフレーズ。版権どうなってんのか不明なネタが多いのもキン肉マンの特徴。


16:20-17:20
挑戦するのはジェシーのほう 60

 ドジとカッコよさの切り替えの切れ味。これが男の子の心を掴んだ。




感想

 まさにキン肉マンのお決まりが形になろうとする瞬間だったのではないだろうか。アデランス、牛丼、ドジ、キン骨マンとイワオのコント、アイキャッチの筋肉落ちるやつなど、言うなれば子ども向けのギャグの応酬は初期の路線だ。

 一方でおならなどの汚い下ネタなしでジェシーの弟子を一掃してしまう強さとカッコ良さは、これ以後の人気を決定づける要素だ。この前のストーリー出会った超人たちとの”友情パワー”的な要素の片鱗も既に登場している。

 アニメならではの魅力としては、OPとEDの力強い歌声とコミカルな歌詞が作品の内容と相性が抜群にいい。そして何と言ってもレジェンド声優によるキン肉マンの演技だ。二枚目と三枚目を行き来する緩急自在の演技は、キン肉マンに格別のカッコ良さをプラスしている。

 48の殺人技という明確な武器を手に入れたキン肉マンは、ここぞというときに発揮するど根性に磨きがかかり、奇跡の大逆転を期待させる最高の主人公となった。私にとってキン肉マンは「7人の悪魔超人編」からが本番なのだが、その雛形であり転換点であったのは、このジェシー・メイビア戦だったと思っている。

 当時の熱狂は遠い昔になってしまったが、今でもおじさんたちの心にはキン肉マンをはじめとする超人たちの勇姿が焼き付いているはずだ。どんな大ピンチもあきらめず相手に喰らいつく。そんな姿にあこがれたり勇気づけられたりしたのだ。

「への突っ張りはいらんですよ」「言葉の意味はよくわからんが、とにかくすごい自信だ」なんて。本当に意味がわからないんだけど、懐かしいやら嬉しいやら。なんか勇気づけられちゃう。思い出って宝物なんだなぁ。