[アニメ レビュー] 虫かぶり姫 第2話 一人芝居
虫かぶり姫
「虫かぶり姫」はライトノベル原作のアニメ化作品で、70年代の少女漫画を思わせるような激甘ロマンス作品だ。主人公のエリアーナと婚約者のクリストファーを中心にドラマが展開される。
サウズリンド王国の公爵令嬢エリアーナは、社交界でも目立たない末席の公爵令嬢だった。彼女の楽しみは本。宝石やドレスにも興味を示さず本に夢中になっている。そしてついたあだ名が「虫かぶり姫」。そんな彼女に王太子のクリストファーが婚約を持ちかけてきた。
王宮の書庫室への出入りを条件にカタチだけの婚約を交わしたふたり。いつかは本命の王太子妃の候補にその座を奪われることを覚悟していたエリアーナ。後宮の行儀見習いのアイリーンと仲睦まじいクリストファーを目撃し、ついにその時が来たと覚悟を決めたが……。
第2話にしてもうすぐ最終回かな?と思われるテンションでストーリーは展開される。なんとここからずーっとあま~いイチャイチャが続くのだ。この令和の時代に。正直恥ずかしくて見てられない。けど見ちゃう。そんな昭和のドキドキをあなたも体験してみてはどうか。
※本記事は2022年11月6日時点での視聴をもとにした記事です。
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第2話 一人芝居
第2話の長さは23分40秒(1420秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
<登場人物>
- エリアーナ・ベルンシュタイン
- 本が大好きな公爵令嬢で本作の主人公。クリストファー王太子との婚約には乗り気ではなかったが、王宮書庫室への出入りを餌にされ婚約を承諾する。
- クリストファー・セルカーク・アッシェラルド
- サウズリンド王国のハンサムで聡明な王太子。実は幼少期からエリアーナに恋をしていた……が、エリアーナは出会ったことすら覚えていなかった。ちなみに王太子とは、王位継承権の第一位の王子のことをさす。
- アイリーン・バルカス
- 社交的で明るい子爵令嬢。最近クリストファーやその側近たちと親しくしている。エリアーナはアイリーンに嫉妬することで、自分のクリストファーへの気持ちに気づいた。
一人芝居
自分の気持ちにけじめをつけるため王宮へ向かうエリアーナ。本や書類を両手いっぱいに抱えたエリアーナが書庫へ向かう途中、悲鳴が王宮に響き渡った。階段の下を振り返ると、そこにはアイリーンが倒れていた。エリアーナに押されたと訴えるアイリーン。どうなるエリアーナ。
状況から見て、どう考えてもエリアーナは犯人ではない。初めからアイリーンを疑っていたクリストファーがアイリーンを追い詰める。しかし往生際が悪いアイリーンはまだまだ食い下がるのだった。
エリアーナへの嫉妬をあらわにしたアイリーンだったが、エリアーナへの殺意は否定した。しかしクリストファーらの調査により、パルカス子爵の悪事が暴かれる。クリストファーはエリアーナの功績を公表することで、全ての貴族に対してエリアーナの妃殿下への支持を取り付けることに成功した。そしてそれこそが、クリストファーの真の目的だったのだ。
第2話の見どころ
- 「はっ」「ほっ」の演技力
- アイリーンの三文芝居
- クリストファーの宣言
※背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。
起 (219秒 + 90秒)
0-1:00
気づいた恋心 60秒
1:00-1:30
決定的な場面 30秒
1:30-2:00
あせる殿下 30秒
2:00-2:30
お返しいたします 30秒
2:30-3:00
遅すぎたのか 30秒
3:00-3:39
虫かぶり姫 39秒
3:39-5:09
OP:「Prologue」井口裕香 90秒
TVアニメ「虫かぶり姫」オープニングテーマ「Prologue」
クリストファーに失恋し傷心するエリアーナのパート。
承 (331秒)
5:09-5:40
けじめをつける覚悟 39秒
5:40-6:05
やっぱり殿下はアイリーンと 25秒
6:05-6:40
何か事件が? 35秒
6:40-7:15
いろいろ押し付けられた 35秒
7:15-8:05
えっ!? 50秒
8:05-8:45
誤解を解きに来た 40秒
8:45-9:05
殿下の悪い顔 20秒
9:05-10:20
嘘八百 75秒
10:20-10:40
はい、間違いありません 20秒
エリアーナが王宮へ戻り、トラブルに巻き込まれるパート。
転 (260秒)
10:40-11:00
あれれー?おっかしいぞー 20秒
11:00-11:20
信じてください 20秒
11:20-12:00
不可能ですね 40秒
12:00-12:30
殿下は見抜いていた 30秒
12:30-12:55
親子ともども 25秒
12:55-13:30
往生際が悪いアイリーン 35秒
13:30-14:30
聡明な殿下 60秒
14:30-15:00
影でエリアーナを守っていた 30秒
アイリーンの嘘がばれて逮捕されるパート。
結 (430秒 + 90秒)
15:00-15:15
暗殺は企んでいない 15秒
15:15-16:25
命を狙われていた 70秒
16:25-16:50
アイリーンの本性 25秒
16:50-17:20
エリアーナの功績 30秒
17:20-18:15
感謝の嵐 55秒
18:15-18:40
もう離さないぞ 25秒
18:40-19:10
偽物の美術品 30秒
19:10-19:50
パルカスの企み 40秒
19:50-20:50
妃殿下への後押し 60秒
20:50-21:10
殿下はこれを狙っていた 20秒
21:10-21:30
公開プロポーズ 20秒
21:30-21:50
拍手不可避 20秒
21:50-22:10
殿下の作戦勝ち 20秒
22:10-23:40
ED:「革表紙」伊東歌詞太郎 90秒
TVアニメ「虫かぶり姫」エンディングテーマ「革表紙」
事件が解決し、クリストファーの真の目的が成就するパート。
シーンリプレイ
1:00-1:30
決定的な場面 30秒
あーこういうの傷つくよねー。誰しもが経験する苦い場面。
15:15-16:25
命を狙われていた 70秒
冷たくされていたのは実は……という気持ちいい展開。こういうのでいい。
21:10-21:30
公開プロポーズ 20秒
エリアーナへの気持ちを公言する殿下。一番の見せ場です。
感想
「虫かぶり姫」は70年代ロマンスの皮をかぶった作品だ。主人公のエリアーナは最近では見なくなったタイプのヒロイン。自分はいるだけなのに、周りの王子様たちが動いてくれてイイ感じになりました。そういう作品に見えるだろう。
実際はエリアーナの知識と助言により、多くの人が助けられている。そしてみんながその功績を認識し感謝してくれているのだ。周囲が彼女の有能さを評価しているという点でとても現代的だ。ただ美しく無垢なキャラクターが魅力的に感じる時代ではない。しかも彼女の知識は本から自分で掴み取った能力なのだ。
逆に言うと、有能な女性を正当に評価するということがファンタジーとして成立してしまう情けなさ、というのも感じてしまう。女性に限った話ではないが、能力を正当に評価されるなんてこと、現実にはあまり期待できない。
エリアーナはモノローグではいろいろと語っているため私たちはあまり意識しないが、実際には「はっ」「ほっ」だけで会話していることも多い。クリストファーは見透かしたようにエリアーナと会話しているが、もう超能力に近い読み取りをしている。これも愛のなせる技なのか。
ではなぜクリストファーは、エリアーナのように一歩引いた無口な女性に惚れ込んでいるのか。その一端は第2話の後半に語られているが、第3話ではふたりの出会いとエリアーナがいかに王家に相応しい女性なのかが描かれている。たぶんそれでみなさんも納得できるだろう。
第3話でタガが外れたクリストファーは、もう見てられないくらい色ボケしてしまう。どちらかというとこの作品の見どころはそっちの方なので、今回のカッコいい殿下を目に焼き付けておいてほしいなと思った次第です。
せめて自分の耳でクリストファーの気持ちを聞きたいと思ったエリアーナは、たまらずクリストファーのもとへと向かった。しかしそこにはアイリーンと歓談するクリストファーがいた。いまさら自分の気持ちに気づいたエリアーナは傷ついた心を抱えて城を去るのだった。