[アニメ レビュー] 最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。 第3話 『追憶の日へ』

最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました

 主人公であるアイビーはテイマーのスキルを授かった少女。しかし星なしの最低ランクスキルだったため、故郷のラトメ村を追われる。

 逃走しさまようなか最弱の崩れスライムと出会ったアイビー。彼女はそのスライムにソラと名付けた。

 望まれないスキルを持ったアイビーと最弱のスライムであるソラ。最弱のふたりは力を合わせ旅を続けてゆく。

 第2話では魔物に襲われ倒れたアイビーがソラに食べられるところで終わっている。

※本記事は2024年2月8日時点での視聴をもとにした記事です。


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第3話 『追憶の日へ』

 第3話の長さは23分40秒(1420秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です

<登場人物>

アイビー / フェミシア
日本人であった記憶をおぼろげながら持っている少女。なぜか故郷のラトメ村から指名手配されている。崩れスライムのソラと放浪の旅ををつづけている。
ソラ
アイビーのテイマースキルによってテイムされた崩れスライム。ポーションが大好き。
ルーバ
星1の占い師。星なしと判定され村を追われたフェミシアに、独りでも生きてゆくための知識を授けてくれる。


第3話「追憶の日へ」

<ストーリーの流れ>

温かい家族のもとに生まれ、元気に育ったフェミシア

神様に授かったスキルは星なしのテイマー

村を追われたフェミシアを助けてくれたルーバ様

ソラによって絶望から救われるアイビー


背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。



起 (300秒)

 これまで謎だったアイビーの過去のことが描かれている。現状とは違い、温かな家族に優しさに包まれて育ってきたことがわかる。フェミシアというアイビーの本名と、この世界におけるスキルの重要性も示されている。


0-45
フェミシアが生まれた日 45秒


45-2:15
OP:「果てのない旅」鈴木愛奈 90秒


2:15-3:05
元気に育ったフェミシア 50秒

3:05-4:00
スキルに支えられた生活 55秒

4:00-4:20
スキルは星の数でランクづけされている 20秒

4:20-4:55
フェミシアはもうすぐ5歳 35秒

4:55-5:00
5歳になるとスキルがもらえる 5秒

承 (300秒)

 この世界におけるスキルについての詳細が語られる。特に”星の数”は重要視されており、人物評価のひとつの基準になっているようだ。もうひとつ、フェミシアが転生者であることが判明する。村の占い師であるルーバ様だけがそのことを理解してくれている。お祈りをしてくれたあとの不安そうなルーバ様の表情がフェミシアの行く末を予感させる。


5:00-5:30
高レベルのスキルがあれば生活は安泰 30秒

5:30-6:20
フェミシアはテイマーのスキルがほしい 50秒

6:20-6:40
フェミシアのためにお祈りをしに来てくれたルーバ様 20秒

6:40-8:00
以前にルーバ様と交わした”転生”を秘密にする約束 80秒

8:00-8:39
星の数は少ないルーバ様 39秒

8:39-9:00
フェミシアがスキルを授かる日 21秒

9:00-9:40
授かった力はテイマー 40秒

9:40-10:00
星なしのテイマー 20秒

転 (395秒)

 星なしと分かり、家族を含めた村人の全員から冷たい態度をとられ、フェミシアが村から逃げ出さざるを得なくなる。さまよった末に寒さと空腹で倒れてしまうフェミシア。この世界においてスキルがどれだけ重要視されているのか残酷なほど伝わってくる。しかしフェミシアはかろうじてルーバ様に救われることになる。優しい声と落ち着いた口調の演技が”安心”を感じさせてくれる場面だ。


10:00-10:25
星なしと聞いてざわつく大人たち 25秒

10:25-11:45
家を追い出されるフェミシア 80秒

11:45-12:20
村じゅうからひどい仕打ちを受ける 35秒

12:20-13:00
村にいられなくなったフェミシア 40秒

13:00-13:55
孤独にさまよい寒さと空腹で倒れる 55秒

13:55-14:40
予見していたルーバ様 45秒

14:40-15:15
魔力がなくても知識があれば役に立つ 35秒

15:15-16:00
信頼できる人にすべてを話すこと 45秒

16:00-16:35
スキルがないのは悪いことではない 35秒

結 (335秒 + 90秒)

 絶望の思い出から目を覚ましたアイビーを待っていたのは、自分を食べようとするソラ。絶望から絶望へのコンボ……と思いきや、ソラはアイビーの傷を治そうとしてくれていた。実は希望へのラストという締めだ。ソラは手の傷だけではなく、アイビーの傷ついた心も治してくれた。この作品にとって最重要事項といえる、ソラとアイビーの繋がりを描いた場面。フェミシアとしての絶望と、ソラに助けられたアイビーとしての救いの対比が印象的だ。


16:35-17:00
3年後、ゴミを再利用し知識で生活するフェミシア 25秒

17:00-18:00
ルーバ様の死 60秒

18:00-18:50
家族に見捨てられるフェミシア 50秒

18:50-19:35
呪いの罪を背負わされるフェミシア 45秒

19:35-20:00
目が覚める 25秒

20:00-20:30
今までのは走馬灯だった? 30秒

20:30-20:40
どうせいらない子だから 10秒

20:40-22:10
もうちょっと頑張って生きてみようかな 90秒


22:10-23:40
「because」丁 90秒 


シーンリプレイ

10:25-11:45
家を追い出されるフェミシア 80秒

 自分を愛してくれていた家族にまで酷い扱いをされてしまう。それほどまでにこの世界ではスキルの星は重要らしい。


16:00-16:35
スキルがないのは悪いことではない 35秒

 貼られたラベルやデータだけで人間の価値を決めることはできない。


20:40-22:10
もうちょっと頑張って生きてみようかな 90秒

 ただひとり頼れる存在を失ったばかりか、罪まで背負わされたフェミシア。でもアイビーにはソラがいる。とても心強い仲間だ。


感想

 第1話から第3話までの締めくくり。主人公とソラの紹介が完了した回だ。絶望の連続と救いのタイミング。この感じはどこかで観たことある懐かしい感覚だ。そう、それは世界名作劇場である。言うなればこの作品は異世界名作劇場なのだ。

 この作品は異世界ものであるが、派手な魔法や”オレつえー”な展開は皆無。地味で目立たない感情の描写やしぐさに力をいれて物語を描いている。

 ストーリー展開もスカッとするようなものは少なく、絶望や不安のなかにかすかな光明がさすような場面が中心に展開。現代のアニメにしては地味な作品になってしまい、注目度も控えめになってしまうのは残念なところだ。

 劇中で言われる”スキル”は我々の現世でいう”学歴”や”才能”にそのまま置き換えられる。フェミシアのように”役に立たない”と判断され、周囲から見放された経験が原作者にもあったのかもしれない。そう思えるほど”星なし”については残酷に描かれている。

 その残酷さはかつての世界名作劇場で感じた残酷さだ。困難が次から次へと襲いかかるのこ感じは懐かしい。私としては「ペリーヌ物語」や「私のあしながおじさん」を観ているかのような生活や街の描写が懐かしく心地よい。合間にパルナスやハウスのCMが流れても私的には違和感ないと思う。タイトルも「私はアイビー」とかでもいけそうだ。

 フェミシアが村を追われた本当の意味、アイビーが安らげる居場所はあるのか、ソラはどこまで成長するのか、これからのふたりの冒険に注目だ。