[アニメ レビュー] 逃走中 グレートミッション Mission2 救え! 謎の少女

逃走中 グレートミッション

 蓼食う虫も好き好きとはよく言ったもので、人の好みは千差万別でだからこそ面白い。クソゲーが大好きな人がいるように、変なアニメが大好きなのがいるのもまた真実だ。まぁ私のことなんだが。

 はっきり言って「逃走中 グレートミッション」は凡作である。クオリティは現代のアニメとしてそれなりだが、「逃走中」を下敷きにしたという以外なんの特徴もない、ビジネスの一環としてプロ集団がそれなりに作った作品という私の印象もそれほど外れてはいないだろう。

 それはそれとして、ちょっと古臭いキャラクターデザインや無理のあるストーリー展開など気になる点が多い。そのトレンドをハズした感じを狙ってやっているのなら「今回は受けなかった」で終わる話なのだが、どうも「アニメってこういうのでしょ?」みたいなバブル時代のセンスで作っているような印象を受ける。

 あえてストライクからズラして投げるのと、明後日の方向にぶん投げるのは意味がまったく違う。そしてこの作品は後者のほうで、こういう作品は私の大好物なのだ。日曜日の朝という激戦区に投入された「逃走中 グレートミッション」という不確定要素。日曜日の朝に何かが起こる……かもしれない。

※本記事は2023年4月29日時点での視聴をもとにした記事です。


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Mission2 救え! 謎の少女

 Mission2の長さは23分20秒(1400秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です

<登場人物>

トムラ 颯也(とむら そうや)
月面の下層地域に住む17歳の少年。弟ハルの病気を治すために決死の覚悟で逃走中に参加した。
丹波 すず(たんば すず)
シブヤに住む謎の少女。どうやら怪獣シブラーの秘密を知っているらしい。会ったばかりなのに、過剰なほどソウヤに愛されている。


Mission2 救え! 謎の少女

 月面の下層に住むソウヤは一攫千金を夢見て逃走中に参加した。逃走中のステージ「2023年の渋谷」に送られた曲者揃いの逃走者たち。そこに怪獣が現れ町の人々を襲いはじめた。

 怪獣の名前をつぶやく謎の少女すず。怪獣にさらわれた彼女を助けたいソウヤは懸命に怪獣を追う。フィールドにはアイテムが配置され、逃走者たちはそれをゲットし怪獣の退治に向かう。不用意に怪獣に近づこうとするソウヤを助けてくれたのはルナだった。

 1分程度しか会ってないすずに執着し落ち着かないソウヤ。そんなソウヤを助けてくれる逃走者たちのおかげで、人々を捉えていた怪獣に大ダメージを与えることができた。さらに他の逃走者も駆けつけるのだが。

 シブラーと戦う逃走者たちに襲いかかるハンター。なんとか切り抜けるもピンチには変わらない。絶体絶命かと思われたが、チャマの勇気ある行動によって見事にシブラーを撃退する。すずと感動の再会を果たすソウヤ。しかし戦いはまだ終わっていなかったのだ。

 Mission2の見どころ

  • 無駄に多いキャラ紹介
  • ソウヤのすずへの執着
  • 怪獣とハンター相手の無理ゲー

背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。



起 (295秒)

0-15
ロゴ 15秒


15-1:40
OP:「Runaway World」fhána 85秒


1:40-2:20
逃走中とは 40秒

2:20-2:35
グラビティーマスター トムラ ソウヤ 15秒

2:35-2:43
クセモノ盗塁王 ライパチ 8秒

2:43-2:48
ボルダリングの天使 セイラ・ピーボディ 5秒

2:48-2:56
神悪童 ユリアン・ガウス 8秒

2:56-3:05
ダークドクター ドクター・ジラフ 9秒

3:05-3:19
逃走クラッシュ娘 パンナ・ラヴ 14秒

3:19-3:30
協力プレイもあり 11秒

3:30-3:44
超感武人 カラハリ・シュウ 14秒

3:44-3:50
信楽たぬき男 ??????? 6秒

3:50-3:57
ラッキーミューズ 西洞院 ルナ 7秒

3:57-4:02
ミスター・パーフェクト モーリス・シューメーカー 5秒

4:02-4:15
怪獣だぁ↓ 13秒

4:15-4:40
逃げるソウヤ 25秒

4:40-4:55
これが逃走中か 15秒


 キャラクター紹介と怪獣登場のパート。

承 (305秒)

4:55-5:25
名前を聞くソウヤ 30秒

5:25-5:55
もう呼び捨て 30秒

5:55-6:27
ルールの説明 32秒

6:27-6:33
夢見るスタントマン オーガ・クリスタル 6秒

6:33-6:37
マインドフルネスレディ フェザリー・ギバー 4秒

6:37-6:43
月光貴族 ダイナ・アレキサンドロス 6秒

6:43-6:49
ローンソルジャー オリヴァー・フォックス少佐 6秒

6:49-7:00
絶対にすずを助ける 11秒

7:00-7:29
本当になんなの 29秒

7:29-7:43
アイテム要素 14秒

7:43-8:00
快速の貴公子 シド・フェニックス 17秒

8:00-8:20
裏取りマン チャマ・ハスラー 20秒

8:20-8:35
ヘビー級ビースト ビースト・ダビディ 15秒

8:35-8:50
タッチダウンキング トラヴィス・ロウ 15秒

8:50-9:25
すべてのアイテムがゲットされた 35秒

9:25-9:40
兄を心配するハル 15秒

9:40-10:00
ルナさんナイス 20秒


 謎の少女すずの登場とキャラクター紹介のパート。

転 (300秒)

10:00-10:40
モーリスさんかっけー 40秒

10:40-10:55
借金大王 ペンタ・バッカーナ 15秒

10:55-11:15
ハンターに見つかった 20秒

11:15-12:00
アメイジングウィッチ マジカル・ホーミー 45秒

12:00-12:30
ちょっと落ち着け 30秒

12:30-12:55
待っていた怪獣 25秒

12:55-13:20
少佐と貴公子 25秒

13:20-13:45
だから落ち着けって 25秒

13:45-14:35
物理で殴ればいい 50秒

14:35-15:00
筋肉バカと裏取りマン 25秒


 地下に巣食う怪獣を討伐するパート。

結 (410秒 + 90秒)

15:00-15:30
復活のシブラー 30秒

15:30-16:00
モーリスさんの判断 30秒

16:00-16:30
クレイジー筋肉バカ 30秒

16:30-17:00
ここでハンター参上 30秒

17:00-17:40
筋肉バカのおっさん確保 40秒

17:40-18:20
外しちまった 40秒

18:20-18:50
バチバチしてきた 30秒

18:50-19:30
やったー 40秒

19:30-19:45
感動の再会 15秒

19:45-20:10
思いがけず活躍したチャマ 25秒

20:10-20:25
ミッション成功 15秒

20:25-21:00
チャマ確保 35秒

21:00-21:30
丹波博士 30秒

21:30-21:50
シブラーとハンター 20秒


21:50-22:50 ED:「Fly Away」AB6IX 60秒


22:50-23:20 次回予告 30秒


 シブラーを撃退しすずを取り返すパート。

シーンリプレイ

4:02-4:15
怪獣だぁ↓ 13秒

 テンションの上がる原作どおりのナレーション。この作品の目立ったいいところのひとつ。


6:49-7:00
絶対にすずを助ける 11秒

 助けるのはいいとしても、さっき会ったばかりなのに意気込みが尋常じゃない。もしかすると、弟のハルと重なる部分があったのかもしれない。


19:30-19:45
感動の再会 15秒

 これはもう将来を誓いあった恋人だろ。さっき会ったばかりなのに。


感想

 人気番組のアニメ化ということや日曜日の朝の時間帯ということで、それなりにお金もかかってそうな雰囲気はする。雰囲気はするが、ストーリーの詰めが甘いのか駆け足で進んでいるのか、視聴者が置いてけぼりな感じもする。

 ハンターとの追いかけっこも発生し、ギリギリの勝負の場面ではスローモーションと音楽でハラハラドキドキの演出はあるが、たいして盛り上がらない。どんな困難もご都合主義で乗り切れるのは分かっているので、盛り上がらないのだ。しかし逆に安心して観ていられるとも言えるのではないか。

 キャラクターのデザインも90年代あたり、いや、80年代といっても通りそうな古臭いデザインだが、”逆に新しい”という感じもしない微妙なデザインだ。アメコミ調にも見えるので、海外も意識しているのかも。

 超展開なストーリーは逃走中のファン層と思われる子どもから親世代をターゲットにした結果なのだろうか。中途半端を具現化したような内容は”ある意味面白い”と言える。ただアニメ文化をリードする若いアニオタ世代には受けないだろうし、初めからターゲットにしてはいなさそうだ。

 ただ私はこのアニメが大好きで、個人的には今期マストな作品だと思っている。会ったばかりの幼女に執着する主人公も面白いし、大量に出てきて名前を覚える前に消えていく逃走者たちもツボだ。シブラーとかいう怪獣も「シブラー!うしろー!」と言いたくなる語感(言わないが)でウズウズさせてくれる。

 私のようなひねくれたアニヲタおじさんは、こういう頭空っぽで観られるアニメが大好きなのだ。この作品を観ている間は小学生に戻って純粋にアニメを楽しんでいる。季節が季節なら朝ごはんも食べずにチューペットくわえて「逃走中 グレートミッション」を観ている小学生の自分の姿が容易に想像できる。

 まだ序盤なのでなんとも言えないが、これで終盤にラスボスが「私が新世界の王になるのだ」系のこと言ってくれたら大満足だ。みんなにはオススメしません!でも個人的には今期の激推し作品のひとつなのだ。