[アニメ レビュー] 妻、小学生になる。 第1話 家族、ふたたび。
妻、小学生になる。
もしも亡くなった家族が別人として転生していたら、もういちど家族として暮らしたいと思う方もいるだろう。この物語は小学生になって戻ってきた妻との生活を通して「家族」というものの意味を問いかける作品だ。
妻が小学生ということでロリコン作品だと勘違いされる方もいるようだが、そういう作品ではない。むしろ小学生という設定によって性的なものを排除し、夫婦や親子の愛情そのものによりフォーカスすることに成功した作品なのだ。
いっぽうで愛情に恵まれなかったキャラクターも登場し、社会問題に切り込む一面もある。ただハートウォーミングなだけでなく、人と人の関係に発生する愛情という現象を様々な角度から描く物語だ。
※本記事は2024年11月18日時点での視聴をもとにした記事です。
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第1話 家族、ふたたび。
第1話の長さは23分40秒(1420秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
<登場人物>
- 新島 圭介(にいじま けいすけ)
- 10年前に妻の貴恵を亡くし無気力になってしまった。しかし10年たった今でも変わらず貴恵を愛している。
- 新島 貴恵(にいじま たかえ)
- 10年前に交通事故で亡くなった圭介の妻。今は白石万理華に転生し、小学生として生活している。
- 新島 麻衣(にいじま まい)
- 圭介と貴恵の娘。現在就職活動中。
第1話 家族、ふたたび。
<ストーリーの流れ>
⇩
その少女は確かに貴恵だった
⇩
新島の生活の変化
⇩
夫婦の絆を確かめる新島と貴恵
※背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。
起 (389秒)
貴恵と出会い麻衣が生まれ幸せの絶頂だった10年前の新島。今は少ししょぼくれた、うだつの上がらないサラリーマン。娘とのさみしい食事に突然の来客。なんとそれは自らを「貴恵」と言い張る小学生だった。
0-1:05
電子決済の提案 65秒
1:05-1:40
お腹が減った新島 35秒
1:40-2:20
貴恵の手作り弁当をもらう新島 40秒
2:20-2:50
勇気を出して貴恵を食事に誘った新島 30秒
2:50-3:35
麻衣と貴恵に囲まれた幸せな人生 45秒
3:35-4:25
ずっと続くはずだった幸せ 50秒
4:25-5:10
現在の新島 45秒
5:10-5:30
10年前から新島の時間は止まったまま 20秒
5:30-6:00
ふたりだけのさみしい食事 30秒
6:00-6:29
小学生の貴恵が帰ってきた!? 29秒
承 (364秒)
喋り方や態度で目の前の少女が確かに新島貴恵だと認識する新島と麻衣。10年前に止まった時間が動き出した。
6:29-8:00
OP:「アイノリユニオン」pachae 91秒
8:00-9:10
小学生は10年前に転生した貴恵だった 70秒
9:10-9:30
ふたりに説教をする貴恵 20秒
9:30-10:00
麻衣の心配をして励ます貴恵 30秒
10:00-10:30
貴恵がお弁当を作ってくれることに 30秒
10:30-12:00
あえて厳しいことを言う貴恵 90秒
12:00-12:33
貴恵に決意を誓うふたり 33秒
転 (222秒)
貴恵に再び会えたことで生きることに幸せを感じるようになった新島。その変化を感じ取った部下の守屋は、それを期に新島とお弁当友達になることに成功した。
12:33-13:10
貴恵に会えたことで生活にハリが出てきた新島 37秒
13:10-13:45
貴恵の弁当に大満足の新島 35秒
13:45-14:45
新島の変化に興味を持つ守屋 60秒
14:45-15:10
鈍い新島 25秒
15:10-16:15
守屋とお弁当友達になる新島 65秒
結 (355秒 + 90秒)
新島と貴恵。ふたりを繋ぐのは愛妻弁当。お弁当を作ってくれる貴恵がいることを感謝する新島。どんなことがあってもお弁当を食べてくれる新島を愛しくおもう貴恵。ふたりは改めてお互いの愛を確かめられた。
16:15-16:50
スマホに手を焼く貴恵 35秒
16:50-17:15
貴恵を待ち受けにしようとする新島 25秒
17:15-17:55
楽しい家族の団らん 40秒
17:55-18:25
お弁当の受け渡し 30秒
18:25-19:13
新島の分までお弁当を作ってきた守屋 48秒
19:13-19:50
遅弁を貴恵に見つかる新島 37秒
19:50-20:20
鈍い新島 30秒
20:20-21:00
貴恵のお弁当が愛しくて仕方がない新島 40秒
21:00-22:10
夫婦の絆 70秒
22:10-23:40
ED:「Hidamari」Ms.OOJA 90秒
シーンリプレイ
8:00-9:10
小学生は10年前に転生した貴恵だった 70秒
人はどこかで亡くなった人が戻ってほしいと思っている。だからウソである証拠よりも、本当である証拠を優先して探してしまうのだろう。
12:00-12:33
貴恵に決意を誓うふたり 33秒
厳しいことを言ったものの、ふたりの決意を聞いて嬉しそうな貴恵。彼女もこの奇跡が続けばいいと思っているのだ。
15:10-16:15
守屋とお弁当友達になる新島 65秒
これだけでも鈍くさい新島の性格が察せられる。だからこそ貴恵も新島を好きになったのだろう。
感想
貴恵が帰ってきたことで新島家は明るさを取り戻した。すべてが上手くいくように思われるが、物語はそう簡単にはいかない。新島に想いを寄せる守屋の存在。麻衣の就職活動。貴恵の現在の家庭にどう説明するのか。
普通に考えれば貴恵と再会できたのは奇跡であり、いつ別れのときがきてもおかしくはない。それでも新島家が明るくいられるのは、家族が揃っていられるこの瞬間の大切さを実感しているからだ。
スマホに手を焼く貴恵を愛おしく思う新島。帰宅して貴恵がいることに喜ぶ麻衣。本来ならば貴恵は一生見ることができなかったはずの麻衣のスーツ姿。これらのささやかな日常によって。彼らは10年の止まった時間を埋めていっている。
家族としていられる時間が貴重であることを痛いほどわかっている彼らは、団結し様々な困難を乗り越えてゆく。実は私たちも置かれている状況は彼らと同じで、この先どうなってしまうのかなんて分からない。家族の絆の大切さを認知できているかどうかの違いしかないのだ。
この物語はファンタジーでありながらも、家族の繋がりとその本質を鮮やかに描き出す社会派の作品だ。たとえ見た目が小学生であろうとも、夫婦や家族としての絆は変わらない。それはとても尊いことだと思う。
10年前に妻が亡くなった新島に「貴恵」と名乗る小学生が訪ねてくる