[アニメ レビュー] うる星やつら 第1話 かけめぐる青春/絶体絶命
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うる星やつら
言わずとしれた名作漫画のアニメ化作品が、令和の時代に再降臨した。初報以来、今か今かと待ち望んでいた方も多いだろう。何を隠そう私もそのひとりだ。続報が出るたびに安心させてくれたのは珍しい体験だった。
世間の方々の意見をみていると「ラムちゃんは知ってるけど、どんな話かは知らない」とか、「絵は知ってるけど、どんなキャラかまったく分からない」というのもあって、そんな方々がどんな感想を持ったのか気になるところだ。
私はというと、制作陣全員の原作愛(アニメと漫画両方の)と気合を感じて全力で楽しんだ、という感想だ。ただの旧作の再現にとどまらない可能性を感じさせてくれた。絵も声もすぐに違和感は消えて行くだろう。「うる星やつら」の精神は見事に受け継がれたのだ。
※本記事は2022年10月23日時点での視聴をもとにした記事です。
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第1話 かけめぐる青春/絶体絶命
第1話の長さは22分50秒(1370秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
<登場人物>
- 諸星あたる(もろぼしあたる)
- 友引高校に通う高校生。しのぶという彼女がいるが、浮気性で女性に目がない。
- ラム
- インベーダー代表としてあたると鬼ごっこをする鬼の女の子。
- 三宅しのぶ(みやけしのぶ)
- あたるの幼なじみの彼女。
かけめぐる青春/絶体絶命
両者余裕で始まったかに見えた鬼ごっこは、ラムの圧倒的な有利で進んでいった。最終日直前、プレッシャーに押しつぶされそうになるあたる。そんな時、しのぶが手を差し伸べた。
期限がせまるなか、劣勢を極めるあたる。しのぶから結婚を約束してもらったあたるは奮起し、なんとかラムにくらいついた。偶然にも奪うことができたビキニトップを利用したあたるは、大逆転の勝利をおさめる。しかしなぜかあたるはラムと結婚することになってしまったのだった。
家に居座るラムに限界のあたる。なんとか追い出し恋人のしのぶと電話をする。しかしラムが宇宙船から電波で横槍を入れてきた。愛の力で乗り切ろうとするふたり。ラムの放った雷の嵐のなか、しのぶとあたるはなんとか会うことに成功した。嫉妬に狂ったラムは宇宙船ごとふたりに特攻。大混乱の末、ラムは引き続き諸星家に居座るのだった。さだめじゃ。
第1話の見どころ
- あたるとラムの鬼ごっこ
- ラムとしのぶのかわいさ健在
- SNSを彩るみんなの描いたラムちゃん
※背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。
起 (308秒 + 90秒)
0-45
宇宙船の襲来 45秒
45-1:30
浮気者あたる 45秒
1:30-2:05
勘違い 35秒
2:05-2:40
とにかく悪い 35秒
2:40-3:00
強制送還 20秒
3:00-3:20
インベーダーでんがな 20秒
3:20-3:58
地球を賭けて鬼ごっこ 38秒
3:58-4:25
ラムちゃん登場 27秒
4:25-5:08
下心まるだし 43秒
5:08-6:38
OP:「“アイウエ” feat. 美波, SAKURAmoti」MAISONdes 90秒
アイウエ
あたるが地球代表に選ばれ、ラムと地球を賭けて勝負することになるパート。
承 (232秒)
6:38-7:00
鬼ごっこ 1日目 22秒
7:00-7:50
まだまだ余裕のふたり 50秒
7:50-8:30
ラムの圧倒的有利 40秒
8:30-8:50
負けムード一色 20秒
8:50-9:28
産むんじゃなかった 38秒
9:28-10:00
絶望のあたる 32秒
10:00-10:30
結婚が餌になった時代 30秒
ラムの圧倒的な能力と地球のプレッシャーで潰れそうになるあたるのパート。
転 (222秒)
10:30-10:50
けっこん!けっこん! 20秒
10:50-11:15
必殺の電撃 25秒
11:15-11:45
楽しくなってきたラム 30秒
11:45-12:00
伝説の名場面 15秒
12:00-12:30
あたるの一本勝ち 30秒
12:30-12:50
あたるを見つめるふたりの眼差し 20秒
12:50-13:30
ムコはん 40秒
13:30-14:12
ダーリン♡ 42秒
あたるがラムに勝利し、ラムと結婚するパート。
結 (423秒 + 95秒)
14:12-14:25
出てけー 13秒
14:25-14:45
離婚じゃー 20秒
14:45-15:15
やっとしのぶと話せる 30秒
15:15-15:45
徹底抗戦の構え 30秒
15:45-16:05
アホの活造り 20秒
16:05-16:20
父親は無力 15秒
16:20-17:00
愛の力 40秒
17:00-17:50
三角関係のブラックホール 50秒
17:50-18:45
父親としてできること 55秒
18:45-19:00
昭和的フリオチ 15秒
19:00-19:50
メロドラマ的パロディ1 50秒
19:50-20:10
特攻ギャグ 20秒
20:10-20:45
メロドラマ的パロディ2 35秒
20:45-21:15
お決まりの電撃オチ 30秒
21:15-22:45
ED:「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ feat. 花譜, ツミキ」MAISONdes 90秒
トウキョウ・シャンディ・ランデヴ
22:45-22:50
次回予告 5秒
しのぶとあたるとラムの三角関係を見せるパート。
シーンリプレイ
3:58-4:25
ラムちゃん登場 27秒
まさにヒロイン登場!という感じ。かわいい。
11:15-11:45
楽しくなってきたラム 30秒
あたるに真剣に追いかけられるのが楽しくなってきたラム。
19:00-19:50
メロドラマ的パロディ1 50秒
現代の若者に通じるかどうかも怪しい。とても懐かしいノリ。
感想
現在のアニメに比べて圧倒的にテンポが速い。しかし旧作はもっと短い。これでもアタマの宇宙船の襲来のシーンとオシリのラムが押しかけるシーン、細かい作画や演出などで2分半弱ほど旧作より長くなっているのだ。
後半の「絶体絶命」では、”テレビまんが”と称してもいいようなテンポの良いエピソードで、4コマ漫画を積み重ねて構成されたような小気味いいテンポで進む。早送りや倍速で視聴する世代には、じっくり語るスタイルよりも、逆にこの昭和式の造りのほうがピッタリくるのもかもしれない。
OPテーマやEDテーマも、令和最新の映像と曲で作品の雰囲気を盛り上げている。スマホやヲタ芸などの令和ならではのネタも、曲と相まって「うる星やつら」のごちゃごちゃ感を表現していて非常に楽しい。
特に冒頭5分であたるとラムの出会いを描いた後のOPの効果は絶大で、「さぁ『うる星やつら』始まるよー!」といった感じで、制作陣の自信と覚悟がうかがえる。おじさんおばさんの中にはここで涙された方もおられるだろう。それくらいこの作品を”大切に思っている”ファンは多い。
どれだけこの作品が愛されているかは、SNSでのお絵描き投稿を見れば一目瞭然だ。私は放送直前までファンアートをワクワクしながら観て回った。いろいろな絵柄で描いてあるのも面白いし、なによりみんなの期待が分かりすぎて一緒にムズムズした。
「うる星やつら」はラブコメの開祖やラムちゃんがカワイイというだけの作品ではない。おしゃれで、かわいくて、実験的で最先端でハイセンス、それでいて最高にオタクな作品なのだ。なんてったってSFと妖怪がごちゃ混ぜなのだ。日本でしか生み出せない。
昭和の文化を再現したエピソード冒頭から、いきなり令和の”いま”をぶち込んだOPが始まる。これはただのリメイクで終わるわけないぞ……と、私なんかは思ってしまうのだ。それでこそ「うる星やつら」なのだ。
今のところ原作の人気エピソードをアニメ化という情報しかないが、個人的には実験的なアニオリ回も望んでいる。それだけ懐の深い作品だし、次世代の才能の育成にもうってつけの場所だ。
予定では4クールだそうだが、あと4クールと映画2本くらいはいけそうな勢いは感じる。でも完全3DCGとか実写とか言われたら泣く。色んな意味で泣く。
女の子大好きな少年・諸星あたるは、突然飛来したUFOから来たインベーダーに地球代表に選ばれ、地球の存亡を賭けて鬼ごっこをすることになった。乗り気でなかったあたるだったが、相手が可愛らしい鬼の女の子だと知って、やる気満々になるのだった。