[アニメ レビュー] 私の推しは悪役令嬢。 第3話 私の恋は七転八起。

私の推しは悪役令嬢。

 前世で過労死したレイは気がつくと大好きでやり込んでいた乙女ゲーム「Revolution」の世界へと転生していた。ゲームの主人公として生まれ変わったレイは、大好きな悪役令嬢のクレアの運命を変えるために奔走する。

 主人公であるレイは前世のころからクレアのことが大好きで、ぜひお近づきになりたいと思っている。いっぽうクレアはレイに対しては嫌がらせの限りをつくそうとする。それが嬉しくてしょうがない変態がレイなのだ。

 レイはゲームをやり込んでいるので、これから起こることは全部知っているし対策もバッチリ。拒絶するクレアなどものともせずズケズケとクレアに近づいていく。女性だから許されているものの、完全にストーカーである。

 おおむねギャグアニメとしてストーリーは進んでゆくが、今回はたっぷりと時間を使って”多様性”についての議論をしている。その真剣さから、作品を通じて伝えたい想いがあるのだろう。とつぜん真面目な議論になるので少々面食らうが、十分に耳を傾けるに値するものになっている。

※本記事は2023年12月9日時点での視聴をもとにした記事です。


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第3話 私の恋は七転八起。

 第3話の長さは24分00秒(1440秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です

<登場人物>

レイ=テイラー
乙女ゲーム「Revolution」が大好きなOLがゲームの世界に転生した姿。ゲーム内の悪役令嬢であるクレアに恋をしている。ゲームをやり込んでいたため、たいていのことは余裕で乗り切ることができる。
クレア=フランソワ
「Revolution」の悪役令嬢。その役割どおりにレイに嫌がらせをしてきたが、逆にレイはそれを大喜びで受け入れた。
ロッド=バウアー
バウアー王国の第一王子。試験で優秀な成績を収めたレイに興味を持った。
セイン=バウアー
バウアー王国の第二王子。クレアの想い人。プライドが高いため、試験で優秀な成績を収めたレイが気に入らない。
ユー=バウアー
バウアー王国の第三王子。なんか掴みどころのない一癖も二癖もありそうな人物。


第3話 私の恋は七転八起。

 前世でやり込んだゲームで他のキャラたちにゲームで勝利するレイ。なんとかモブっぽく振る舞うのだが、その実力は王子たちには見破られてしまうようだ。

 ポーカーでの勝負を持ちかけてきたユー。レイを試すように勝負をする楽しそうなユー。ユーとは幼馴染のミシャはそれが気に入らない様子。ミシャに恨みを買ってはたまらないとそうそうに退散したレイは、琴を弾くセイン王子と遭遇。思わず声をかけてしまうクレアだが……。

 王様ゲームを始める一同。しかしそこにはレイの仕掛けたイカサマがあった。王の資質を試すと言いながらも、クレアとセインが触れ合うような命令をするレイだった。

 レイのクレアへの感情。それは複雑に絡み合った真剣な想いの塊である。真剣すぎて面倒くさいからこそ茶化してしまう切ない感情なのだ。

 第3話の見どころ

  • レイvs王子たち
  • 王様ゲーム
  • 真の多様性とは

背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。



起 (300秒)

0-29
推しのメイドになる計画成功 29秒


29-1:59
OP:「レイジョアハンズ!! 〜Raise Y/Our Hands!!〜」レイ(芹澤優)&クレア(奈波果林) 90秒


1:59-2:50
ロッドとオセロ 51秒

2:50-3:30
ミニゲームで鍛えてた 40秒

3:30-3:55
好感度を下げたいレイ 25秒

3:55-4:55
クレアをもてあそぶレイ 60秒

4:55-5:00
ポーカーでもしようよ 5秒


 チートしてるレイのパート。

承 (310秒)

5:00-5:40
ポーカーで勝負 40秒

5:40-5:55
ミシャとユーは幼馴染 15秒

5:55-6:50
燃えるミシャ 55秒

6:50-7:50
ユーの勝利 60秒

7:50-8:30
般若化するミシャ 40秒

8:30-9:25
クレア痛恨のミス 55秒

9:25-10:10
セイン引き止め作戦 45秒


 王子たちとの交流のパート。

転 (280秒)

10:10-11:00
王様だーれだ 50秒

11:00-11:30
2番が3番の手を握る 30秒

11:30-12:10
レーネいい仕事した 40秒

12:10-13:00
イカサマしてました 50秒

13:00-14:00
さすがですセイン様 60秒

14:00-14:30
セインを試した 30秒

14:30-14:50
嘘でした 20秒


 王様ゲームのパート。

結 (445秒 + 105秒)

14:50-15:30
レイは同性愛者? 40秒

15:30-16:00
個性への偏見 30秒

16:00-16:30
”誰でもいい”ではない 30秒

16:30-16:55
複雑な個性 25秒

16:55-17:15
クレア様を愛でたい 20秒

17:15-18:40
好きな人を幸せにしたい 85秒

18:40-19:10
あきらめたわけでもない 30秒

19:10-19:55
いつもどおりの日常 45秒

19:55-20:30
溢れてしまうから茶化す 35秒

20:30-21:30
自分への嫌悪をぶつけた 60秒

21:30-22:15
酸っぱくて食べづらいから美味しい 45秒


22:15-23:45
ED:「O.C. 〜Optimum Combination〜」レイ(芹澤優)、クレア(奈波果林) 90秒


23:45-24:00 次回予告 15秒


 複雑な感情のパート。

シーンリプレイ

7:50-8:30
般若化するミシャ 40秒

 どうやっても興味を持たれてしまうレイ。好感度が上がると困ったことが増える。


11:00-11:30
2番が3番の手を握る 30秒

 ここぞとばかりに好き放題するレイ。しょうがないよねー。


21:30-22:15
酸っぱくて食べづらいから美味しい 45秒

 ポジティブな感情だけでは深い関係にはなれない。面倒くさいところも受け入れてこそ深まるものだ。


感想

 今回はレイと王子たちの絡みが描かれた。あくまでもゲームの出来事がベースになっているので、レイが目立つ行動をしてしまうと「おもしれーおんな」となってしまい、王子たちのレイに対する好感度が上がってしまうのだ。それはクレアの運命を処刑の方向へと導いてしまう。

 主人公の自分が幸せになるよりも、推しのクレアがセインとの恋愛を成就させ、幸せな笑顔を見せてくれるほうをレイは望んでいる。それほどにレイはクレアのことを愛しているのだ。

 後半の445秒は”同性愛”と”人を好きになること”に対する議論で占められている。日本のアニメではずっと以前から同性愛などの多様性に関するネタは、ギャグにしろシリアスにしろ当然のように扱われてきた。

 しかしここまでメタ的とも思えるほど真剣に取り扱うのはあまり観たことがない。どうしたって幸せになれないレイの切ない想いが伝わってくる。レイがクレアを好きな気持ちが半端なものではないと示すため、ここはどうしてもきちんと描きたかったのだろう。

 作画やアニメーションはそこそこ。どこを見ても大金が投入されている様子もない。しかし作品をいいものにしたいという情熱は本物だ。そこはきっちり伝わってきたし、最終話まで観るに値する作品であると言っていいと思うのだ。今回描いたレイの感情が活きてくるシーンがきっと見られるはずだ。