[アニメ レビュー] バーテンダー 神のグラス 第1話 優しい止まり木
バーテンダー 神のグラス
神のグラスと呼ばれるカクテルをつくる日本人バーテンダー笹倉溜。彼のつくるカクテルは単に美味しいだけでなく、人の心を癒やす温かさをもっている。
おおまかなストーリーはあるが基本的に単発のエピソードの連続で物語が構成されている。ひとつひとつのエピソードがよくできているので、カクテルの知識がなくても単発のドラマとして十分に楽しめる作品だ。
カクテルに使うお酒も現実の名称で登場し、その由来やエピソードについてもきっちり語られるので、お酒の好きな方はもっと楽しめるだろう。物語にただよう空気も落ち着いた雰囲気なので、胸を張って大人にもおすすめできる作品だ。
※本記事は2024年5月20日時点での視聴をもとにした記事です。
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第1話 優しい止まり木
第1話の長さは23分50秒(1430秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
<登場人物>
- 佐々倉 溜(ささくら りゅう)
- バー「Edenhall」の店主。フランス帰りのバーテンダーで「神のグラス」の異名を持つ。
- 来島 美和(くるしま みわ)
- ホテル・カーディナル代表取締役・来島泰三の孫でホテル・カーディナルに勤務している。会社の命令でカーディナルにふさわしいバーテンダーを探している。
第1話 優しい止まり木
<ストーリーの流れ>
⇩
美和たちの奮闘と佐々倉溜との出会い
⇩
「Edenhall」のバーテンダー佐々倉溜
⇩
溜のバーテンダーとしての実力を確信した美和たち
※背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。
起 (330秒)
新しくオープンしたホテル・カーディナル。しかしカウンターバーだけは未だ営業が始まっていない。なぜならバーテンダーがいないからだ。ホテルの格にふさわしいバーテンダーと契約するため、神嶋部長たちは日々奮闘している。しかし厳しい面接を行う神嶋部長は、美味しいカクテルを作ることだけではなく、お客様によりそった接客ができるかどうかも重要視しているようだ。
0-25
お客様を裏切ってはならない仕事 25秒
25-1:55
OP:「Stardust Memory」川崎鷹也 90秒
1:55-2:35
汐留のホテル・カーディナルのバーテンダーの面接 40秒
2:35-3:20
神嶋部長のとても厳しい審査 45秒
3:20-3:55
臨機応変な対応が大事 35秒
3:55-4:15
この人は論外 20秒
4:15-5:00
未だに営業していないカウンターバー 45秒
5:00-5:30
探しているのは神のグラスを作れるバーテンダー 30秒
承 (305秒)
来島美和と佐々倉溜が出会うシーン。都会的で上品な女性の美和とスマホも満足に使いこなせない溜のどん臭さが対照的だ。バーテンダー探しがうまく行かず、「おぐら」の大将に絡んでいた美和たち。そこへ溜がやってきたのだが、大将によると彼もバーテンダーらしい。しかしどう見ても溜は神のグラスを作るようには見えない。どん臭いながらもどこか気品のようなものを感じさせる溜。この心のどこかに引っかかる感じは、演出や声のうまさによるものだろう。
5:30-6:00
冴えない男性に話しかけられる美和 30秒
6:00-6:45
図書館で借りた本を忘れて行ってしまった男性 45秒
6:45-7:45
バーテンダーの選考に行き詰まる神嶋たち 60秒
7:45-8:20
バーテンダー探しに勤しむ美和たち 35秒
8:20-9:20
不貞腐れて大将にくだを巻く美和たち 60秒
9:20-10:00
本を忘れていったあの男性の来店 40秒
10:00-10:35
実は彼もバーテンダーだった 35秒
転 (315秒)
ヨーロッパのカクテルコンペで優勝経験のあるバーテンダー佐々倉が経営しているという「Edenhall」の評判を見つけた美和たち。そのバーテンダーこそ、あのどん臭い男性だった。普段の気の抜けたような溜とは違い、カクテルを作る溜はキリッとスマート。このギャップがカッコいい。溜の手際の良さに瑠美が興奮するのも分かる。
10:35-11:45
謎のプライベートバー「Edenhall」 70秒
11:45-12:45
落ち着いた雰囲気のバー 60秒
12:45-13:45
普段とは違う顔のバーテンダー溜 60秒
13:45-14:30
バーテンダーとしての腕も良さそう 45秒
14:30-15:00
お客様の潜在的なニーズを引き出す観察眼 30秒
15:00-15:50
溜が瑠美に作ったのはコスモポリタン 50秒
結 (385秒 + 95秒)
溜の実力を確かめようと意地悪なオーダーをする美和。しかし溜はそのオーダーの裏にある、美和の心の忘れ物を照らすようなハイボールを出す。溜の実力を確信した美和たちはホテル・カーディナルのバーテンダーとして溜をスカウトすることに決めた。まだ謎を多く隠していそうな溜。以降の物語の展開に引き込まれるラストだ。
15:50-16:35
意地悪なオーダーをする美和 45秒
16:35-17:00
美和の挑戦を受ける溜 25秒
17:00-18:00
溜が作ったハイボールに落胆する美和 60秒
18:00-18:30
美味しいハイボールに驚く美和 30秒
18:30-19:00
処方次第で毒にも薬にもなるものを売っている 30秒
19:00-20:30
たった一杯のための準備 90秒
20:30-21:05
目の前のお客様のための優しい止まり木 35秒
21:05-22:15
佐々倉溜は謎多きバーテンダー 70秒
22:15-23:45
ED:「スピカ」上白石萌音 90秒
シーンリプレイ
12:45-13:45
普段とは違う顔のバーテンダー溜 60秒
このギャップは惚れられて当然。
15:00-15:50
溜が瑠美に作ったのはコスモポリタン 50秒
カクテルを作る臨場感の演出。とても上品で良質な雰囲気だ。
21:05-22:15
佐々倉溜は謎多きバーテンダー 70秒
美和たちやバーのお客だけでなく、溜にもまたドラマがありそうだ。
感想
この第1話を観て溜と美和の関係さえ把握できれば、この作品を楽しむ準備は完了。あとは何話から観ても楽しめるだろう。溜や美和がサブにまわる回もあり、バーをめぐる様々な人間模様が描かれる。
ありきたりなグルメもののバトルフォーマットに収まらず、キャラクターの過去や挑戦など、バラエティに富んだ展開が用意されている。なのでストーリーにマンネリを感じることは無さそうだ。
この作品を支える大きな柱のひとつがメーカーの協力である。カクテルに使う酒類の名称を現実のまま使用できることで、この作品のリアリティと説得力が担保されている。
他にも頻繁に登場するSEIKOの時計塔なども作品の世界観をリアルに感じさせてくれ、本当に「Edenhall」があるんじゃないかと思わせてくれる。アニメにも名だたるメーカーの協力が得られる時代になったのは嬉しいことだ。
当然といえば当然なのだが、カクテルを作るシーンは作画も音響も素晴らしい。静寂の中に響く氷やシェイカーの音が心地よい。派手な演出は無いが魅せるところはキチンと魅せる。コストのかけ方もスマートである。
私はアルコールは飲まないのだが、久しぶりにノンアルのカシスオレンジを買ってきた。雰囲気だけだが、アニメを観ながらカクテルを飲むのもなかなかオツなものである。
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