[アニメ レビュー] ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する episode.1 私を殺した婚約者

ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する

 公爵令嬢である15歳のリーシェは王太子から突然の婚約破棄を言い渡される。しかしリーシェにとっては7回目の婚約破棄。20歳になるとなぜか死にループして婚約破棄の時点まで戻ってしまうのだ。

 ループのたびに違う人生を楽しみ成長してきたリーシェ。7回目のループではガルクハイン国のアルノルト皇太子と出会う。この出会いがまた彼女を新しい人生へと導いてゆく。

 これまでのループで得た経験と知識を総動員して運命を切り開くリーシェの活躍に注目の作品だ。

※本記事は2024年2月18日時点での視聴をもとにした記事です。


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episode.1 私を殺した婚約者

 episode.1の長さは23分50秒(1430秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です

<登場人物>

リーシェ・イルムガルド・ヴェルツナー
エルミティ国ディートリヒ王太子の婚約者である公爵令嬢。ループを繰り返すその度にひとりの人間として成長し、その人生を豊かにしてきた。毎回20歳で死んでしまうので、今度の人生こそは長生きしようと思っている。
アルノルト・ハイン
ガルクハイン国の皇太子。これまでも間接的・直接的にリーシェの人生に影響を与えてきた。美貌と残虐さが同居するミステリアスな存在。


episode.1 私を殺した婚約者

<ストーリーの流れ>

アルノルトに斬られ7回目の人生に突入するリーシェ

最初のループでアリア商会と出会った話と以降のループ

リーシェが過ごした様々な人生とアルノルト・ハインとの出会い

アルノルトがリーシェにプロポーズをする


背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。



起 (310秒)

 鬼神の如き剣さばきで兵士をなぎ倒してゆくアルノルト。アルノルトに斬られて命を落とした瞬間に時間ループをしてしまうリーシェ。まずは物語の主人公ふたりと設定を簡潔に提示している。ここでは不気味なアルノルトの存在と、リーシェが時間をループしていることが示される。


0-20
戦闘中の城内 20秒

20-1:00
次々とやられてゆく城の兵士たち 40秒

1:00-1:40
迫りくる不気味な影 40秒

1:40-2:00
ガルクハイン国皇帝アルノルト・ハイン 20秒

2:00-3:00
鬼神の如きアルノルト 60秒

3:00-3:50
やはりアルノルトには勝てなかった 50秒

3:50-4:10
巻き戻る時間 20秒

4:10-4:30
いきなり婚約破棄の場面 20秒

4:30-5:10
やりなおしは7回目 40秒

承 (315秒)

 王太子に婚約破棄を言い渡され、公爵家も追い出され途方に暮れさまようリーシェ。そこで通りかかったアリア商会に拾われた彼女は商人として成功をする。しかし戦争に巻き込まれ、また婚約破棄のところまで時間が戻ってしまう。アリア商会のタリー会長たちとの出会いは重要で、地位を失った彼女に生きてゆくすべをあたえてくれた出会いだ。他にもここではループに関する情報(前ループの記憶は引き継がれることや必ず婚約破棄の場面に戻ってくること)が示されている。


5:10-6:00
1回目の婚約破棄 50秒

6:00-6:25
着の身着のまま追い出され途方に暮れるリーシェ 25秒

6:25-6:55
行商人に声をかけられる 30秒

6:55-7:50
行商人に拾ってもらう 55秒

7:50-8:20
自由気ままにどこだって行ける 30秒

8:20-8:45
アリア商会の仲間にしてもらう 25秒

8:45-9:10
商人として成功をおさめたリーシェ 25秒

9:10-9:30
戦争に巻き込まれて初ループ 20秒

9:30-10:25
もう一度人生をやりなおせる 55秒

転 (365秒) 

 2回目の人生ではアリア商会と出会えなかったリーシェだったが、前回での経験と知識を活かし薬師として成功をおさめた。しかし何回ループしても5年で人生が終わってしまう。ここで印象的なのは、これまでのループで成長してきたリーシェの姿だ。そんなリーシェと運命的な出会いをしたアルノルト・ハインは、彼女から公爵令嬢らしからぬ魅力を感じ取ったのか、口には出していないが「おもしれー女」という表情をしている。


10:25-10:55
荷物を準備したせいでアリア商会に会えなかった 30秒

10:55-11:10
今あるもので何をするか 15秒

11:10-12:00
薬師としての人生と再ループ 50秒

12:00-12:40
前人生で出会った人物から学ぶ 40秒

12:40-13:00
新しいことを学ぶと世界が広がる 20秒

13:00-13:10
また戦争に巻き込まれ再ループ 10秒

13:10-13:25
どの人生も楽しかった 15秒

13:25-13:55
今度こそ長生きしたい 30秒

13:55-15:00
アルノルト・ハインとの出会い 65秒

15:00-15:30
婚約破棄で大忙し 30秒

15:30-16:00
バルコニーから飛び降りるリーシェ 30秒

16:00-16:30
おもしれー女 30秒

結 (350秒 + 90秒)

 あっさりと自分のもとを去ったリーシェを待ち伏せするディートリヒ。精神的に成長したリーシェにとってディートリヒとの結婚はつまらないものとしか考えられなくなっていた。自立した個人としてのリーシェと世間知らずで幼稚なディートリヒとの対比。王族の富に頼った生き方を選ぶマリーへのリーシェの提言。そんなリーシェだからこそ対等の立場でプロポーズをしたアルノルト。結婚というひとつの事象から様々な立場や価値観が見えて面白い。


16:30-17:00
ディートリヒ王太子の待ち伏せ 30秒

17:00-17:50
王太子の思い違い 50秒

17:50-18:35
婚約破棄していただいて感謝の気持ちでいっぱいです 45秒

18:35-19:30
自分の価値は自分で見つけられる 55秒

19:30-20:20
マリーの幸せも家族の幸せも両立できる未来はある 50秒

20:20-20:55
剣を交えるリーシェとアルノルト 35秒

20:55-21:50
アルノルトの目的は 55秒

21:50-22:20
リーシェへのプロポーズ 30秒


22:20-23:50
OP:「Another Birthday」土岐隼一 90秒


シーンリプレイ

7:50-8:20
自由気ままにどこだって行ける 30秒

 アリア商会に出会えたことはリーシェにとって最高の財産。何ものにも代えがたい自由を教えてくれたのだ。


12:40-13:00
新しいことを学ぶと世界が広がる 20秒

 この感覚を知っているかどうかで人生の豊かさが激変する。現実においてもそれは同じだ。


19:30-20:20
マリーの幸せも家族の幸せも両立できる未来はある 50秒

 成長を重ねてきたリーシェにはマリーの生き方がとても窮屈なものに感じたのだろう。


感想

 この作品の面白い点はリーシェがループすることをめいっぱい楽しんでいるところだ。他作品では主人公がその行動を深めることでハッピーエンドにたどり着く場合が多いのだが、リーシェは様々な職業を極めることで彼女の世界観をどんどん広げてゆく。ループすることで人として成長する。

 それによって王太子との結婚がリーシェにとってどんどん陳腐なものになってゆく。自分で自分の人生を切り開く喜びに触れ、窮屈な人生に耐えられなくなってしまったのだ。

 精神的に自立したリーシェの相手をするには、器の小さな王太子では少々荷が重い。そこで登場するのがアルノルトだ。彼は自分につき従うような女性より、手に負えないようなじゃじゃ馬に魅力を感じるタイプらしい。

 アルノルトはリーシェの死亡の原因となる戦争を引き起こす元凶だ。そんな相手にいきなりプロポーズをされてしまったのだからさあ大変。果たしてリーシェは自由気ままな花嫁生活を手に入れることができるのだろうか。

 これまでの経験と知識を活かして困難を乗り越えてゆくリーシェの活躍に注目だ。