[アニメ レビュー] シャインポスト 第6話 聖舞理王は《褒められたい》

シャインポスト

「シャインポスト」は、ライトノベル・漫画・アニメのメディアミックス作品。今後はゲームやライブなどの展開も準備されているようだ。

 主人公は「TiNgs(ティングス)」というアイドルユニットを組んでいる春。メンバーの杏夏と理王と一緒に大きな夢を持って活動している。しかし3人の情熱とは裏腹にTiNgsの人気はいまひとつ。ある日「中野サンプラザを満員にできなければ解散」という条件を言い渡された彼女らのもとに、社長から敏腕マネージャーが用意されるのだが……。

 前向きな明るい娘、夢と現実の間で葛藤をかかえる娘、弱さを人に見せたくない娘、それぞれの魅力が描かれていて、すぐに3人のファンになるだろう。またTiNgsの魅力を上手く引き出してゆくマネージャー・日生直輝の手腕も見どころだ。

 第6話では、他の二人よりも実力が劣ると自覚しているアイドル・聖部理王が活躍する。歌やダンスの技術だけでは語れない彼女の魅力を、魂のこもったアニメーションで表現している。

 ”可愛い女の子を揃えました”的な作品とはちょっと違う、アイドルの内面を丁寧に表現したアイドルアニメとしてオススメできる作品だ。

※本記事は2022年8月26日時点での視聴をもとにした記事です。


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第6話 聖舞理王は《褒められたい》

 第6話の長さは22分50秒(1370秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です

<登場人物>

青天国 春(なばため はる)
TiNgsにおけるムードメーカーかつバランサー。そのキャラクターでユニットを引っ張り、理王と杏夏の差を埋めるパフォーマンスでユニットのクオリティを維持する。
玉城 杏夏(たまき きょうか)
歌もダンスも高いレベルで安定している実力派のアイドル。トラウマを乗り越えてセンターを張る自信を身につけた。
聖舞 理王(せいぶ りお)
普段は虚勢を張っているが、自身の強みが見つけられず悩んでいる。今回、他の二人には無い彼女だけの個性が見つかるだろうか。
日生 直輝(ひなせ なおき)
成り行きでTiNgsのマネージャーを任された。無茶振りもするが、人を見抜く才能は本物。嘘をつく人間が光って見えるという意味不明な能力を上手く活用できる頭の良さもある。


聖舞理王は《褒められたい》

 新曲のセンターに理王を指名した直輝。しかし理王はそれを拒否する。その理由はどうやら”迷惑をかけたくない”というものらしい。

 小さい頃から誰かの力になりたいと思っていた理王は、ある日アイドルの蛍のコンサートに行く。そこで本物のアイドルのパワーを実感した理王は、オーディションを受けまくり、やっとのことでアイドルになった。実力の劣る自分がセンター指名されたことに納得がいかない理王は、ひとり隠れて練習をすることに。しかしそこに待っていたのは……。

 今までの思いを吐き出す理王。TiNgsが成長するためには理王が必要であることを力説する直輝。その言葉を信じ立ち上がる理王。ライブのために動き出す決心が付いたようだ。

 大盛況のライブのなか、理王のセンター曲が告げられるとファンには不安が広がった。期待と不安が入り交じるなか、理王は見事に「Yellow Rose」を歌い上げその実力を示した。理王への称賛がモールを包み込む。しかし直輝の視線はすでに次の未来を見つめていた。

 第6話の見どころ

  • 直樹の冷静なマネジメント
  • みんなの理王へのリスペクト
  • 渾身のライブシーン

背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。



起 (140秒 + 140秒)

0-25
センターの取り合い 25秒

25-50
センターは聖舞理王 25秒


50-2:20
OP:「ワンダー・スターター」TiNgs 90秒


ワンダー・スターター(TVアニメ「シャインポスト」)

2:20-3:20
不安なのは理王だけ 60秒

3:20-4:25
紅葉にも心配される 65秒

4:25-4:40
迷惑をかけたくない 15秒


 理王がセンター指名を拒否するパート。

承 (395秒)

4:40-5:20
誰かの力になりたい 40秒

5:20-6:25
なぜ人が集まるのか 65秒

6:25-7:20
蛍の衝撃 55秒

7:20-8:00
失敗続きのオーディション 40秒

8:00-8:30
理王の才能を見抜いていた社長 30秒

8:30-9:45
マウントキャラは劣等感の裏返し 75秒

9:45-10:00
どうして自分がセンターなのか 15秒

10:00-10:40
足を引っ張り続ける自分 40秒

10:40-11:15
マネージャーは知っていた 35秒


 理王の夢と現実のギャップを見せるパート。本当に真面目でいい娘。

転 (225秒)

11:15-12:00
嘘は全部ばれます 45秒

12:00-12:30
優しさの裏返し 30秒

12:30-13:10
あふれる気持ち 40秒

13:10-13:30
直輝の力強い一言 20秒

13:30-14:00
理王だけが持つ才能 30秒

14:00-14:20
最高のマネジメント 20秒

14:20-14:40
理王さまだもん 20秒

14:40-15:00
紅葉を呼び止める理王 20秒


 直輝の言葉によって理王の意識が変わるパート。直輝はやる時にはやる男なのだ。

結 (385秒 + 85秒)

15:00-15:30
理王と紅葉のてぇてぇを眺める雪音 30秒

15:30-16:00
センター杏夏の曲 30秒

16:00-16:30
素人受けしないTiNgs 30秒

16:30-17:20
ヲタに広がる不安 50秒

17:20-18:00
みんなが背中を押してくれる 40秒

18:00-18:40
見せてやれ理王 40秒


18:40-21:25
ED:「Yellow Rose」TiNgs 165秒


21:25-22:40
理王さま!理王さま! 75秒

22:40-22:50
次は「ゆきもじ」のふたり 10秒


 センターで新曲に挑む理王のパート。作画っ!!!!


SHINE POST Character Song Collection

シーンリプレイ

4:40-5:20
誰かの力になりたい 40秒

 なんて優しい想いを持った娘なのか!みんなに聖舞理王というキャラクターを愛してもらいたいという意志を感じる。


12:30-13:10
あふれる気持ち 40秒

 理王はずっと憧れと自分を比べて自分を傷つけ、自分らしさを見失っていた。さぁ直輝の出番だ!


17:20-18:00
みんなが背中を押してくれる 40秒

 仲間からの信頼。これほど心強いものはない。みんな理王の頑張りを信じているのだ。

感想

 この作品はとにかく丁寧だ。TiNgsの3人のキャラクターや心情を細かく描写し動かしてゆく。そこに無理や破綻を感じさせないのも良くできている。彼女らが根本では、どこにでもいるひとりの女の子だと感じさせてくれるリアリティがあるのだ。

 第6話では理王を主人公にして、彼女の内面を深く掘り下げている。そして圧巻のライブシーン。ただ歌っているだけなのにめちゃめちゃ引き込まれる。アニメーションの素晴らしさもさることながら、歌にも魂が宿っている。まさに全員で作り上げたパフォーマンスといえる。

 話のなかではあまり直接的に描かれてはいないが、理王の周囲のキャラクターはきっと、みんな理王の努力と優しさを知っているしリスペストしている。だから理王がセンターに選ばれても誰も疑問に思わない。今こそ理王の実力を皆に知らしめるべきだと応援したくなるのだ。

 毎期、何かしらアイドルアニメが放映される昨今。あらゆる属性をカバーすべく多数の女の子を登場させる作品が多い。しかし「シャインポスト」は女の子ひとりひとりを丁寧に描いてゆく。そして彼女たちは、生々しい等身大のアイドルとして画面に表現される。

 マネージャーの日生直輝もただのお飾りキャラクターではなく、嘘を見分けられるという能力を活かしてTiNgsを導いてゆく。能力自体はそれほど重要ではない。彼の真の能力は嘘を観察することで彼女らの心の停滞や悩みを見抜き、解決へと誘導するマネジメント能力だ。

 私はもう既に「中野サンプラザを満員にすれば解散は取り消し」なんていう前時代的な目標なんて忘れてしまって、彼女たちが楽しく歌って踊っていれば幸せ……なんていうレベルにまで感情移入してTiNgsを応援している。

 意外な人のナレーションも聞ける第6話までの振り返り特番も配信されており、そこでサラッとおさらいもできるので、気になった方はぜひTiNgsの魅力に触れて欲しい。作画にも単に美しい以上のこだわりが感じられ、キャラクターもイキイキと演技をしている。きっと誰もがTiNgsを応援したくなること請け合いの作品だ。