[アニメ レビュー] よふかしのうた 第6話 楽しい方がいいよ
よふかしのうた
「よふかしのうた」は漫画原作の作品で、不登校の中学2年生の男子・夜守コウが吸血鬼の七草ナズナと出会い、吸血鬼を目指す物語である。
かと言って修行をしたり敵と戦ったりする訳では無い。”ナズナに恋をして血を吸ってもらう”それが吸血鬼になれる条件だ。”恋をする”ということをまだ知らないコウは、恋とは何なのかを知ろうとする。
ナズナと出会ってコウは少しづつ心を変化させ成長してゆく。結構シリアスな題材を扱っていると個人的には思うのだが、この作品はギャグによる”緩和”とキャラクターの問いかけによる”緊張”を上手く使い分け、普遍的な問いかけとして私たちに考えさせてくれる。
引きこもりや不登校をどこか肯定し、それも正解の一つであるといったような雰囲気はとても現代的だと思う。私がこの作品を支持するのは、この作品が軽々しく無責任に”そういう雰囲気”を描いている訳では無いと信じているからだ。
果たしてその時が来た時に、コウは吸血鬼になる事を選ぶのだろうか?
※本記事は2022年8月16日時点での視聴をもとにした記事です。
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第6話 楽しい方がいいよ
第6話の長さは22分55秒(1375秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
<登場人物>
- 夜守コウ(やもりこう)
- 14歳の中学2年生男子。不登校になり不眠症に悩まされる。初めて夜に独りで外出し、ナズナに出会う。以後は吸血鬼になることを目指し、ナズナに恋をしようと苦闘する。
- 七草ナズナ(ななくさなずな)(ななくさなずな)
- 夜の街を駆け回る吸血鬼。コウの血の美味しさに感動し、コウの「吸血鬼になりたい」という夢につきあうことになる。添い寝屋の経営で生活費をまかなっている。
- 白河清澄(しらかわきよすみ)
- 仕事に疲れていたところ、ナズナのマッサージで癒される。もう一度ナズナのマッサージを受けたくて来店した。
第6夜 楽しい方がいいよ
落ちこぼれでありながら、”やりたいこと”に目を輝かせるコウ。大人で社会人になり、人生の中で自分が無くなっていく清澄。耐えきれず泣き出してしまう清澄にかつての自分を重ねたコウは、清澄を会社に行かせないでくれとナズナに頼んだ。
窓から投げ捨てられた清澄だったが、コウとナズナに無事に助けられた。同じマトモじゃないなら楽しい方がいいと言うコウに、清澄はやっぱり会社に行くと返す。少し気持ちが晴れて会社へ向かう清澄に、吸血鬼にしてあげると生意気にも宣言するコウだった。
何気ないコウの提案でナイトプールへ行くふたり。見かけのいいナズナは注目の的で、案の定ナンパをされる。たまらずナンパを止めたコウだったが、気持ちのざわつきはおさまらない。嫉妬・不安・独占欲、感情の整理の付けられないコウを、ふたりだけのプールへ投げ込んだ。今はまだ気づかないけれども、大人へと少しづつ近づいていくコウだった。
第6話の見どころ
- マトモとは?
- 美しい夜の世界
- もちろんナズナの水着
※背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。
起 (300秒)
0-5
noitaminA 5秒
5-25
上司と相乗り 20秒
25-50
会社への不満 25秒
50-1:25
癒される清澄 35秒
1:25-1:45
現れたのは少年 20秒
1:45-2:07
すごく不安 22秒
2:07-3:37
OP:「堕天」Creepy Nuts 90秒
堕天
3:37-4:00
コウの言い訳 23秒
4:00-5:00
なんか違和感 60秒
コウと清澄が出会うパート。
承 (300秒)
5:00-5:25
初労働の14歳だった 25秒
5:25-5:45
やりたいことがある少年 20秒
5:45-6:25
夜を楽しみたい 40秒
6:25-7:10
ずっと忘れてた感覚 45秒
7:10-7:30
つまんなくなったから 20秒
7:30-8:35
どんどん自分が小さくなってゆく 65秒
8:35-9:35
清澄と自分を重ねるコウ 60秒
9:35-10:00
窓の外へ 25秒
”やりたいこと”に邁進するコウと”マトモな道”を選んだ清澄の対比のパート。
転 (300秒)
10:00-10:45
大丈夫っ! 45秒
10:45-11:30
大人は我慢しなくちゃいけない 45秒
11:30-12:15
楽しい方がいい 45秒
12:15-13:00
自分の道の真ん中を歩く 45秒
13:00-14:00
大人だから 60秒
14:00-14:25
吸血鬼にしてあげる 25秒
14:25-15:00
この女たらしめ 35秒
清澄が抱える大人の複雑な事情に、コウが真っ直ぐな気持ちをぶつけるパート。子供っぽいコウの主張が輝いて見える。
結 (385秒 + 90秒)
15:00-16:00
バイブス上がる提案 60秒
16:00-16:30
大人のナイトライフ 30秒
16:30-16:55
ナズナのミズキは? 25秒
16:55-17:35
いつもよりエロい 40秒
17:35-18:00
他人のナズナ評 25秒
18:00-18:30
ナンパされるナズナ 30秒
18:30-19:00
コウに意地悪するナズナ 30秒
19:00-19:30
たまらず出動 30秒
19:30-20:10
スネちゃった 40秒
20:10-20:30
どうやったら機嫌直してくれるかな 20秒
20:30-20:55
気持ちよさそう 25秒
20:55-21:10
かわいいから意地悪したくなる 15秒
21:10-21:25
大人になるのは少しづつ 15秒
21:25-22:55
ED:「よふかしのうた」Creepy Nuts 90秒
よふかしのうた
コウの子供っぽい未熟さを見せるパート。まだ外の世界とは折り合いがつかない。
シーンリプレイ
5:45-6:25
夜を楽しみたい 40秒
自分が生きている時間だから楽しみたい。大人が無くしがちな気持ちである。
10:00-10:45
大丈夫っ! 45秒
外れてしまっても大丈夫。ナズナは必ず手を差し伸べてくれるだろう。
21:10-21:25
大人になるのは少しづつ 15秒
うらやましい奴め!ナズナみたいに引っ張ってくれる女性の需要は高い。
感想
夜の空に放り出された清澄は、”煩わしいものを投げ捨てた”大人の象徴だ。本人はもうダメだと思い込んでしまう。そんな清澄に手を差し伸べるコウとナズナは「大丈夫」と言ってのける。そう、仕事を休んだり会社を辞めたり飲み会を断ったり……そんな事くらいで人生は終わったりしない。ダメなんかじゃないのだ。
会社へ行くと言った清澄に、コウは「吸血鬼にしてあげる」と声をかける。その時の清澄の笑顔は、自分はもう大人になってしまったんだというあきらめと、コウの真っ直ぐな優しさと青春の輝きに対する憧れが入り混じった表情に見えた。
そんな生意気ともとれる行動を平気でするコウだが、ナイトプールでは借りてきた猫のように純情さをみせる。ナンパされたナズナを見て動揺するも、その動揺がどこから来たものか整理がつかない。ナズナとの関係にまだ自信が持てないから他人とナズナが関わるのが不安なのだろう。
からかったことを謝罪し「ごめんね」とコウに近づくナズナ。大胆な水着と妙にリアルな”たらちね”はナズナの母性とエロさを表現したものだろうか。コウが血を吸われるシーンは映画のキスシーンのような美しいロングショットだ。
これから登場するであろう人々との出会いでコウは少しづつ大人に近づいてゆくのだろう。成長した先にコウは、吸血鬼になる道を選ぶのだろうか。恋と成長、人との出会い、いろいろと興味が尽きない作品だ。最高にカッコいいOP・EDも、この作品のクオリティを支える大きなポイントになっている。それに美しい背景と作画、個性的なキャラクターとちょっとサムいギャグも含めて、全部が「よふかしのうた」なのだ。
次回以降は美少女(?)がドッと増えるので、美少女好きは第7話もオススメだ。
社会生活に疲れたOLの白河清澄は、以前ナズナに受けたマッサージが忘れられず、ナズナの店へと向かった。しかしそこで清澄を出迎えたのは見知らぬ少年だった。