[アニメ レビュー] ときめきトゥナイト 第3話 バスルームの危機

ときめきトゥナイト

 日本の漫画文化も相当な歴史を重ねてきて、長期間愛されつづける作品も増えてきた。最近ではナルトやキン肉マンのように、かつての人気漫画が代替わりをして新しいファン層を広げている作品も登場している。

「ときめきトゥナイト」も1980年代に連載がはじまり、数年後にTVアニメとして人気を博した作品だ。OPの早口を覚えて口ずさんでみたり、EDのランゼにドキドキしたりといった思い出を持っている方も多いだろう。

 驚いたことに「ときめきトゥナイト」は現在も「ときめきトゥナイト それから」という続編が連載されており、ランゼと真壁くんのラブラブは続いているのだ。これだけ続いているのは、この作品がずっと愛され続けていたという証拠だろう。

 この第3話は私が小学生の頃に一番印象に残ったエピソードで、当時は浴槽に潜って検証をしてみたものだ。私の検証結果は「絶対に見つかる」というものだ。まぁ当然なのだが。

※本記事は2023年6月26日時点での視聴をもとにした記事です。


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第3話 バスルームの危機

 第3話の長さは24分37秒(1477秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です

<登場人物>

江藤 蘭世(えとう らんぜ)
人間界で育った吸血鬼の少女。明るく活発だが思い込みが激しく、気持ちのままに暴走してしまうことも。同級生の真壁くんに恋をしており、ライバルの神谷曜子とは事あるごとに衝突している。
真壁 俊(まかべ しゅん)
母子家庭の不良少年。将来はプロボクサーになって母親を楽をさせたいと思っている。神谷曜子から激烈なアプローチを受けており、曜子の父である玉三郎は母親にゾッコン。親子で狙われている。


バスルームの危機

 夢の中で真壁くんにそっけない態度を取られてしまうランゼ。しかしそこがまたイイと興奮してしまう。まだ変身能力を使いこなせないランゼは、朝食のパンに変身してしまいお母さんに怒られてしまう。ルールを守らないと人間の世界では生活できない。しかも人間と恋もしてはいけないという。

 ボクシングに夢中の真壁くんを追いかけるランゼ。しかしお父さんの監視と邦彦が障害だ。しかし機転をきかせ、なんとかふたりに見つからないようにやり過ごしたランゼだった。

 鳥に変身して真壁くんに近づいたものの、すぐにボクシングの練習に言ってしまった真壁くん。その間に神谷さんは真壁くんを独占。ランゼは真壁くんの鳥に、いやらしい目で見られてしまうのだった。

 ノラ猫の乱入でなんとか鳥かごからは脱出できたランゼ。しかし真壁くんとお母さんが帰ってきてしまい、やむなく猫に変身することになってしまった。幸か不幸か真壁くんにお風呂で洗ってもらうランゼ。もっと真壁くんを好きになってしまったランゼだったが、魔界の掟に逆らうことはできない。悲しみに暮れるしかないランゼだった。

 第3話の見どころ

  • 昭和の当たり前
  • ランゼの暴走
  • ドキドキのバスルーム

背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。



起 (295秒)


0-1:25
OP:「ときめきトゥナイト」加茂晴美 85秒


1:25-2:20
悲報:真壁くんが手を放した 55秒

2:20-2:35
真壁くんすきー 15秒

2:35-3:15
つい変身してしまうランゼ 40秒

3:15-3:55
バンパイア百科を読んでない 40秒

3:55-4:15
スーパーマン 20秒

4:15-4:55
人間と恋はできない 40秒


 バンパイアのルールのパート。

承 (300秒)

4:55-6:00
元気なランゼ 65秒

6:00-6:30
恋のライバル神谷さん 30秒

6:30-7:00
お父さんの監視 30秒

7:00-8:00
報われない恋 60秒

8:00-9:05
ランゼの企み 65秒

9:05-9:55
犬とお父さん 50秒


 真壁くんを追いかけるパート。

転 (305秒)

9:55-11:00
まんまと入り込むランゼ 65秒

11:00-11:40
幸せな時間 40秒

11:40-12:20
置いてかれちゃった 40秒

12:20-13:00
コウモリも空から落ちる 40秒

13:00-13:20
鳥のナンパ 20秒

13:20-13:45
ボクシングの練習 25秒

13:45-14:15
なにかと絡む神谷家 30秒

14:15-15:00
嫌な予感 45秒


 真壁くんと離れてしまうパート。

結 (470秒 + 107秒)

15:00-16:00
昭和コント 60秒

16:00-16:20
変身シーン 20秒

16:20-17:30
神谷家にはお世話になっている 70秒

17:30-18:50
真壁くんとお風呂 80秒

18:50-20:00
大ピンチ 70秒

20:00-20:40
またまた大ピンチ 40秒

20:40-21:40
見つかっちゃった 60秒

21:40-22:50
どうして 70秒

22:50-23:17
次回予告 27秒


23:17-24:37
ED:「Super Love Lotion」加茂晴美 80秒


 真壁くんの家から大脱出するパート。



シーンリプレイ

3:55-4:15
スーパーマン 20秒

「鳥だ、飛行機だ、スーパーマンだ!」という元ネタからの「鳥だ、飛行機だ、タケちゃんマンだ!」というオレたちひょうきん族のネタのパロディかと思われる。


11:00-11:40
幸せな時間 40秒

ランゼ(鳥)の表情も真壁くんの表情も素晴らしい。とても乙女チックなシーン。


18:50-20:00
大ピンチ 70秒

 ピンチの連続でドキドキ。真壁くんのバスルーム広すぎ!


感想

 1980年代に入り新しい若者の文化が始まったころの空気が感じられ、とても懐かしい気持ちになった。ギャグの古さもそうだが、優等生やガリ勉くんをディスるのも最近では見ないネタだ。令和の常識から覗いた昭和は、ずいぶんモラルが低くみえる。

 放映当時はバスルームを逃げ回るシーンを長く感じたのだが、いま見てみると大したことなかった。あの頃はドキドキしながら観ていたので長く感じたのだろう。ちなみにバスタブでランゼが見つからなかったのは、バスクリン的な入浴剤が入っていたからだと原作に書いてあった。

 EDのランゼがマント一枚で艶かしく動くシーンは、いま観ても色っぽくて可愛らしい。お茶の間の前でドキドキしていたのは、男の子だけでなく女の子も同じだった。40年以上たっても人の心に残っているのだから、とても優れたアートだったのだ。「裸だからエッチ」なんて短絡的な評価はするべきではないだろう。

 絵ばかりではなくOP・EDの曲もとても新しくおしゃれだった。主人公の名前やタイトルを強調したいわゆる子供向けアニメの曲ではなく、作品のコンセプトや内容を抽象化し本質を表現した曲となっている。これは80年代あたりからアニメのターゲットになる年齢が上がったからだろうか。

 終盤でのお父さんへのランゼの問いかけには鬼気迫るものがあり、人間界で育ちながら人間との恋を禁じられた理不尽さへの怒りが伝わってくる。演じている人も、作っている人も、少しも手を抜いてなんかいない。TVの前に座っている私たちに向けて真剣に演じてくれていたのだ。

 やっぱり心に残る名作には、なにか理由があるのだなぁと感心した。40年前かぁ……歳とったなー。