[アニメ レビュー] トリリオンゲーム 第1話 世界一のワガママ

トリリオンゲーム

 とあるトラブルから出会った中学生時代のガクとハル。オタクのガクと世渡り上手のハルは性格も人生も対照的。ハルの予測不能で大胆な行動にガクは巻き込まれてゆく。

 キャラクターデザインや作品の雰囲気で敬遠している方も多いだろうが、観ているうちに「やっぱこの絵でないと」と思わせてくれる。キャラクターにも物語にも、どんどん引き込まれてゆくタイプの作品だ。

 日本人として世界長者番付トップ10に入ったハルとガクは、どのようにして成功者となったのか。その軌跡をたどるのがこの物語だ。私たちの人生にも、彼らのサクセスストーリーが役に立つかもしれない。

※本記事は2024年11月6日時点での視聴をもとにした記事です。


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第1話 世界一のワガママ

 第1話の長さは24分10秒(1450秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です

<登場人物>

天王寺 陽(てんのうじ はる)
見た目もチャラいコミュ力おばけ。大胆な行動をとるが、その裏には計算された周到さも見え隠れする。あだ名はハル。
平 学(たいら まなぶ)
コミュ障で地味なオタク。いつもハルの無茶苦茶な行動に巻き込まれ追い詰められる。しかし、そんな無茶振りに答える実力が学にあることをハルは知っている。あだ名はガク。
黒龍 キリカ(こくりゅう キリカ)(こくりゅう キリカ)
超巨大企業ドラゴンバンクの令嬢。20代の若さでドラゴンバンクの取締役をしており、周囲からは「桐姫」と呼ばれ企業シンボルとなっている。


世界一のワガママ

<ストーリーの流れ>

ガクとハルの出会い

行動力のハルと頭脳のガク

ドラゴンバンクの面接で大失敗するガク

ドラゴンバンクに落ちたガクと辞退したハルが、ふたりでテッペンを目指す物語


背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。



起 (280秒)

 1兆ドルというスケールの大きな話をしている若者がふたり。ガクとハルはなぜこんな大金持ちを目指しているのか。それは8年前の運命的な出会いにさかのぼる。


0-15
世界の企業の時価総額は1兆ドル 15秒

15-50
1兆ドルあればすべてが手に入る 35秒

50-1:10
どうしてこうなった 20秒

1:10-1:27
それはあの日にさかのぼる 17秒


1:27-2:57
OP:「Beat the odds」&TEAM 90秒


2:57-3:27
それは8年前の出来事 30秒

3:27-3:50
買ったばかりのPCをカツアゲされるガク 23秒

3:50-4:40
さっそうと現れガクを助けるハル 50秒

承 (275秒)

 ずる賢くて行動力のあるハルを警戒したガクだったが、自分を救ってくれたハルを見捨てることはできなかった。ガクの活躍によって暴行の証拠ビデオは無くなり、ハルもまた救われたのだった。


4:40-5:10
ハルは監視カメラの死角でチンピラを殴っていた 30秒

5:10-5:50
ハルのヤバさに気づいて逃げようとするガク 40秒

5:50-6:27
このまま逃げればガクだけは助かる 37秒

6:27-8:00
PCでハッキングして証拠を消すガク 93秒

8:00-8:40
ガクをべた褒めするハル 40秒

8:40-9:15
いつまでもパズルや遊びみたいなことを続けていられない 35秒

転 (340秒)

 持ち前のコミュ力で就活全勝のハルに対して、ガクは面接がネックになりお祈りメールばかりだった。ふたりは本命のドラゴンバンクの面接試験にのぞむが、やはりガクは意気込みが空回りして大失敗をかましてしまう。そしてハルの面接の順番がきた。


9:15-9:40
就活全勝のハル 25秒

9:40-10:20
お祈りメールばかりのガク 40秒

10:20-10:50
ラストチャンスは本命のIT企業ドラゴンバンク 30秒

10:50-11:50
ドラゴンバンクの社長令嬢・桐姫 60秒

11:50-12:30
退屈な人材ばかりの面接 40秒

12:30-13:00
いきなり大失敗のガク 30秒

13:00-14:00
大暴走の自分語りをしてしまうガク 60秒

14:00-14:35
大企業病を心配している桐姫 35秒

14:35-14:55
ハルの面接開始 20秒

結 (460秒 + 95秒)

 面接を大成功に終わらせたハル。就職できなかったガクは清掃のバイト先がドラゴンバンクになってしまい、みじめな気持ちになってしまう。しかしそこに現れたハルは、たった今ドラゴンバンクを辞めてきたという。ドラゴンバンクを買い叩くと豪語するハル。ふたりの成功物語が今はじまる。


14:55-15:30
おじさんに大ウケのハル 35秒

15:30-16:15
ハルのウソを見抜く桐姫 45秒

16:15-16:50
フランス語と中国語で質問する桐姫 35秒

16:50-17:20
適当に答えるハル 30秒

17:20-18:00
試験に落ちてバイトに勤しむガク 40秒

18:00-18:50
バイト先はドラゴンバンクのビル清掃 50秒

18:50-19:50
アホらしくて辞めてきたハル 60秒

19:50-20:50
ガクを信じさせてくれるハルの行動力 60秒

20:50-22:35
俺らのワガママは世界一 105秒


22:35-24:05
ED:「アンビリーバブル」Klang Ruler 90秒


24:05-24:10
次回予告 5秒

シーンリプレイ

8:00-8:40
ガクをべた褒めするハル 40秒

 自分が当たり前にやっていることを客観的に評価してくれる。そんな友人は貴重だ。


13:00-14:00
大暴走の自分語りをしてしまうガク 60秒

 自分を見ているようで心が痛い方も多いのでは?でもそれは他人には無いあなたの魅力なのだ。


18:50-19:50
アホらしくて辞めてきたハル 60秒

 本当に優秀でなくてはならないのは”選ぶ側の人間”なのだ。そういう意味でハルや桐姫はとても優秀といえる。



感想

 この作品はいわゆるバディものであり、ガクとハルの成り上がりの物語だ。その特徴的な絵柄は人を選びそうだし、デタラメで大胆な行動で成り上がってゆく物語というのも、その個性的な絵柄もあいまって令和には少し前時代的に感じるところだ。

 しかし主人公の常識外れな行動で世間がかき回されていく様は、いつの時代でも観ていて気持ちがいい。今回でいえば、ハルが面接でおっさん達を笑わせつつ桐姫の質問に挑発的な返答をするところや、内定式の当日に会社を辞めてしまうところなどだ。

 ハルのような派手な活躍は無かったが、ガクもまた彼らしい魅力を持っている。コミュ力は皆無に等しいがPCやプログラミングに対する情熱は誰にも負けない。昔ながらのオタクと言えるだろう。

 そしてもうひとり重要な人物なのが桐姫だ。ドラゴンバンクの社長令嬢で重役のポストを与えられている。絵に描いたようなお嬢様だが、企業家としての実力も確かなようで、ドラゴンバンクが大企業病にむしばまれ始めていることに気づいている。

 桐姫はハルの持つ大胆な行動力と戦略家としての才能、ガクの確かな知識と実力を見抜き、このふたりを手に入れればドラゴンバンクに何か変化が起せると感じている。結果としてはガクもハルも手に入れられなかったのだが。

 後にハルとガクが大成功することは冒頭に描かれている。しかし今はふたりとも無職。大成功に至るまでの道のりは険しく遠い。この先ハルはもっと大暴走するし、ガクもどんどん巻き込まれる。桐姫はふたりが欲しくて欲しくてたまらなくなる。

 頭を空っぽにして楽しめる破天荒でスケールの大きな作品だ。