[アニメ レビュー] Bugってハニー 第1話 高橋原人・バグられた!?

Bugってハニー

 ゲームの歴史には欠かせないファミコンブーム。もちろん主役は当時の子どもたちなのだが、ブームの拡大は憧れのヒーローも誕生させた。それが16連射を引っ提げて登場したハドソンの高橋名人だ。

 当時のファミコンがどれほど人気だったのかは説明は難しい。ドラクエの行列やドラクエ狩り。乱立するファミコン雑誌や特集と攻略本や大技林などの裏技辞典。本体を買ってもらえないので最新ソフトだけ買ってもらう子。まさに狂想曲と言った様相であった。

 高橋名人が登場したのは、ファミコンの代名詞ともいえるスーパーマリオやドラクエの発売直前の時期だ。私個人の意見なのだが、批判一辺倒だったブームの中で、ゲームを肯定してくれる大人が現れたことはすごく嬉しかった。実際はただのサラリーマンの営業なのだけどw

 芸能人のごとき扱いをメディアから受けた高橋名人は、レコードを出したり映画化したりと大活躍であった。「Bugってハニー」は「高橋名人の冒険島」をアニメ化したもので、高橋名人こと高橋原人とガールフレンドのハニーちゃんを主人公とする作品なのである。

 現代におけるゲームの有り様は多種多様で、市場規模や価値などは1980年代とは比べ物にならないほど大きくなった。高橋名人のようにゲームそのもののアイコンとなるようなヒーローが生まれるのは難しいだろう。私たちはゲーム文化の勃興期という貴重な歴史体験を高橋名人とともに過ごしたのだと思う。

※本記事は2023年9月24日時点での視聴をもとにした記事です。


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第1話 高橋原人・バグられた!?

 第1話の長さは24分08秒(1448秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です

<登場人物>

高橋原人(たかはし げんじん)
トイコンワールドのヒーロー。
ハニー・ビー
高橋原人のガールフレンド。かわいらしいハチの妖精。
ワンナップ
ゲームが大好きなリーゼントの少年。みどりとダルの3人組。
みどり
ゲームが大好きで活発な少女。
ダル
ゲームと食べることが大好きな少年。
キュラ大王
トイコンワールドの支配を目論む。ハニーちゃんにメロメロで高橋原人を敵視しており、なんとか原人を排除してハニーちゃんをゲットしたいと思っている。


高橋原人・バグられた!?

 ゲームの中の世界であるトイコンワールドのヒーロー・高橋原人とそのガールフレンドのハニー。そしてハニーに横恋慕するキュラ大王。現実世界のみどり・ダル・ワンナップの三人組。

 仲良くトイコンで遊んでいた3人だったが何か様子がおかしい。コントロールがきかなくなったのかと思った次の瞬間、ゲームの原人とハニーちゃんが消えてしまった。戸惑う3人の前になんと画面の中からハニーちゃんが降臨。一緒に原人を探してほしいとゲームの中に誘い込んだ。

 トイコンのゲームから主人公が消えてしまう現象は世界中で起こっていた。ワンナップたちはハニーちゃんにトイコンワールドに連れて行かれ、高橋原人はキュラ大王に捕まってしまっていた。

 ダルが機械を壊してしまったため現代には戻れなくなってしまった。ワンナップのおかげでなんとか原人の家に逃げ込んだものの、ここもスケルトンに見つけられてしまう。謎の声の導きによって南を目指し飛び出したハニーちゃんと3人。世界を救うため、原人を助け出せ!!

 第1話の見どころ

  • 高橋名人の歌
  • 16連射強い
  • ハニーちゃんかわいい

背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。



起 (90秒 + 270秒)


0-1:30
OP:「Bugってハニー」 高橋利幸(名人) 90秒


1:30-2:05
ハニーを探す高橋原人 35秒

2:05-2:30
いた! 25秒

2:30-3:05
ラブラブなふたり 35秒

3:05-3:40
おのれ高橋 35秒

3:40-4:35
みどり・ダル・ワンナップ 55秒

4:35-5:15
キュラ大王さま! 40秒

5:15-6:00
高橋原人を捕まえろ 45秒


 登場人物の紹介パート。

承 (300秒)

6:00-6:40
トイコンクラブ 40秒

6:40-7:20
スケルトンの襲来 40秒

7:20-7:47
原人危機一髪 27秒

7:47-8:10
コントロール不能 23秒

8:10-9:00
消えてしまったふたり 50秒

9:00-10:10
ハニーちゃん降臨 70秒

10:10-11:00
吸い込まれるー 50秒


 ハニーちゃんが現実世界に降臨するパート。

転 (240秒)

11:00-11:32
世界中のトイコンがおかしい 30秒

11:30-12:00
ハニーちゃん強引 30秒

12:00-13:00
ハニーちゃんいないとダメな原人 60秒

13:00-13:30
主役交代 30秒

13:30-14:00
16連射強い 30秒

14:00-15:00
原人捕まる 60秒


 高橋原人がキュラ大王に捕まってしまうパート。

結 (430秒 + 118秒)

15:00-15:40
戻れなくなっちゃった 40秒

15:40-16:35
あざといハニーちゃん 55秒

16:35-17:05
火の玉襲来 30秒

17:05-17:25
ボンバーマン!? 20秒

17:25-18:20
隠し通路へ 55秒

18:20-18:55
助かったけど見つかった 35秒

18:55-20:00
キュラ大王を倒さないと 65秒

20:00-20:45
再びピンチ 45秒

20:45-22:10
とにかく逃げろー 85秒


22:10-23:40
ED:「愛はメリーゴーランド」高橋利幸(名人)&はるな友香 90秒


23:40-24:00
次回予告 20秒

24:00-24:08
エンドカード 8秒


 世界を救うため原人を助けるため、冒険に飛び出すパート。



シーンリプレイ

6:00-6:40
トイコンクラブ 40秒

 ロードランナーのBGMだ!チャンピオンシップロードランナー持ってました。部屋の壁にロードランナーのゲーム画面の絵が!!


9:00-10:10
ハニーちゃん降臨 70秒

 いまでも通用するかわいさ。この癒やされる感じは”萌え”だ。当時はそんな概念なかったが。


13:30-14:00
16連射強い 30秒

 この破壊力とインパクト。実際の16連射も同じくらいのインパクトを当時の子どもたちに与えた。


感想

 オリジナルのストーリーながら所々では実際のゲーム音楽やゲームの再現をしており、ゲーム好きな子供たちの喜びそうな要素を意識して盛り込んでいる。作る側のサービス精神が感じられて微笑ましい。

 久しぶりに見るハニーちゃんはとてもかわいらしく、当時も一部では大人気だったのが思い起こされる。女の涙を利用してワンナップたちを引き込むズルさも当時には多く見られたヒロイン要素で、なんだか懐かしい気分になった。

 終盤の脱出シーンでのスケボーは、ゲームの「高橋名人の冒険島」からのオマージュだと思われるが、作画もなかなかのものでスピード感のある刺激的なシーンになっている。

 OP・EDは両方とも高橋名人の歌唱で、あらためてその美声に驚かされる。当時のTVインタビューで「夢は高橋名人のお嫁さん」なんて少女がいたのも頷ける。予想外に人気者になってしまったとはいえ、様々なミッションをそつなくこなしてしまう高橋名人。なんて優秀なサラリーマンなんだろうと感心してしまう。

 コントローラーのボタンにバネを仕込んでいて逮捕されたなんていうデマが流れた時期もあったが、私たちにとって今も昔も高橋名人はヒーローだ。日本のゲーム史には永遠にゲーム文化を育てた偉人としてその名が刻まれるべき人物なのである。