[アニメ レビュー] 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 第1話 公安9課 SECTION-9

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX

「攻殻機動隊」は日本の代表的なアニメとして知名度の高い作品だ。原作の漫画版とは別に「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」はオリジナルストーリーで制作されている。

 未視聴の方には近未来SFだったり社会問題を扱っていたりという部分が、敷居が高いように感じるかも知れないが、とってもエンターテイメントな作品で細かいことを気にしなくても十分に楽しめると思う。突き詰めれば複雑なストーリーを楽しめるが、うわべだけなぞっても楽しいという奇跡のような作品なのだ。

 第1話では荒巻を中心とする公安9課のカッコいいアクションシーンと、重厚なストーリーの一端が味わえる。第1話にして攻殻機動隊の魅力がいっぱいに詰まっている。

 それぞれのエピソードは1話完結でも楽しめるように作られているが、この第1話が面白いと感じたなら、全26話を通して観ることをおすすめする。なぜこのアニメが世界中で支持されるのか、その理由がわかるはずだ。

※本記事は2021年12月25日時点での視聴をもとにした記事です。


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第1話 公安9課 SECTION-9

第1話の長さは24分50秒(1490秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です

<登場人物>

草薙素子(くさなぎ もとこ)
公安9課の隊長的なポジション。皆からは「少佐」と呼ばれている。全身を義体化しており、驚異的な身体能力で事件の解決にあたる。
バトー
軍のレンジャー部隊に所属していた過去をもつ。大柄であらゆる武器を使いこなす。見かけによらず軽口を叩くことが多い。
トグサ
警視庁から公安9課へ採用された。脳以外は生身の人間である。捜査能力には定評がある。
荒巻 大輔(あらまき だいすけ)
公安9課の課長。頭脳明晰で判断力に優れている。人脈や地位の使いどころを知り尽くしている。


第1話 公安9課 SECTION-9

 とあるビルの屋上。怪しい通信をする男が一人。その男は突然現れた全身義体の女性に制圧されてしまう。その女性は公安9課の隊長、通称”少佐”と呼ばれる草薙素子であった。課長の荒巻の招集によってバトーと共に休む間もなく現場へ向かった。いちはやく現場へ乗り込んだ荒巻は、的確な判断で状況を把握し指揮権を公安9課に移した。

 素早い制圧で要人を救出した少佐たち。しかし重要な情報を握っていると思われる人物の”安全な確保”には失敗してしまった。

 料亭の事件では外務大臣に密偵が付いていた。事件についての調査を支持する荒巻。しかしなんとか一命をとりとめた犯人の一味の記憶は消されてしまっていた。別の角度からの調査を余儀なくされるが、少佐はトグサの捜査能力に期待していた。そんななか、料亭の監視カメラに残された映像にヒントが見つかった。

 証言と映像の矛盾や事件後の大臣の行動。トグサの気づきによって大臣の電脳が入れ替わっていることが判明した。素早い対応により大臣の機密漏洩と亡命を阻止し、事件は無事に解決した。あらゆる方向への準備と対応。それが公安9課だ。

 第1話の見どころ

  • 少佐のカッコよさ
  • 公安9課のチームワーク
  • 内容の濃いストーリー

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背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。



起 (110秒 + 240秒)

0-20
ロゴ 20秒


20-1:50
 OP:「inner universe」Origa  90秒


inner universe

1:50-2:00
A.D.2030 10秒

2:00-2:30
通信傍受している少佐 30秒

2:30-3:00
つ、強い 30秒

3:00-3:20
世の中に不満があるなら 20秒

3:20-3:39
バトー登場 19秒

3:39-4:00
招集先の料亭 21秒

4:00-4:30
荒巻登場 30秒

4:30-5:00
状況報告 30秒

5:00-5:30
有能な指揮官 30秒

5:30-5:50
ワシに任せろ 20秒


承 (275秒)

5:50-6:50
公安9課のメンバー 60秒

6:50-7:40
光学迷彩カッコいい 50秒

7:40-8:00
撃たれる芸者 20秒

8:00-8:30
容赦ない制圧 30秒

8:30-9:05
迅速な状況判断と対応 35秒

9:05-9:20
そのケースは? 15秒

9:20-10:25
怒られるぞー 65秒


転 (310秒)

10:25-11:25
外務大臣の内偵 60秒

11:25-12:00
大人の友情 35秒

12:00-12:10
久保田が退室するまでの沈黙 10秒

12:10-12:30
よく知っているからこその調査 20秒

12:30-13:00
それほどの情報を持っていた 30秒

13:00-13:10
やるじゃんトグサ 10秒

13:10-14:05
捜査員としての腕前 55秒

14:05-15:05
一ノ瀬レポートとは 60秒

15:05-15:35
気になる映像 30秒


結 (465秒 + 90秒)

15:35-16:00
取り替え楽しそう 25秒

16:00-16:55
食い違う証言 55秒

16:55-18:10
トグサの捜査能力 75秒

18:10-18:50
時間は無い 40秒

18:50-19:30
素早い対応 40秒で支度した感ある 40秒

19:30-20:00
残念でした 30秒

20:00-21:50
事件解決 110秒

21:50-23:20
それが公安9課だよ 90秒


23:20-24:50
ED:「lithium flower」Scott Matthew 90秒


lithium flower

シーンリプレイ

2:30-3:00
つ、強い 30秒

構成:1秒 1秒 1秒 1秒 1秒 1秒 1秒 1秒 3秒 1秒 3秒 2秒 1秒 1秒 1秒 1秒 1秒 2秒 3秒 1秒 1秒 1秒


1秒
ゆっくり

1秒
落ちて

1秒
着地

1秒
振り返って

1秒
突撃

1秒
銃を抜いて撃つ

1秒
かわして

1秒
強烈なキック

3秒
ゆっくりしていってね

1秒
着地

3秒
こいつやべぇ(逃げる)

2秒
隣のビルへ

1秒
銃を構えて

1秒
ふわっ

1秒
狙って撃つ

1秒
足首「ぎゃあ」

1秒
コケる

2 秒
立ち上がって

3秒
前転で

1秒
迎え撃つ

1秒
させるかっ!

1秒

う゛わ゛ぁぁぁ

 1秒ごとにカットが切り替わるテンポの速いシーン。臨場感があり冒頭から画面に引き込まれる。


3:00-3:20
世の中に不満があるなら 20秒

 第一声からこのセリフ。カッコいい……。


7:40-8:00
撃たれる芸者 20秒

 すごい説得力がある吹っ飛び方。リアリティがある。ホンモノは見たことはないけど。


感想

 もとは有料チャンネルでの放映うとはいえTVシリーズとは思えない重厚なストーリーと作画。サイバーパンク、SF、サスペンスといた要素を破綻することなく融合させた各エピソード。終盤のエピソードでは涙を流した方も多いだろう。まさに名作といえる作品だ。

 「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」がスゴイのは、社会問題や政治が絡んだ複雑で難解なストーリーを理解できなくても面白いところだ。カッコいい!カワイイ!かわいそう……、みたいな楽しみ方ができるのだ。

 地上波TV放映当時の2004年では理解しづらいテクノロジーも、2021年の今ではかなりイメージしやすいものとなっているはずだ。この世界観が1989年に発表された原作で既に構築されたものなのだからスゴイにもほどがある。

 近未来のテクノロジーを予想したSFとしての面白さ。社会問題や”個の存在”というものに対する考察や問いかけを事件に絡めたストーリーの奥深さ。それらをエンターテイメントとして楽しめるように演出・構成したセンス。どれをとっても一級品だと思う。

 こういう作品がアニメで作られ、ジブリ作品やジャンプ原作のアニメなんかと共に存在していることが日本のアニメの”強さ”なんだと思う。このうしろに「みるタイツ」とか「土下座で頼んでみた」とか「Fairy蘭丸~あなたの心お助けします~」とかが続いてると思うと震える。日本すげー!!なんなら「これ観てる俺すげー!!!」まである。


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