[アニメ レビュー] アイドールズ! Day2 「カミングアウトアイドル」

アイドールズ!
「アイドールズ!」はオーディション企画から選ばれた新人声優4人が主役をつとめる3Dアニメで、キャパシティが100人のライブハウスを満席にしようと奮闘する10日間の熱くてゆるい物語ということだ。
OPとEDを入れても8分と短かく、内容もゆるいので身構えずサクッとお手軽に楽しめるだろう。また、主役を演じている新人声優たちはオーディションを勝ち抜いただけあってすごく頑張ってると私には感じられた。彼女たちの成長もこの作品の楽しみ方のひとつだと思う。
<登場人物>
あいな
赤色 優しい 感動屋さん
あみ
青色 直情的 飽きっぽい
しおり
桃色 可愛い 毒を吐く
るか
黄色 クール ミステリアス
※本記事は2021年1月19日時点での視聴をもとにした記事です。

Day2 「カミングアウトアイドル」
Day2の長さは8分00秒(480秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
起 (90秒 + 95秒)
0-1:30
オープニングテーマ 90秒
1:30-1:40
作品コンセプト説明 10秒
1:40-2:25
チケットを買ってもらえない 45秒
2:25-2:45
やがて追い詰められる 20秒
2:45-3:05
アイドルとは 20秒
承 (80秒)
3:05-3:25
誰にもメッセージ送ってない 20秒
3:25-3:50
まだアイドルやってるって言ってなかった 25秒
3:50-4:15
アイドル宣言 ロックな存在 25秒
4:15-4:25
ロックださい 10秒
背景にいる喋っていないキャラクターもちゃんと演技をしているので、映っていないときも演技をしていると思わされる。それによって、この座敷空間がリアリティを持った空間として成立している。ロックンロールイズデッド。承では、アイドルであることを宣言することで生じる世間との軋轢に対する恐れの話をしている。
転 (95秒)
4:25-5:00
アイドルは恥ずかしくない 35秒
5:00-5:15
サエキさんのパン 15秒
5:15-5:40
サエキさんに言ってくる 25秒
5:40-6:00
サエキさんは何者か 20秒
夢を語ることは恥ずかしいことではないことをあみに気付かされるあいな。時折入る置物のツッコミはストーリーを円滑に進めたり視聴者を代弁したりする役割。多少寒いネタでも置物が間のとり方で持たせている。転では、あいなのアイドルに対する認識の変化。あいなのトンチンカンな魅力を描いている。
結 (30秒 + 90秒)
6:00-6:20
サエキさんも応援してくれる 20秒
6:20-6:30
先祖は大切 10秒
6:30-8:00
エンディングテーマ 90秒
短いパートながら冒頭でのオチを最後に持ってきて綺麗に話を終わらせている。エンディングテーマも90秒。本編は5分。その短い時間できちんと起承転結をつけている。結では、あいなの踏み出した一歩と物語全体をまとめるオチが30秒に収められキレの良い締めになっている。

感想
ゆるい雰囲気とストーリーは私たちがそう思わされているだけ。画面からは本気がにじみ出ている。3Dモデルは可愛いしストーリーは5分で無駄なく上手にまとめられている。空席祭りなアイドルとは銘打っているが、この作品は想像以上にちゃんとお金をかけて作っているのだと思う。
ひとつの短いエピソードをこれだけキチンと作っているのなら、全話でなにか面白いことをやってくれるのではと期待してしまう。10話で終わるにしても主人公たちの売り込みだけでは10話はちょっと長い。配信イベントに絡めてきたりするのか?とか、いろいろと気になる。せっかく新人を起用したのだから、守りに入らずチャレンジしてもらいたい。
You Tubeでの配信で中の人の番組や3Dキャラクターでのゲーム配信等をやっているところをみると、ヴァーチャルアイドルとリアルアイドルの垣根を取り払った新しい存在を確立させたいとの意図があるのかもしれない。そのためにあまり色の付いていない新人声優を起用したほうが良いと判断したのだろう。
そういう思惑が存在すると仮定して、それは成功するだろうか?You Tubeチャンネルの再生数もアニメの知名度もイマイチなのは承知の上で、少なくとも私には良い方向へ進んでいると思える。なぜなら、頑張っているのに評価されないアイドルはファンにとってこの上なく応援のしがいがある存在だからだ。
幸い彼女たちは歌も上手だし、拙いながらもちゃんと役に向き合って演技しているように思う。持ち前の才能と伸びしろで着実にファンを増やし、数年後には驚くような輝きを私たちに見せてくれているかもしれない。
まぁぜんぶ私の妄想なんですけど。
とても美しいな3Dモデルによるオープニングテーマはきっちり90秒。8分のショートアニメにもかかわらず通常の30分アニメと同じ90秒。歌唱中のキャラクターたちのアニメーションからも本気度が伝わる。ワンシチュエーションで舞台演劇のように進行するのも面白い。 演技のつけかたも演劇として不自然な感じはしない。起では、知り合いにすらチケットが売れないみじめさを描いている。