[アニメ レビュー] ウマ娘 プリティーダービー Season 2 01 トウカイテイオー

ウマ娘 プリティーダービー

 ウマ娘は実在した競走馬の名前を使った美少女アニメだ。アニメが先行しているが元はスマホのゲームアプリの企画で、ウマ娘たちを育成してトゥウィンクルシリーズというレースを勝ち抜くのが目的だ。レース後は3位までのウマ娘たちがライブをすることができるという(もちろん1位がセンター)設定。

 アニメの設定もゲームとほぼ同じだ。アニメ版はライブシーンよりもウマ娘たちの関係や、史実を知っていると楽しいレースシーンなどが見どころだ。ゲームは育成とライブシーンを楽しんで、アニメはウマ娘たちのキャラクターを深堀りして楽しんでもらう…といった狙いだろうか。

 私は競馬には詳しくないので受け売りの情報になるが、ウマ娘たちの髪型や性格などは実際の競走馬の特徴をうまく捉えていて、競馬ファンならすぐにどの競走馬の擬人化なのかわかるようだ。ただ競走馬が分からなくても十分楽しめるアニメなので安心して観てほしい。

 アイドルアニメとカテゴライズされそうな印象を持つかもしれないが、ウマ娘プリティーダービーはどストレートなスポ根アニメである。キャラクターたちの可愛らしい描写はあるものの、レースやドラマ部分の方に見入ってしまう。作画も安定しているのでウマ娘たちの可愛さと緊迫感のあるレースを楽しめる贅沢なアニメとなっている。

※本記事は2021年1月2日時点での視聴をもとにした記事です。


「ウマ娘 プリティーダービー Season 2 12 ふたり」のレビューは→こちら

01 トウカイテイオー

 01の長さは23分55秒(1435秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です

起 (337秒)

0-38 
プロローグ 38秒

38-1:38 
シンボリルドルフの活躍 60秒

1:38-2:00 
記者会見に紛れ込むトウカイテイオー 22秒

2:00-2:40 
シンボリルドルフになる方法 40秒

2:40-3:20 
現在のトウカイテイオー 40秒

3:20-3:58 
大人気のトウカイテイオー 38秒

3:58-4:55 
学園の校門前 名馬たちの登校 57秒

4:55-5:37 
今日はオープンキャンパスの日 42秒


 物語はシンボリルドルフのレースを見つめるトウカイテイオーから始まる。憧れのシンボリルドルフを見つめるトウカイテイオーの表情や仕草は可愛いだけでなく、ちゃんと馬っぽい動きをしている。次々と登場するウマ娘たちにはネームプレートが付けられているが、各々のキャラクター特徴をとらえた映像と相まって競馬的な雰囲気を盛り上げていて面白い。起では、変わらず元気に夢を追い続けるトウカイテイオーと彼女の所属するチーム「スピカ」の楽しげな関係を描いている。

承 (298秒)

5:37-6:08 
オープンキャンパス開始 31秒

6:08-7:20 
トウカイテイオーとメジロマックイーンの案内 72秒

7:20-8:20 
想いを伝えるキタサンブラックとサトノダイヤモンド 60秒

8:20-8:35 
凶です 15秒

8:35-9:24 
ミーティング 49秒

9:24-10:35 
トウカイテイオーとシンボリルドルフ 71秒


 オープンキャンパスのシーンではトレセン学園の施設を紹介。世界観を見せつつ背景でたくさんのウマ娘が登場する。聞いたことのある名前を見つけると現実との繋がりを感じてアニメの世界にリアリティが産まれるという不思議な感覚になる。トウカイテイオーは過去にシンボリルドルフにもらった夢を同じように子どもたちに手渡し、シンボリルドルフに日本ダービーでの優勝を宣言する。承では、トレセン学園の日常をオープンキャンパスという形でおさらい。そして夢をどんどん達成してゆく絶好調のトウカイテイオーを描いている

転 (242秒)

10:35-11:25 
練習 張り合うトウカイテイオーとメジロマックイーン 50秒

11:25-12:24 
食堂にて 憧れの日本ダービー 59秒

12:24-13:00 
練習の日々 36秒

13:00-13:18 
みんなの応援 18秒

13:18-14:09 
ふたりはライバル 51秒

14:09-14:37 
決意の表情 28秒


 練習といえども走るシーンは迫力がある。食事シーンで登場するオグリキャップの大食いネタは1期でも頻繁に登場した。日本ダービー前日までの練習や周囲の応援で雰囲気を盛り上げていく。そして神社でのメジロマックイーンへのライバル宣言と寮での決意で緊張感も高まる。転には、承までのゆるい空気をレース前の緊張へと持っていく役割を持たせている。

結 (409秒 + 149秒)

14:37-15:10 
東京レース場 日本ダービー 33秒

15:10-15:47 
堂々人気トップのトウカイテイオー 37秒

15:47-16:16 
チームスピカのお見送り 29秒

16:16-16:55 
それぞれの思いを込めて 39秒

16:55-17:18 
娘たちをお世話するものの視点 23秒

17:18-17:58 
ついに始まるダービー 40秒

17:58-18:28 
余裕を見せる 30秒

18:28-19:10 
3っつの要素 42秒

19:10-19:28 
みんなも信じてる 18秒

19:28-20:00 
もう誰も止められない 32秒

20:00-20:15 
トウカイテイオー ダービー制覇 15秒

20:15-21:26 
幸せなひととき ん? 71秒


21:26-22:30 
ウイニングライブ 気づいた!? 64秒

22:30-23:55 
エンディング 85秒


 変なステップで登場をするも、子どもたちとスピカの仲間たちの応援で負けジンクスも吹っ飛ぶ。ライバルのチーム「リギル」のトレーナー・東条からチクリとやられるトレーナー。緊迫感のあるレースシーンは引き込まれる。観戦をするウマ娘たちの表情も手を抜いていない。ラストスパートからは一気にブッチギってゴールまで駆け抜ける気持ちよさを体験できる。ウイニングライブまでの上り調子の物語とはうらはらに最後は不安に突き落とされる。結では、出来すぎのサクセスストーリーを見せつけてから落とし、次の話へと視聴者の興味を繋げていっている。

感想

「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」は文字通り第二期である。第一期は2018年の放映だったので視聴者の興味はかなり失われていると思われる。そういう意味で第1話をどうするのか気になっていた。同じく2018年に配信予定であったゲームアプリも2021年に延期しているのでそちらの熱もあまり期待できない状況だ。

 しかしそういう心配は無用であった。ウマ娘たちを大量に登場させつつ世界観から学園の雰囲気や施設を紹介し、トウカイテイオーのドラマを進めていくという荒業。しかもきちんと日本ダービーを魅力的に描いたうえでトゥインクルシリーズのライブシステムまでやり切ってしまった。ウマ娘を初めて観た方も満足できる内容だったのではないだろうか。

 考えてみればウマ娘のデザインは不思議である。いわゆる美少女ばかりが登場するアニメなのだが、誰も彼もがみんな可愛いのだけれどセクシャルな要素がまったく感じられない。これはいうなれば動物の可愛さを忠実に再現しているということなのだ。画面の中で動く彼女たちは耳や首をよく動かす。感情の表現も小動物や子供のように真っ直ぐで純朴だ。これはどうしたって応援したくなるし保護欲をかき立てられる。

 私はトウカイテイオーに無敗の三冠馬になってほしいと思ったし、彼女を応援して自分も同じ夢をみさせてほしいと思った。冒頭に”ウマ娘プリティーダービーはどストレートなスポ根アニメ”と書いたが、そういう意味ではウマ娘プリティーダービーは、真のアイドルアニメなのかもしれない。