[アニメ レビュー] 擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD 一話 機密事項一〇一アオキシュラノハナ
擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD
「擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD」は、政府の裏の組織である”鵺”の処刑人・雪村咲羽の物語である。徳川家の支配が続いた明治64年という架空の日本が舞台。政府に反感を持つ反体制派組織”クチナワ”の排除を担うのが咲羽の所属する鵺という組織だ。また咲羽には親兄弟の仇である蛇埜目を探すという目的もある。
絵は日本画や水墨画のようなテイストで、これがストーリーや世界観にも非常にマッチしている。効果音も日本的な表現をしているシーンもちらほらあって、まさに時代劇のようだ。
特殊能力を持った咲羽をはじめキャラクターの繰り出す技や設定はファンタジーそのものなのだが、雰囲気を壊すようなものは出てこなかった。そもそも我々の知っている時代劇もとんでもない技がバンバン出てくる娯楽作品が多い。
ストーリーは暗い展開が多く、観ていて気が滅入ることもあるだろう。だがそんな中でもわずかな希望を感じさせてくれたりとなかなか楽しませてくれる。「仮面ライダー」「デビルマン」などの作品のオマージュとしてとらえても差し支えない良作だと思う。
タイトルの読み方が分からずスルーした方や悲しみを背負ったヒーロー系の作品のファンの方にも楽しんで欲しいアニメだ。ちなみに読み方は”joran”とurlに書いてあるが「じょうらん」と読むのが正しい(らしい)。
すでに最終話まで放映されていて物語も完結している。第一話で心を掴まれた方は最後まで観ても時間の無駄にはならないだろう。
※本記事は2021年7月5日時点での視聴をもとにした記事です。
一話 機密事項一〇一アオキシュラノハナ
一話の長さは22分52秒(1372秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
<登場人物>
雪村 咲羽(ゆきむら さわ)
本作の主人公。政府の裏組織”鵺”の処刑人。青い血を持ち白いカラスとともに変身をして戦う。普段は古書店の主人をしている。
中村 浅陽(なかむら あさひ)
咲羽と一緒に暮らしている少女。家事全般をしている。
月城 真琴(つきしろ まこと)
美しく紳士的な鵺の処刑人。
花風 エレーナ(はなかぜ えれーな)
女を武器にする鵺の処刑人。咲羽とは反りが合わなずなにかと衝突する。
葛原 仁(くずはら じん)
鵺をまとめる統率者。エースをねらえの宗方コーチみたいな顔をしていて名前も同じ。
※背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。
起 (320秒)
0-57
青い血の力で強大そうな敵と戦う咲羽 57秒
57-1:25
物語の背景 28秒
1:25-1:55
徳川慶喜への批判 30秒
1:55-2:36
かわいらしい浅陽 そっけない咲羽 41秒
2:36-3:35
お喋り浅陽 厳しい咲羽 59秒
3:35-3:55
古書店にて 本の匂い 20秒
3:55-5:00
口説かれる咲羽 相手にしてない 65秒
5:00-5:20
本が招集の合図 捨てる咲羽 20秒
承 (363)
5:20-5:50
艶やかな夜の街 30秒
5:50-6:45
助けに入る月島 55秒
6:45-7:50
好きに生きるエレーナ 65秒
7:50-8:16
犬猿の仲 26秒
8:16-8:49
秘密の本部 葛原登場 33秒
8:49-9:02
一生懸命に料理 帰らない咲羽 13秒
9:02-10:00
暗殺計画 蛇埜目の異形 58秒
10:00-10:43
エレーナ有能 咲羽をたしなめる葛原 43秒
10:43-10:57
帰りを待つ浅陽 意を決する咲羽 14秒
10:57-11:23
音楽で寂しさをまぎらわす浅陽 26秒
東京市は欲望渦巻く街らしい。咲羽は美人だから男がよって来る。蛇埜目は咲羽の家族の仇。咲羽を待つ浅陽がかわいらしい。承では、鵺の処刑人たちの紹介。今回の任務が言い渡される。
転 (277)
11:23-11:53
華やかな社交界 慶喜の噂 30秒
11:53-12:20
書かない小説家エレーナ 27秒
12:20-13:00
エレーナの情報収集能力 40秒
13:00-13:30
密輸現場到着 ミッション開始 30秒
13:30-14:00
派手な幕開け 30秒
14:00-14:45
獣異形の覚醒 強いふたり 45秒
14:45-15:15
おとりだった 30秒
15:15-16:00
対策済みでした 獣異形なら 45秒
きらびやかなパーティー。富が一部に独占されている。エレーナは情報収集能力だけでなく、戦闘力も高い。月島も有能。転では、密輸の現場を押さえることに成功と思いきや偽の情報だった。しかし咲羽が先回りしていた。
結 (322秒 + 90秒)
16:00-16:35
強い速い咲羽 35秒
16:35-17:05
変身シーン 30秒
17:05-17:25
新しい仕事はこれだった 20秒
17:25-17:40
脳が乗っ取られる 15秒
17:40-18:15
それでも倒す やっと教えた名前 35秒
18:15-18:40
咲羽の悲しい運命 25秒
18:40-19:02
東京城完成 22秒
19:02-19:45
襲われる店 蛇埜目の基地 43秒
19:45-19:51
刃物を見つめる浅陽 6秒
19:51-20:52
うなされる咲羽 過去のトラウマ 61秒
20:52-21:00
よりそう浅陽 8秒
21:00-21:15
包丁を取り出す浅陽 15秒
21:15-21:22
タイトル 7秒
21:22-22:52
オープニングテーマ 90秒
実は最初の兄ちゃんが獣異形だった。せっかく咲羽の名前を聞けたのにかわいそう。無事に東京城が完成。しかし蛇埜目は何か企んでそう。結では、変身した咲羽の活躍で東京城は無事に完成。しかし蛇埜目はまだ滅んではいない。一方、咲羽には刃物を向ける浅陽が!ワケガワカラナイヨ。
シーンリプレイ
16:35-17:05
変身シーン 30秒
構成:5 3 5 6 1 10
5秒
カラスが鳴いて真っ白に
3秒
叫んで服が飛び散って
5秒
もだえて
6秒
ガッチャマンみたいに
1秒
ナンパ兄ちゃん…
10秒
髪をおろしました 骨見えてます
ずっと叫んでるから全然エロくない変身シーン。青い気炎が美しい。
19:51-20:52
うなされる咲羽 過去のトラウマ 61秒
構成:3 4 13 6 3 2 3 2 3 4 7 2 2 3 4
3秒
苦しむ咲羽
4秒
優しい声のお兄ちゃん
13秒
行かないで
6秒
生きろ
3秒
生きるんだ
2秒
覚悟を決めた
3秒
悲しそう
2秒
火がひろがる
3秒
怖い
4秒
次々に…
7秒
開けてはダメ
2秒
青い血が落ちる
2秒
見てしまった
3秒
背中の傷
4秒
目に焼き付ける
時代劇ではよくあるシーン。辻斬り、強盗、レイプ…そのバリエーションはいろいろ。
感想
変身シーンでいったん裸になるのはキューティーハニーからのお決まりだし、変身後の骨が透けるシーンはどこか仮面ライダーを思わせるデザインだ。咲羽の背負ったトラウマシーンも時代劇ではよく登場するシーンである。
鵺のような秘密組織ものでは主人公以外の活躍は控えめな事も多いが、擾乱ではサブキャラクターたちもけっこう活躍する。特にエレーナは私のお気に入りだ。咲羽と仲が悪いのもいい感じに思う。
冒頭の戦闘シーンは伏線というか”ここに至るまでの話ですよ”という宣言みたいなもので、3ヶ月後には忘れているような仕掛けだが今から一気に観る方はその心配はないだろう。
作画は安定してキレイで途中でブサイクになることは無かった(たぶん)。毎回同じように事件を解決して最後はラスボスを倒して…というのを予想していたのだが、物語は意外な方向に進んでゆく。相当な紆余曲折をへて冒頭のシーンにたどり着くのだ。
最終話まで観終わった感想は、久しぶりに面白い時代劇を観たなぁという感想だ。万能主人公が気持ちよく暴れる作品も楽しいが、たまには悲しみのダークヒーローが悩み苦しんでそれでも生きてゆく作品も評価されてもいいんじゃないかと思う。
浅陽と咲羽の対照的なキャラクター。本に愛着がありそうな咲羽が鵺の招集の本は捨てる。処刑人は本意ではない活動である証拠。起では、このお話の舞台の紹介。慎ましくも平穏な浅陽と咲羽の生活が描かれる。