[アニメ レビュー] Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ episode.2 牙狼族の戦士フェンリース

Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ

 異世界ファンタジーものが量産されている現在ではありきたりに思える作品だが、キャスティングはベテラン揃いで安心して楽しめる。主人公が「ゼロの使い魔」のふたりとなればなおさらだ。

 脇を固めるキャラクターにも多くの作品で活躍していた声優の名前がちらほら。誰が主人公を演じても楽しいものになるだろうから、脳内でキャスティングをあれこれ入れ替えて妄想するのもいいと思う。

 作画もそこそこで地味な印象の作品なので、他作品の渦に埋もれてしまうかもしれない。しかしこの異世界アニメ群雄割拠の時代に、ベテラン声優たちがこの作品をどう料理するのか非常に興味のあるところだ。

※本記事は2024年6月1日時点での視聴をもとにした記事です。


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episode.2 牙狼族の戦士フェンリース

 episode.2の長さは23分40秒(1420秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です

<登場人物>

フリオ
勇者候補としてクライロード魔法国へ召喚されたが、能力が低いので魔物の巣食うデラベザの森へ追いやられた。
フェンリース
牙狼族の少女。人に化けて王都に潜入していた。フリオと騎士団と共にデラベザの森へ帰還すると襲いかかってきた。


episode.2 牙狼族の戦士フェンリース

<ストーリーの流れ>

フェンリースを打ち負かすフリオ

フリオと金髪勇者

騎士団の4人を助けるふたり

騎士団とリースとの同居が始まるフリオ


背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。



起 (305秒)

 前回の出会いから戦闘の続きのシーン。フェンリースとフリオのほぼふたりだけのシーンだが、息の合った巧みな演技で見ごたえのあるものとなっている。声優の演技力に支えられたシーンと言えるだろう。


0-1:30
OP:「旦那様とのラブラブ・ラブソング」フェンリース(CV:釘宮理恵) 90秒


1:30-2:30
あらゆる魔法を使ってフェンリースと戦うフリオ 60秒

2:30-3:25
隷属化魔法を拒否し続けるフリオ 55秒

3:25-4:20
降参した相手を殺したくない 55秒

4:20-5:05
素っ裸で気を失うフェンリース 45秒

承 (310秒)

 フリオの優しさに忠誠を誓うフェンリース。無能として捨てられたフリオと周囲からチヤホヤれてきた金髪勇者。地道にレベルアップするフリオと、才能に溺れ成長できない金髪勇者の差がはやくも表れてきている。初期能力だけが人生の攻略法なのではないことを描いている。


5:05-6:30
フリオの恩に命を捧げることを誓うフェンリース 85秒

6:30-7:05
フェンリースの覚悟に折れるフリオ 35秒

7:05-7:50
役立たずとして捨てられた事情を話すフリオ 45秒

7:50-8:25
それでもフリオにつかえたいフェンリース 35秒

8:25-9:30
自分の失態をごまかす金髪勇者 65秒

9:30-10:15
まったく成長していない金髪勇者 45秒

転 (305秒)

 人として生活することになったフェンリースはフリオの妻リースとなった。生活資金を得るためにギルドでサイコベアーの討伐を引き受けたふたりは、大ピンチの騎士団を助けることになる。いきなりデレ全開のリースがフリオの実力を証明しようとする姿がかわいらしいシーンだ


10:15-10:30
生活基盤を整えるふたり 15秒

10:30-11:20
いきなり夫婦になるふたり 50秒

11:20-12:05
婚姻の儀になってしまうフェンリースのギルド登録 45秒

12:05-12:40
これから人種族として生きていくリース 35秒

12:40-13:30
フリオの強さを証明したいリース 50秒

13:30-14:05
協力してサイコベアーを討伐する 35秒

14:05-15:20
ピンチの騎士団を助けたふたり 75秒

結 (410秒 + 90秒)

 フリオの実力の片鱗を見た騎士団の4人は、フリオに戦闘の指導を願い出る。それが面白くないリースだったが、フリオがリースを妻と公言したことで4人との共同生活に乗り気になる。フリオの奇妙なハーレム新婚生活の始まりだ。


15:20-15:50
妻と紹介してほしいリース 30秒

15:50-16:30
眼光だけでサイコベアーを服従させる 40秒

16:30-17:40
フリオとリースに恐れおののく騎士団 70秒

17:40-18:15
騎士バリロッサ、重騎士ブロッサム、軍馬の世話係ビレリー、魔法使いベラノ 35秒

18:15-19:10
騎士団は早急に強化をしなくてはならない 55秒

19:10-19:50
危険を察知しとっさに対応するフリオ 40秒

19:50-20:30
急にごきげんになるリース 40秒

20:30-20:50
指導を引き受けることにしたフリオ 20秒

20:50-21:20
まさかのみんなで同居することに 30秒

21:20-22:10
フリオの捜索を命じる魔王 50秒


22:10-23:40
ED:「ユートピア学概論」DIALOGUE+ 90秒


シーンリプレイ

0-1:30
OP:「旦那様とのラブラブ・ラブソング」フェンリース(CV:釘宮理恵) 90秒

 久しぶりに登場した気がする絵に描いたような萌えソング。この声はやはり国宝に指定するべきではと思ってしまうかわいさだ。


9:30-10:15
まったく成長していない金髪勇者 45秒

 人生は点でなく線でとらえる。日々の積み重ねが人をつくってゆく。それは良くも悪くもだ。


19:50-20:30
急にごきげんになるリース 40秒

 口に出してちゃんと言ってほしい。その効果の絶大さを教えてくれるシーンだ。



感想

 観ていると00年代に戻ったような感覚になる作品だ。作画やストーリーからキャスティングいたるまで、どこか懐かしさを感じさせてくれる。それはとてもいい意味で。

 フリオの強さよりも優しさに惹かれたリース。基礎能力の高さにあぐらをかいてしまった金髪勇者と、ただの初期数値に騙されてしまったクライロードの人々。

 本当の人の価値というのは、人生に対する姿勢であったり態度に表れるはずだ。単なるテンプレートではなく、そういったメッセージを物語に込めようという意思を感じるところがこの作品の古臭い部分であり良い部分だ。

 多くの美少女に囲まれながらも、フリオがリースに一途なのも好感が持てる。また美少女たちはフリオを尊敬しつつも、リースとの仲に割り込もうとはしない。

 そういった事情もありフリオとリースの間にラブコメにありがちな色恋の波風はあまり立たない。しかしそのぶんストーリーがキッチリと描かれている。だからストーリーに関して物足りない気分にはならないと思う。

 にぎやかなハーレムものを期待すると肩透かしをくらうかもしれないが、安定した演技とストーリーが楽しめる作品だ。