[アニメ レビュー] 真夜中ぱんチ 第4話 次の企画の主役はWho?

真夜中ぱんチ

NewTuberとして活躍していた真咲は、配信中に同じグループのメンバーを殴ったことで炎上してしまう。そのことが原因で真咲はグループを脱退することになった。

 再起を決意する真咲のもとに現れたのがヴァンパイアのりぶ。動画を投稿する仲間が欲しかった真咲は、チャンネル登録者数100万人を達成したらりぶに自分をたべてもいいという約束をしてしまう。こうして真咲の新チャンネルが始動したのだった。

 りぶをはじめとするメンバーはヴァンパイアばかり。りぶたちの能力を活かしたド派手な演出で一時は話題になるも、ヴァンパイアの存在が知れ渡ってしまうことを恐れた上位ヴァンパイアに動画投稿を禁止されてしまう。

 今度は純粋に企画の勝負で登録者100万人を目指すことを決意した真咲たちは、新チャンネル「真夜中ぱんチ」を始動したのだった。

※本記事は2024年8月2日時点での視聴をもとにした記事です。


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第4話 次の企画の主役はWho?

 第4話の長さは23分45秒(1425秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です

<登場人物>

真咲(まさき)
NewTubeチャンネル「真夜中ぱんチ」を運営するNewTuber。プロデュース、企画、撮影、編集などをこなす。
りぶ
真咲の血が欲しくて真咲に協力するヴァンパイア。「真夜中ぱんチ」の登録者数が100万人を超えると真咲の血を吸ってもいい約束をしている。
譜風(ふう)
「真夜中ぱんチ」のメンバー。恥ずかしがり屋で引っ込み思案のヴァンパイア。


第4話 次の企画の主役はWho?

<ストーリーの流れ>

譜風の部屋で見つけたラジカセを聞く真咲

綾を傷つけてしまった過去のトラウマ

綾の手がかりを探す真咲たち

綾と譜風の時を超えたセッション


背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。



起 (300秒)

 夜のベンチ。綾という女子高生と待ち合わせをする譜風。いっぽう譜風の部屋で見つけたラジカセを聞いた真咲。カセットテープというノスタルジックなモノをきっかけに始まる物語。今回の主役は譜風でテーマは音楽だ。


0-20
綾と待ち合わせしている譜風 20秒

20-1:00
録音してくれていたカセット 40秒

1:00-1:23
プロミュージシャンへのお誘い 23秒


1:23-2:53
OP:「ギミギミ」りぶ(ファイルーズあい)、苺子(伊藤ゆいな)、譜風(羊宮妃那)、十景(上田瞳)、ゆき(茅野愛衣) 90秒


2:53-3:25
晩杯荘への引っ越しを完了した真咲 32秒

3:25-4:00
ヴァンパイアたちへのアンケート 35秒

4:00-4:25
アンケートを出していない譜風 25秒

4:25-5:00
譜風の部屋でラジカセを見つける真咲 35秒

承 (385秒)

 ラジカセを聞き譜風の歌ってみたを企画した真咲だったが、譜風には動画制作を断られてしまう。譜風にはかつて綾と出るはずだったオーディションから逃げ出してしまったトラウマがあったのだ。綾との音楽活動が譜風にとって美しい思い出であり、同時に綾を裏切った罪悪感を呼び起こすものになっている。


5:00-6:00
次の企画は譜風の歌ってみた 60秒

6:00-6:55
譜風は歌う資格がない 55秒

6:55-7:50
綾との約束 55秒

7:50-8:50
綾には言い出せなかった本当のこと 60秒

8:50-9:50
きてしまったオーディションの当日 60秒

9:50-11:25
結果的に綾を傷つけてしまった 95秒

転 (235秒)

 綾の手がかりを見つけ出した真咲たち。しかし譜風は意地を張り、かたくなに動こうとはしない。真咲は綾の手がかりを譜風に渡し、彼女に判断をまかせた。結果、譜風は綾に会うためにアメリカへと飛んだのだった。心と行動がちぐはぐだった譜風だが、真咲の行動が譜風の背中を押してくれたようだ。


11:25-12:00
譜風の過去について調査にのりだす真咲たち 35秒

12:00-12:25
綾はAYAとして活動していた 25秒

12:25-13:00
譜風に怪しまれる真咲 35秒

13:00-14:30
綾の手がかり 90秒

14:30-15:20
綾に会うためにアメリカへ飛んだ譜風 50秒

結 (375秒 + 130秒)

 綾に会いにアメリカへ飛んだ譜風だったが、綾はすでに亡くなっていた。後悔ばかりがつのる譜風。そして綾のギターケースに残された一枚のディスク。そこには在りし日の綾の姿がおさめられていた。長い時間を経て、ふたりの想いはようやく繋がることができたのだった。


15:20-16:00
綾がいるかも知れないライブスペース 40秒

16:00-16:30 マスターに説明する譜風 30秒

16:30-17:00
綾は亡くなっていた 30秒

17:00-18:05
後悔ばかりが湧いてくる譜風 65秒

18:05-19:00
在りし日の綾 55秒

19:00-20:15
綾の背中を支えていたのは譜風と過ごした時間だった 75秒

20:15-20:45
ずっと一緒に歌いたかった 30秒

20:45-21:15
撮影の準備 30秒

21:15-21:35
自分にヤキ入れました 20秒


21:35-23:25
ED:「君へ」譜風 (CV #羊宮妃那) 110秒


23:25-23:40
次回予告 15秒

23:40-23:45
エンドカード 5秒



シーンリプレイ

20-1:00
録音してくれていたカセット 40秒

 お互いの好みの曲を伝え合ったり、感想を言い合ったり、当時の若者にとってカセットテープは重要なコミュニケーションアイテムだった。


7:50-8:50
綾には言い出せなかった本当のこと 60秒

 プロになること以上に綾と過ごす楽しい時間がまぶしすぎたのだ。譜風は綾との時間が失われる不安を常にかかえていたとも言える。


19:00-20:15
綾の背中を支えていたのは譜風と過ごした時間だった 75秒

 ふたりで過ごした時間は間違いではなかった。あんなことがあっても綾は譜風との時間を大切にしてくれていたのだ。



感想

 今回は真夜中ぱんチのメンバーの中でも、最も存在感の薄い譜風が主役だった。ヴァンパイアと人間の寿命の違いを利用した甘酸っぱいストーリーが楽しめる。時を越えてカセットテープからDVDとメディアを変えて受け継がれてきた想い。その中心にあったのは音楽だった。

 夜中に公園で歌と演奏を楽しむ綾と譜風。綾の不良っぽい服装やフォークギターというアイテム、そして譜風が屋根の上で歌っていた(当時の人気ドラマのワンシーン)ということから、時代は1970年代中盤あたりの設定だと思われる。カセットテープをでの音楽情報の共有は、この時代の若者にとっては重要なコミュニケーション方法だ。

 自分がヴァンパイアであることを綾に打ち明けることができなかった譜風は、結果的にそれがもとで綾も自分自身も傷つけてしまった。そのことに対する後悔とトラウマに苦しむ譜風は歌うことすらやめてしまった。

 対して綾はどうだったのだろうか。彼女はその人生を音楽に費やし、最後まで歌い続ける。その人生を支えたのは譜風と過ごした楽しい時間だった。綾にとっては譜風が自分の目の前から消えたことよりも、譜風と一緒に歌って過ごした時間のほうが彼女の人生に影響を与えていた。

 綾は最後まで、譜風とまた一緒に歌いたいと思っていた。その想いは譜風も同じで、心の奥に隠してずっと見ないようにしていたものだ。ふたりの想いはDVDという記録媒体によって未来へ受け継がれ、ようやく繋がることができた。

 ふたりが音楽で繋がっていた時間の輝き。それは綾にとっても譜風にとても宝石のような時間だったのだと思う。綾と譜風のセッションが実現した最後のシーンは、数十年の時を越えて”あの頃”のふたりの輝きがよみがえったような美しいシーンだった。