[アニメ レビュー] 無能なナナ 第1話 「無能力」
無能なナナ
無能なナナは人類の敵に対抗するため集められた少年少女たちの物語である。彼らは孤島に建設された学園で日々訓練を続けている。しかしある日を境に人類の敵の攻撃が始まってしまう。
本作品は全13話で構成されている。一応キリのいいところで終わっていはいるが、ストーリーはもっとあるはずなので次のシリーズにも期待だ。物語の入りは「僕のヒーローアカデミア」や「暗殺教室」的な印象を受けると思うが、展開していくストーリーはダークでミステリーな感じなのでこの作品なりの個性を期待している方も満足できるアニメだ。
できるだけネタバレをしないで紹介したいので、アッサリとレビューに移ろうと思う。
※本記事は2021年1月4日時点での視聴をもとにした記事です。
第1話 「無能力」
第1話の長さは23分40秒(1420秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
起 (306秒)
0-15
孤島 人類の敵の殲滅 ロゴ 15秒
15-40
中島ナナオ 能力者の学園 25秒
40-1:30
炎の飯島モグオ 氷の郡セイヤ 無能のナナオ 50秒
1:30-2:00
人類の敵を倒すため能力者たちが集められた 30秒
2:00-2:50
謎の能力者 小野寺キョウヤ 50秒
2:50-3:30
心が読める 柊ナナ 空気は読めない 40秒
3:30-5:06
ナナオとモグオの心を読むナナ 人類の敵に詳しいナナオ 96秒
承 (416秒)
5:06-6:00
ナナオの分析をするナナ 学級のリーダーを決める 54秒
6:00-6:50
ナナオを推薦するナナ キョウヤの気づき 50秒
6:50-7:30
キョウヤの提案 モグオ、セイヤ、ナナオで対決 40秒
7:30-8:30
ナナオの過去 背負ったもの 60秒
8:30-9:00
戦わないというナナオ しつこいナナ 30秒
9:00-9:30
食事はタダ ナナオの疑問を読むナナ 30秒
9:30-10:00
ナナへの問いかけ 30秒
10:00-10:40
ナナの能力 40秒
10:40-12:02
岸壁 敵はもう来ているかも ナナのピンチ 82秒
ナナオにグイグイ迫るナナ。相当なところまで心が読める能力。学園の生徒はまだ人類の敵と遭遇したことがないのでナナオの知識は武器になるとナナは思ったのか。リーダーを決めることに意味を感じていないキョウヤ。もともと能力にコンプレックスがあったナナオにとってリーダーになることには特別な思いがあった。ナナにとって心が読める能力は孤独の原因となった。謎の力で突き落とされるナナ。何か探っているキョウヤとそれを咎めない先生。ナナオの能力とは。承では話の中心となるナナオとナナの内面の掘り下げと人類の敵の脅威が迫っている演出をしている。
転 (338秒)
12:02-12:28
間一髪 ナナを抱きしめるナナオ 26秒
12:28-13:00
推すナナ トラウマが垣間見えるナナオ 32秒
13:00-14:15
ナナに全て読まれるナナオ 「きもちわるい」 75秒
14:15-15:15
ナナオの闇 時計を届けるナナ 60秒
15:15-16:00
ナナオ抜きで殴り合い 結局は能力バトルに 45秒
16:00-16:30
セイヤの勝利 顛末を見据えるキョウヤ うじうじナナオ 30秒
16:30-17:00
モグオの暴走 ナナオの覚醒 30秒
17:00-17:40
ナナオの能力 リーダーはナナオに決まり 40秒
近づきかけたナナオとナナの距離は、ナナの能力によってまた離れてしまった。自分の器に自身が持てないナナオ。ナナのピンチに理屈抜きで助けに入るナナオ。ナナオの能力は無効にする能力。同級生の危機を救ったナナオは文句なしにリーダーに選ばれた。転ではナナオとナナの関係やリーダーバトルの行方が描かれる。一旦全てがダメになりかけてからの大団円。観ていて気持ちがいい。
結 (264秒 + 96秒)
17:40-19:30
触れると能力が無効 触れればナナに心を読まれない 110秒
19:30-19:45
心が触れ合う2人 15秒
19:45-20:00
突き落とすナナ 15秒
20:00-22:04
ナナの洞察力 本当の目的 124秒
22:04-23:34
オープニングテーマ 90秒
23:34-23:40
次回予告 6
力の強さだけがリーダーの条件ではない。名前で呼び合う距離感。触ることでナナの能力も無効にできる。さらに近づく2人の距離。ナナは観察だけで心を読んでいるように見せかけていた。人類の敵とは彼ら能力者のことであった。合掌をするナナ。結ではナナの本当の目的が能力者の殺害であることがわかる。大きなどんでん返しの後はグダグダ引っ張らずにサッと終わらせて次回以降への興味をかき立ててくれている。
感想
よくある能力覚醒ものと思いきや、まさかの主人公(と思わされた)キャラをヒロインが殺害するという衝撃の展開。前半から刷り込まれてきた情報が一気にひっくり返されて気持ちいいくらい騙される。ネタバラシの後は「お後がよろしいようで」と言わんばかりの引き際の良さは、本当によくできた小噺のようである。
第1話でこんなどんでん返しをしてしまっていいのかと思うが、第1話はこの物語が「能力者ではない柊ナナが能力者たちを殲滅していく話ですよ」という宣言のために作られているのでつかみとしては大成功だと思う。
第2話以降にナナがどうやって能力者たちを陥れていくのか?ナナに司令を出しているのは誰なのか?ずっと事の顛末を俯瞰して見ている小野寺キョウヤとは何者なのか?などなど、興味の尽きない謎だらけで続きが気になってしょうがなかった。
アニメは全13話で一旦は終了しているが、原作はまだ継続中ということだ。最終話までに全ての謎が解明されるわけではないが、ナナが能力者に抱く思いやキョウヤの秘密などは描かれているのである程度は納得できるだろう。作画も安定しており暗殺者と分かっていてもナナの猫かぶりは可愛いと思わされてしまう。
第1話では登場しない人物たちも魅力的で、彼らを相手に無能なナナがどうやって対抗していくのか毎回ハラハラして最終話まで楽しませてくれる。見終わるころには「第2期まだかよ!」と思っていることうけあいだ。敵との心理戦や騙し合いが好きな方や刑事コロンボや古畑任三郎のような犯人の気持ちになってハラハラするようなミステリーが好きな方にもオススメなので、ちょっとかわいらしいキャラデザは気になるかも知れないが視聴してみてほしい。アニメだろうが実写だろうが面白いものは面白い。
冒頭から不穏なメールの文章で始まる。たいした能力を持たないナナオは学園に馴染めない。分かりやすい炎と氷の能力との対比でナナオの能力が何なのかいろいろと想像させられる。初めて提示される人類の敵のヴィジュアル。なぞの転入生小野寺キョウヤと心が読める美少女キャラの柊ナナ。なぜナナオはリーダーに憧れるのか。ずっと観察をしているキョウヤは何者なのか。起では主要な人物の立ち位置をみせつつ、人類の敵とはどういう生物なのかなど物語の背景も説明している。