[アニメ レビュー] おはよう!スパンク 第1話 ついに上陸!! 珍犬センプウ

おはよう!スパンク

 2022年は「うる星やつら」がリメイクされ、昭和の雰囲気そのままに人気となっている。放映開始の1981年といえば、寺尾聰の「ルビーの指環」やイモ欽トリオの「ハイスクールララバイ」などがヒットし、聖子・マッチ・トシちゃんらが大活躍していた頃である。

「おはよう!スパンク」はそんな時代に人気だった作品だ。中学2年生の少女の愛ちゃんと、ダメ犬のスパンクのハートフルコメディといった感じのストーリーだ。当時はスパンクがどうしてもかわいく思えなかったが、いま見てみると非常にかわいい。私も大人になったということだろう。

「うる星やつら」を観ていたら、同時期の作品もいくつかレビューしてみようと思い立った。テレビっ子だった私は同時期の作品をかなり観ていたので、レビューを言い訳に少し小学生の頃に戻りたくなったのかもしれない。

「おはよう!スパンク」は、スパンクのデザインや愛ちゃんのファッションもとても80年代らしい空気感を持っている。思い出も含め、私にとってはなにもかもが懐かしい作品だ。

※本記事は2022年12月20日時点での視聴をもとにした記事です。


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第1話 ついに上陸!! 珍犬センプウ

 第1話の長さは24分26秒(1466秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です

<登場人物>

森村 愛子(もりむら あいこ)
中学2年生の元気な女の子。ママが仕事でフランスに行くことになり、愛犬パピーと伯父さんのお世話になる。
スパンク
海辺に住み着いているドジ犬。引っ越してきたばかりのパピーと仲良しになった。


第1話 ついに上陸!! 珍犬センプウ

 ママと離れて伯父さんの家にお世話になることになった愛ちゃんと愛犬パピー。お手伝いのお咲さんは犬が苦手みたいだけれど、伯父さんとはうまくやっていけそう。海の見えるお部屋を貸してもらえてテンションがアガる愛ちゃん。

 海へ出た愛ちゃんはヨットを見てパパを思い出す。10年前に行方不明になったパパは、まだ生きていると信じている愛ちゃん。一方、海岸で遊んでいたパピーは不思議な犬と出会った。変だけれど感情が豊かでとても面白い子、それがスパンクだった。

 新しい生活にはしゃぐ愛ちゃんとパピー。しかしパピーが交通事故にあうという不幸が待っていた。ショックで落ち込む愛ちゃん。パピーに会いに来たスパンクも、その死を知って悲しむのだった。

 まとわりつくスパンクを疎ましく思う愛ちゃんだったが、おじいさんの話を聞いてスパンクが自分と同じであることを知る。同じ想いで通じ合ったふたりはすぐに仲良くなった。さっそく押しかけてきたスパンクと暮らすことになった愛ちゃん。これからどんな騒々しい日常が待っているのだろうか。

 第1話の見どころ

  • ショッキングな展開
  • スパンクの声の演技力
  • 気持ちでつながる愛ちゃんとスパンク

背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。



起 (80秒 + 245秒)


0-1:20
OP:「おはよう!スパンク」井上望 80秒


1:20-1:50
乱暴な運転 30秒

1:50-2:40
ママと離れて 50秒

2:40-4:00
海の見えるお家へダイナミックお引越し 80秒

4:00-4:30
かしこまり過ぎちゃった 30秒

4:30-5:03
お咲さんは犬が苦手 33秒

5:03-5:25
海の見えるお部屋 22秒


 愛ちゃんがパピーと一緒に伯父さんの家に引っ越すパート。

承 (285秒)

5:25-5:50
海岸へ 25秒

5:50-6:40
ヨットを見てパパを思い出す 50秒

6:40-7:10
パパは行方不明 30秒

7:10-8:10
生きていると信じて 60秒

8:10-9:00
パピーをバカにするスパンク 50秒

9:00-9:40
すぐ仲良しになっちゃった 40秒

9:40-10:10
愛ちゃんひどい 30秒


 愛ちゃんのパパへの想いとスパンクとの出会いのパート。

転 (347秒)

10:10-10:45 
はしゃぐ愛ちゃんとパピー 35秒

10:45-11:10
来ちゃだめぇぇぇ 25秒

11:10-11:30
パピー…… 20秒

11:30-12:00
入らないほうがいい 30秒

12:00-12:50
誕生日プレゼントだった 50秒

12:50-13:40
いつも一緒だった 50秒

13:40-14:00
途方に暮れる愛ちゃん 20秒

14:00-14:30
散歩の時間に目が覚めてしまう 30秒

14:30-15:00
スパンクが会いに来た 30秒

15:00-15:20
信じてくれないスパンク 20秒

15:20-15:57
悲しむスパンク 37秒


 パピーが交通事故にあってしまうパート。

結 (422秒 + 87秒)

15:57-16:40
無神経な伯父さん 43秒

16:40-17:25
決まらないスパンク 45秒

17:25-18:00
愛ちゃんから離れないスパンク 35秒

18:00-19:00
スパンクも愛ちゃんと同じ 60秒

19:00-19:40
涙の味 40秒

19:40-20:20
愛ちゃんと一緒にいたい 40秒

20:20-21:25
ふたりの笑顔 65秒

21:25-22:00
スパンクは帰った 35秒

22:00-22:25
荷物とりに行ってた 25秒

22:25-22:59
ママへの手紙 34秒

22:59-23:28
次回予告 29秒


23:28-24:26
ED:「ダ行のスパンク」つかせのりこ 58秒


 スパンクと愛ちゃんが友達になるパート。



おはよう! スパンク 歌と音楽集

シーンリプレイ

9:00-9:40
すぐ仲良しになっちゃった 40秒

 動きと表情の演技。今だから分かる声のあて方の絶妙さ。スパンクがとてつもなくかわいい。


10:45-11:10
来ちゃだめぇぇぇ 25秒

 10分程度しか観てないキャラクターなのにいなくなるのがショック。パピーかわいいのに。


19:40-20:20
愛ちゃんと一緒にいたい 40秒

 犬と人の気持ちのやり取りをここまで単純化しても、完全に表現することに成功している。ちょっと驚いた。


感想

 海の見えるかわいいお家に住みたいという昭和の女の子の夢を見事にキャッチアップした世界観。フランスにいるママに画家の伯父さんにお手伝いさん。まだ外国に憧れていた頃の日本の名残りがそこかしこに残っている。

 物語のテンポは速く早々にパピーがいなくなってしまう。パパがいない愛ちゃんにとっては、あまりにも辛い展開である。スパンクと愛ちゃんを喪失感でつなげるだけなら、パピーはずっといても良かったように思う。徹底的に不幸を重ねるのも、昭和的といえばそうなんだけど。

 上り調子に満たされていった時代だったので、不幸をフィクションとして楽しめたのかも知れない。1983年には「おしん」が放映開始され、朝から不幸を楽しんで登校や出社していたのだ。すごい時代であったと思う。

 スパンクで印象的なのはスパンクの声である。ドジだけど優しくて人懐っこくて……というスパンクの魅力を、声の演技で見事に表現している。特徴的な声質は私達の世代にはおなじみだが、いま聴いても唯一無二のキャラクター性がある。

「いま観ても面白い」と言ってしまうのは月並みかもしれないが、続きを観たくなるのは本当で、長い時間が過ぎても心に残っている作品には何かがあるのだと思う。

 何と言ってもスパンクがかわいい。それを再発見できたのは収穫だった。