[アニメ レビュー] 黄金戦士ゴールドライタン 第1話 メカ次元の悪魔
黄金戦士ゴールドライタン
少年はメカに憧れる。私にもそんな時期があった。超合金だったりLSIのゲームやトランシーバー、ヤマトやロボダッチやガンダムのプラモにも夢中だった。その中でも欲しくて欲しくて仕方がなかったおもちゃのひとつがゴールドライタンだ。
ゴールドライタンの超合金は種類がたくさんあり、ライタン軍団を全部そろえたら人生が完成するくらいに幸せだろうとよく妄想したものだ。もちろんそんなもの買ってもらえる訳がないので、お菓子の箱で作ったりしたものだ。
「黄金戦士ゴールドライタン」は当時の私をワクワクさせる要素が満載のアニメだった。手のひらサイズのライターが変形するというアイデア。虹色の効果やワイヤーフレーム風の表現、シースルーの演出など。キャッチーなOPも大好きだった。
ライタン軍団はそれぞれ得意な分野があり、その特徴を活かして敵を倒す。私のお気に入りだったのはメカニックライタンで、仲間の修理とかメンテが得意なライタンだ。昔から縁の下の力持ち的な役割に憧れていたのだと今更ながら思う。
私が80年代に感じた未来感は今でも健在だろうか。超合金は買ってもらえなかったけれども、ゴールドライタンはずっと心に残っている作品だ。
※本記事は2022年12月26日時点での視聴をもとにした記事です。
第1話 メカ次元の悪魔
第1話の長さは22分39秒(1359秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
<登場人物>
- 大海 ヒロシ(たいかい ひろし)
- この作品の主人公。あだ名はヒロ。わんぱくでスポーツ万能の少年。
- ゴールドライタン
- チビが拾ってきたライター型のロボット。イバルダ大王を追って三次元にやってきた。
- オヒナ
- ヒロの妹。飼い犬のチビが大好き。
- チビ
- オヒナの飼い犬。オヒナが大好き。
メカ次元の悪魔
ヒロが持ち帰ったライターは自分で動き出す不思議なライターだった。海底火山の噴火によって海上に城を築いたイバルダ大王は、メカ次元を追われ地球へと逃げてきた。そしてこの人間世界を支配しようと企んでいた。不思議なライターはそれを阻止しようとしているようで、名前をゴールドライタンと名乗った。
人間に支配されている犬を洗脳し暴れさせようとするウヨッカー。チビも洗脳されてしまい、それを追いかけるオヒナ。洗脳と思い出の葛藤を乗り越えたチビは、なんとか正気を取り戻した。しかしすでに集められていた洗脳犬たちに囲まれてしまい、大ピンチにおちいるのだった。
オヒナを助けに来たヒロがバッタバッタと犬をなぎ倒す。しかし巨大メカに迫られ大ピンチのヒロ。そこへ現れたのは巨大化したゴールドライタンだった。空手のように素手で敵ロボをやっつけたゴールドライタン。彼らの戦いはまだ始まったばかりだ。
第1話の見どころ
- 鼻をしっかり描くタツノコ顔
- 昭和のネーミングセンス
- ライタンの変形シーン
※背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。
起 (79秒 + 230秒)
0-1:19
OP:「黄金戦士ゴールド・ライタン」宮内良 79秒
1:19-2:09
三次元の裏側のメカ次元 50秒
2:09-3:24
メカ次元の飛び散った一部が海底火山を噴火させた 75秒
3:24-4:09
わんぱくレンジャー 45秒
4:09-5:09
サボりのヒロ 60秒
メカ次元とキャラクター紹介のパート。
承 (370秒)
5:09-6:09
チビが拾ってきたぴかぴかのライター 60秒
6:09-6:29
その夜 20秒
6:29-7:09
ライターにドライバーを拒否される 40秒
7:09-7:39
迫りくるライター 30秒
7:39-8:59
ウヨッカー・サヨッカー・マンナッカー 80秒
8:59-9:39
メカ次元から落ち延びてきたイバルダ大王 40秒
9:39-9:59
敵ロボット登場 20秒
9:59-11:19
結構フランクなゴールドライタン 80秒
ゴールドライタンとヒロの出会いとイバルダ大王の野望のパート。
転 (250秒)
11:19-12:39
支配への反骨心に訴える 80秒
12:39-13:29
チビまでも 50秒
13:39-14:09
チビを見つけるオヒナ 40秒
14:09-15:19
洗脳に打ち勝つチビ 70秒
15:19-15:29
しかし、まわりこまれてしまった! 10秒
犬たちが洗脳されて街が大混乱してしまうパート。
結 (350秒 + 80秒)
15:29-16:04
ヒロにいちゃん!! 35秒
16:04-16:39
お前が戦うんかい 35秒
16:39-17:14
大ピンチ 35秒
17:14-18:49
かーわるんだ♪かわるんだ♪ 95秒
18:49-20:19
掴んで引きちぎる 90秒
20:19-21:19
チビも助けてくれてた 60秒
21:19-22:09
ED:「メカニカル・ダンシング・ファイト」TOMO 50秒
22:09-22:39
次回予告 30秒
ヒロとライタンの活躍でウヨッカーを撃退するパート。
シーンリプレイ
7:39-8:59
ウヨッカー・サヨッカー・マンナッカー 80秒
ネーミングセンスもすごいけど、この3人をまとめてるイバルダ大王さますごくない?
14:09-15:19
洗脳に打ち勝つチビ 70秒
チビの葛藤を分かりやすく描いている。洗脳に打ち勝てたのはオヒナとの絆ゆえ。
17:14-18:49
かーわるんだ♪かわるんだ♪ 95秒
構成:7 8 3 8 10 10 5 12 11 2 9 10
7秒
虹色の光線
8秒
キラキラ
3秒
なんか知らんけど跳ね返る
8秒
中が見えるのイイ
10秒
ぬおーん……って出てくる
10秒
スケール感とおしゃれ演出
5秒
開いて
12秒
両腕でて
11秒
両足でて
2秒
顔きたー
9秒
ゴールド ライターン
10秒
カッコいい!!
未来感が半端ない。虹色・ワイヤーフレーム・キラキラ・変形ギミック、すべてがカッコいい。
感想
昭和のあだ名やキャラ付け、そして何と言ってもタツノコプロの描く人物。鼻をしっかり描くスタイルが懐かしい。ストーリーのテンポの速さは当然だが、主人公・敵・物語の背景もきっちり伝えているところはさすがだ。
ヒーローであるロボットをライターに設定したのも絶妙だ。この当時はどこもかしこも喫煙OKで、大人の男のたしなみであった時代だ。メタリックなライターは当時の子供の憧れの対象のひとつであり、タバコに火をつけるしぐさは大人のカッコよさの表現としてありふれたものだった。
普段は手のひらサイズで可愛らしいのもライタンの魅力だ。当時は学校にお父さんのライターを内緒で持ち出した少年もいたのではないだろうか。自分だけのメカという特別感と所有欲をおおいに刺激される要素である。
そして私的一番の注目シーンである変形シーン。メカ次元へ行って帰ってくる意味不明さ。キラカードみたいな質感やワイヤーフレーム。とにかく全てがカッコいい。ビームやミサイルを使わず、敵の弱点をわしづかみして引き抜く脳筋さも新鮮だった。
イバルダ大王の軍勢もやることは昭和。巨大メカでガンガン破壊すればいいのに犬の洗脳から着手する、当時の戦隊モノや仮面ライダーの悪役の手法を採用。わざわざゆっくり侵略してくれて助かる。ウヨッカー・サヨッカー・マンナッカーというネーミングを聞いてしまっては、大人となった今は期待しか感じない。どんなプロパガンダ手法を使ってくるんだろう。
大好きだった「ゴールドライタン」が令和のいま観ても、当時のまま面白かったのは嬉しい。やっぱり面白いものは面白いのだ。
三次元の裏側にあるメカ次元では大変なことが起こっていた。その影響は三次元にも及び、海底火山を噴火させた。学習塾「油田ゼミナール」に通う少年ヒロは、塾をサボってオヒナとチビと遊んでいた。