[名作1クール レビュー] 涼宮ハルヒの憂鬱(第1期) 第14話 涼宮ハルヒの憂鬱 VI
各話レビューリスト
※本記事は2022年12月4日時点での視聴をもとにした記事です。
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第14話 涼宮ハルヒの憂鬱 VI
第14話の長さは23分40秒(1420秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
涼宮ハルヒの憂鬱 Ⅵ
ハルヒに振り回されながらも、そんな平凡な日常を気に入っているキョン。しかしハルヒはどうしても平凡が許せない。その日の夜、再び閉鎖空間が出現した。しかも今回はハルヒとふたりきりの世界。かろうじて閉鎖空間に現れることができた古泉によると、どうやらハルヒは世界を再生しようとしているようだ。
ハルヒは新しい世界にキョンとふたりで行きたいと思った。キョンは最後に古泉と長門のメッセージを頼りに、世界を救う手段を考える。しかし出現した神人に大興奮のハルヒは、ますます新世界への興味を膨らませていた。
キョンの説得にも耳を傾ける様子がないハルヒ。追い詰められたキョンはいろいろと自分に言い訳したあげく、ハルヒにキスをして目覚めさせた。次の日、登校したキョンは、ハルヒの髪型を見て世界が救われたことを確信する。そしてSOS団の騒がしい日常もまた続いてゆくのだった。
第14話の見どころ
- キョンの言い訳
- sleeping beauty
- 世界の続き
※背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。
起 (300秒)
0-1:00
なぜ俺なんだ 60秒
1:00-1:25
俺は知らん 25秒
1:25-2:20
あれは誤解だ 55秒
2:20-3:05
涼宮ハルヒの一味 45秒
3:05-3:35
試されるキョン 30秒
3:35-4:10
みくるコレクション 35秒
4:10-4:30
いちゃいちゃ 20秒
4:30-5:00
キョンに見られるのは恥ずかしい 30秒
鈍感なキョンと、不機嫌なハルヒのパート。
承 (345秒)
5:00-5:30
みくるの恐怖 30秒
5:30-6:30
平凡を望むキョンと平凡を嫌うハルヒ 60秒
6:30-6:50
ハサミをこっそり借りる妹 20秒
6:50-7:30
ハルヒに起こされるキョン 40秒
7:30-8:00
閉鎖空間でした 30秒
8:00-8:45
学校に閉じ込められた 45秒
8:45-9:10
気味が悪い 25秒
9:10-9:45
気丈に振る舞うハルヒ 35秒
9:45-10:45
世界の再生が始まる 60秒
閉鎖空間で目を覚ますキョンとハルヒのパート。
転 (285秒)
10:45-11:25
元の世界は消えるかも 40秒
11:25-12:00
ハルヒはキョンといたかった 35秒
12:00-12:40
アダムとイヴ 40秒
12:40-12:50
みくるの謝罪 10秒
12:50-13:00
消える古泉 10秒
13:00-13:30
さすが長門 30秒
13:30-14:00
ゼロをイチにする能力 30秒
14:00-14:30
sleeping beauty 30秒
14:30-15:30
神人に歓喜するハルヒ 60秒
今までの世界が崩壊の危機におちいるパート。
結 (590秒)
15:30-15:50
楽しむハルヒ 20秒
15:50-17:00
旧世界と新世界 70秒
17:00-17:20
キョンに問うハルヒ 20秒
17:20-17:40
答えるキョン 20秒
17:40-18:00
破壊に心を奪われるハルヒ 20秒
18:00-18:30
言い訳を重ねるキョン 30秒
18:30-19:00
スペクタクル・キス 30秒
19:00-19:30
夢だったのか 30秒
19:30-19:45
ポニーテール 15秒
19:45-20:25
似合ってるぞ 40秒
20:25-22:00
続いてゆく世界 95秒
22:00-22:16
余裕のハルヒ 16秒
22:16-23:40
その後の世界 84秒
王子様のキスで王女が目を覚まし、世界が救われるパート。
シーンリプレイ
4:10-4:30
いちゃいちゃ 20秒
6:30-6:50
ハサミをこっそり借りる妹 20秒
12:40-12:50
みくるの謝罪 10秒
なぜ唐突にハサミを借りるシーンが挟まれるのか。みくる=キョンの妹説は本当だった?!
14:00-14:30
sleeping beauty 30秒
これだけ考察がされている複雑な作品の背骨にあたる部分が、「眠れる森の美女」というシンプルな構造になっている所がいい。
18:00-18:30
言い訳を重ねるキョン 30秒
だらだらと言い訳することで、次のいきなりキスするシーンの衝撃度が増している。
感想
今いる世界と前の世界が同じであることのキーアイテムにポニーテールを持ってくる所が面白い。そのあとの「似合ってるぞ」というセリフで、ふたりが同じ夢の中にいたことがわかる。この時のハルヒがどんな顔をしているのか。視聴者に想像させる演出もいい感じだ。
こうして恋を知ったハルヒは普通の女子高生として、世界の楽しさを現実で感じながら生きてゆくのだ。眠れる森の美女は王子様のキスで目を覚まし、幸せになりましたとさ。めでたしめでたし。
SFファンタジーとしての魅力を維持しながら、世界の創造主という大胆な設定と思春期から大人へと成長する繊細な感情をリンクさせ、涼宮ハルヒという少女の魅力を描き出した傑作であった。
また、主人公のキョンとハルヒやSOS団以外のキャラクターも個性的で、しっかりと物語を盛り上げていた。登場回数の少ない鶴屋さんや朝倉の人気が高かったのも印象的だ。
その後のハルヒの様子は第11話と第12話でのとおりである。大人への一歩を踏み出し、他者へ目を向けるようになったハルヒはどんどん変わってゆく。そして自分が変わることで世界が輝き出すことに喜びを感じはじめる。自分の夢の世界に囚われていた王女さまは、まさに王子様のキスで目覚めたというわけだ。
2006年の放送から長い時間がたった今でも作品の魅力は衰えない。インターネット動画サイトによる拡散も手伝って、涼宮ハルヒは時代のヒロインとなった。それは本当にオタク文化の一般化の足がかりであり、間違いなく革命だったのだ。
最後に朝比奈みくる=キョンの妹説というのがある。ファンの間での都市伝説みたいなもので、当時はいろいろと議論されていた説だ。作品内で言及されているものでもないので、いろいろある作品の楽しみ方のひとつとして受け取るべきだろう。答えは存在しないのだから。
今回のみくるとキョンのいちゃいちゃに始まる閉鎖空間。このいちゃいちゃは、みくるがわざとハルヒに見せつけたものだった。その後のキョンの部屋のシーンで、妹がわざとハサミを黙って持ち出してキョンに注意される。いたずらを見せつけて、キョンにかまってもらうためだろう。
そして閉鎖空間の古泉から告げられた「ごめんなさい、わたしのせいです」というみくるの伝言。単にハルヒの心を乱したことへの謝罪とも受け取れるし、興味本位でハルヒにいちゃいちゃを見せつけた謝罪にも思える。
ハサミのシーンを入れる意味は何だろうか。妹には”そういうことをするクセ”があるということをわざわざ観せているわけだ。そのクセが出てしまって、ついハルヒの前で挑発的なことをしてしまったと考えると、やっぱりみくるはキョンの妹なのではないかと思ってしまう。
いやいや、もしかしたらみくる=キョンの妹説の存在を知っていたスタッフが、ついつい匂わせの演出をしてしまったのかもしれない。ハサミのシーンのいたずらはそっちの方にかかってる?ならみくるとキョンの妹はやっぱり別人なのか。
ハルヒに関しては当時から考察や議論が多く、それを眺めているだけでも楽しかった。覇権アニメとはまさにハルヒのようなムーブメントのことを言うのだろう。MAD動画による2次創作や踊ってみた・歌ってみたなど、ネット文化に与えた影響は計り知れない。
アニメは2期の放送があり、そちらでは原作通りの順番で各エピソードを楽しむことができる。さらに追加のエピソードでは3年前についても触れられているので、そちらもぜひ観てほしい。どちらかというと私は1期派で、ストーリーをストレートに追う原作順よりも、SOS団の空気感やキャラクターの魅力を引き出している1期のほうが”ハルヒの世界”らしく感じるからだ。
改めて見直すと当時は気が付かなかった点や伏線があり非常に楽しめた。複数回の視聴にも耐えうるクオリティの高さも、この作品の評価するべき点である。ネットの動画文化の黎明期にヒットしたのはたまたまかも知れないが、コンテンツとしての完成度の高さは制作にかかわった全ての人が良い仕事をしたからだ。この令和の時代にいたるまでハルヒがずっと愛されているのは偶然ではない。
今回ハルヒを初めて観て気に入った方は、映画の「涼宮ハルヒの消失」もおすすめである。長門がかわいいのでぜひ!!
宇宙人、未来人、異世界人と集められたなかで、なぜ普通の男子高校生の自分がSOS団に選ばれたのか。少し悩んだキョンだったが、忘れることにした。なぜかいつもよりトゲトゲしくキョンに突っかかてくるハルヒ。みくるとじゃれ合っている所を見られ、ハルヒはさらに不機嫌になるのであった。