[アニメ レビュー] パリピ孔明 第10話 DREAMER
パリピ孔明
「パリピ孔明」は漫画原作のアニメ作品で、病死した諸葛孔明が現代の日本に若返り転生し、渋谷で出会ったシンガーソングライター・月見英子の軍師として活躍する。
孔明は英子だけでなく、彼女がトップシンガーとして活躍するのに必要な人材も集めてゆく。ラッパーのKABE太人やDJのスティーブ・キドなど、英子だけでは絶対に揃えられないメンバーを納得させる手腕には驚かされる。
第10話では、サマーソニアへの出場権をかけてSNSで”10万いいね”を集めるための、英子とKABEの奮闘が描かれる。困難に立ち向かうふたりが、どういう答えを見つけたのかに注目だ。
なお三国志要素にはちゃんと説明が入るので、三国志を知らなくても楽しめる内容になっている。むしろココから原作に入門するのも全然ありだ。
※本記事は2022年6月18日時点での視聴をもとにした記事です。
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第10話 DREAMER
第10話の長さは23分40秒(1420秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
<登場人物>
- 諸葛孔明(しょかつこうめい)
- 三国時代から渋谷へ転生してきた天才軍師。英子の歌に感動し、軍師として英子を支えることにした。
- 月見 英子(つきみ えいこ)
- シンガーを目指す少女。実力や才能は申し分ないが、それを広くアピールする戦略には欠けていた。孔明に導かれて大きな舞台へと飛躍しつつある。
- KABE太人(かべたいじん)
- トラウマを抱える実力派のラッパー。自分のルーツを確かめることで自信を取り戻しつつある。
- 久遠 七海(くおん ななみ)
- 10万いいね企画最大のライバルAZALEA(アザリエ)のベースボーカル。ストリートライブを通じて英子と知り合った。英子にはAZALEAであることを打ち明けている。
第10話 DREAMER
それぞれの戦いへ向かうふたりにエールを送る孔明。一歩づつ確かに前進すると英子に対してスピードで圧倒するAZALEA。しかしそこにあるのはシステムであって個性ではなかった。そして、いいね企画のXデーがせまるなか、KABEは今まさに赤兎馬カンフーとの決着に挑もうとしていた。
吐き気をもよおすほど緊張するKABE。しかし彼はもう以前のKABEではない。堂々と戦い赤兎馬に認められる男になったのだ。そしてKABEの勝利を喜ぶ英子にもその時がやってきた。
最高のトラックを用意してくれたキドに答える英子の歌。その衝撃は孔明を劉備との出会いへといざなった。天下泰平を目指すふたりの君の姿は、時代は違えど同じDREAMERとして孔明の目には眩しく輝いてみえたのだった。
第10話の見どころ
- KABE太人vs赤兎馬カンフー
- 眩しい場所
- 名場面”三顧の礼”
※背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。
起 (300秒)
0-35
仁の人・劉備 35秒
35-55
悩める英子 20秒
55-1:30
悩める七海 35秒
1:30-1:40
民草のために 10秒
1:40-3:10
OP:「チキチキバンバン」QUEENDOM 90秒
チキチキバンバン
3:10-3:45
楽しかったあの場所 35秒
3:45-4:15
ただ言う通りに 30秒
4:15-4:55
自分が誰だか分かった 40秒
4:55-5:00
プリンジジイ 5秒
承 (310秒)
5:00-6:15
ご武運を 75秒
6:15-6:40
AZALEAは順風満帆? 25秒
6:40-7:10
合格っ! 30秒
7:10-7:30
曲の名前は 20秒
7:30-8:05
眩しすぎて見れない場所 35秒
8:05-8:40
悩める若い才能たち 35秒
8:40-9:40
音楽で売れるということ 60秒
9:40-10:10
キドさん待ち 30秒
転 (300秒)
10:10-10:30
あせるKABE 20秒
10:30-11:05
レペゼンする 35秒
11:05-11:30
来たな 25秒
11:30-11:55
ファーイト 25秒
11:55-12:50
強いけど楽しい 55秒
12:50-13:30
温かい赤兎馬のまなざし 40秒
13:30-14:00
お前の勝ちだ 30秒
14:00-14:30
クールに去るぜ 30秒
14:30-15:10
次は英子の番 40秒
結 (420秒 + 90秒)
15:10-15:35
あの場所に恥じない自分に 25秒
15:35-16:00
準備は万全 25秒
16:00-16:30
最高のトラック 30秒
16:30-17:00
キドの負け 30秒
17:00-17:30
孔明の戦術指南 30秒
17:30-18:00
全部込める 30秒
18:00-19:00
三顧の礼 60秒
19:00-19:30
戯れの唄 30秒
19:30-20:10
運命の出会い 40秒
20:10-20:30
もう一つの運命の出会い 20秒
20:30-20:55
現代の我が君 25秒
20:55-21:45
曲名は↓ 50秒
21:45-22:10
「DREAMER」に決定 25秒
22:10-23:40
ED:「気分上々↑↑」EIKO starring 96猫、諸葛孔明(CV:置鮎龍太郎)、KABE太人(CV:千葉翔也)、久遠七海 starring Lezel 90秒
気分上々↑↑
シーンリプレイ
4:15-4:55
自分が誰だか分かった 40秒
表現者として非常に重要な気づき。迷ったときはいつでも戻ってこれるようになる。
8:05-8:40
悩める若い才能たち 35秒
悩むということは進もうとしているということ。人生は悩んでいるうちが花なのだ。
12:50-13:30
温かい赤兎馬のまなざし 40秒
「そうだ、それでいいんだ」とでも言っているような表情。赤兎馬さんはこの瞬間を待っていたのだ。
感想
孔明にとって英子との出会いが、かつての劉備との出会いと重ねられ、英子が天下泰平の世を治めるにふさわしいシンガーであることが確信された。と、同時にKABEが赤兎馬カンフーに勝利し、その実力を確かなものにした。
孤高のラッパーとして君臨してきた赤兎馬さんを、スクールカーストの底辺から仲間を代表して成り上がったKABEが打ち破ったのだ。それは個の力から集団の絆の力へとバトンが渡されるという時代の変化を象徴している。
以前からその時代の変化を敏感に感じ取っていたであろう赤兎馬さんは、その代表たるKABE自身がそのことに気づいていない事をもどかしく思っていたに違いない。誰よりもKABEの実力を認め、新しい時代にバトンを渡したかったのは、誰あろう赤兎馬さんなのだ。
だからこそ、赤兎馬さんは観客の判定を待たずにKABEの手を取った。時代を引っ張ってゆく自信を得たKABEを、「今からこいつがリーダーだ」と観客に宣言してみせたのだ。赤兎馬さんにしてみれば、「やれやれだぜ」って感じだろう。
英子と七海の関係で重要な場所となったのは、ふたりが出会ったストリートライブの”あの場所”である。ふたりにとって”あの場所”は温かく輝いていみえた場所であった。しかしその見え方は対称的だ。七海にとっては眩しくて直視できない場所であり、英子にとっては夢への原動力になる場所なのだ。
舞台は整った。あとは孔明がこの状況をどう料理するのか。どんな戦術でAZALEAを打ち破るのか。楽しみである。
ちなみに「パリピ孔明」きっかけで横山版の三国志を集め始めた。長いけれども、やっぱり名作は色あせない。孔明が強すぎて笑える。興味があったけど未読という方は、この機会に読み始めてはどうだろうか。
共に悩みをかかえつつそれぞれの場所へ帰った英子と七海。次に会うときは敵同士だ。一方、英子のアドバイスを頼りに自分のルーツに触れてきたKABEは、自分らしさを再確認し”らしさ”を取り戻していた。そこへ英子へキドからの連絡が入った。