[アニメ レビュー] スパイ教室 第15話 MISSION 《忘我》Ⅲ
スパイ教室
過去の世界大戦が終わったあとの世界では、スパイたちの情報戦が世界の主戦場となった。共和国の最強のスパイ・クラウスはスパイ養成学校の落ちこぼれの少女たちを集め、不可能任務を専門とする「灯」というチームを創設した。
「灯」のメンバー8人の中からティア・モニカ・エルナ・アネットの4人が選抜メンバーとして選ばれた。しかしその4人は任務地で消息を断ってしまった。実は4人は任務地のモデロでアネットの生き別れの母親と自称するマティルダと出会っていたのだった。しかしアネットは記憶喪失だったのだ。
今回はアネットとマティルダを一緒に逃してやりたいティアと、スパイとして冷静な判断をするモニカの対立がテーマだ。選抜チームのリーダーを任されたティアの苦悩が丁寧に描かれている。
ただの美少女がかわいいスパイアニメではない。8人それぞれのキャラクターがしっかりと立っている見ごたえのある作品だ。
※本記事は2023年8月2日時点での視聴をもとにした記事です。
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第15話 MISSION 《忘我》Ⅲ
第15話の長さは23分40秒(1420秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
<登場人物>
- クラウス
- 最強のスパイで「灯」のボス。落ちこぼれ美少女たちを一人前のスパイに育てるため「灯」を創設した。教え方が直感的すぎて伝わらないのがたまに傷。
- リリィ
- コードネーム花園。ドジっ娘だが「灯」のリーダー。今回はクラウスに同行している。
- ティア
- コードネーム夢語。過去に誘拐されたことがあり、その時クラウスの同僚である「紅炉」に助けられたことがある。今回の選抜メンバーのリーダーをしている。
- モニカ
- コードネーム氷刃。ボクっ娘で優秀なスパイだが協調性がない。マティルダの件を上に報告するかどうかでティアともめる。
- エルナ
- コードネーム愚人。貴族出身のお嬢様。不幸を引き寄せる体質だが、逆に災難を察知する能力にも優れている。
- アネット
- コードネーム忘我。左目に眼帯をして自分を「俺様」と呼ぶ。工作が得意でいたずら好き。過去の記憶が失われている。
- マティルダ
- アネットの母を自称する帝国のスパイ。スパイを引退してアネットと暮らしたいと言っている。
MISSION 《忘我》Ⅲ
ガルガド帝国のスパイであることを告白するマティルダ。しかしアネットへの想いは本物だと主張する。判断に迷うティアはクラウスの言葉、そして尊敬する紅炉のことを思い返していた。
ティアは過去に紅炉から助けられ師事した。そのヒーローになるという思想を受け継いだティアが出した答えは、モニカとの決闘という意外なものだった。
スパイとして圧倒的な強さをほこるモニカに苦戦するティア。しかし自分の能力を活かし、なんとかモニカに了解を得ることができた。アネットとマティルダを逃亡させるため、独断の作戦を実行にうつす4人。その後ろでマティルダは不敵な笑みを浮かべるのだった。
第15話の見どころ
- 正論と人情
- ティアの選択
- モニカの秘密
※背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。
起 (285秒)
0-15
クラウスの状況把握 15秒
15-35
リリィ敗北 20秒
35-1:10
クラウスとバルト大尉 35秒
1:10-1:45
意外と優しいバルト大尉 35秒
1:45-2:00
アネットの関係者? 15秒
2:00-2:55
マティルダを巡る対立 55秒
2:55-3:15
クラウスなら 20秒
3:15-4:05
モニカの正論 50秒
4:05-4:45
もう一度会いたい 40秒
対立するモニカとティアのパート。
承 (315秒)
4:45-5:20
マティルダとの再会 35秒
5:20-5:45
単刀直入に 25秒
5:45-6:10
資金の運搬役 25秒
6:10-6:35
子連れはいいカモフラージュ 25秒
6:35-7:05
私の娘 30秒
7:05-7:35
救援要請は無視された 30秒
7:35-8:15
違いを楽しめ 40秒
8:15-8:30
囚われのティア 15秒
8:30-9:30
優しいお姉さん 60秒
9:30-10:00
心を読むテクニック 30秒
ますます悩むティアのパート。
転 (300秒)
10:00-10:20
心を読む能力 20秒
10:20-10:45
キレイな心 25秒
10:45-11:15
戦争を次の段階へ 30秒
11:15-11:30
スパイからヒーローへ 15秒
11:30-12:00
あなたなら 30秒
12:00-13:10
全部受け止めるから 70秒
13:10-13:30
なんとかする 20秒
13:30-14:00
決断をせまるモニカ 30秒
14:00-15:00
決闘という選択肢 60秒
ティアがモニカとの決闘を決断するパート。
結 (430秒 + 90秒)
15:00-15:20
男たちの欲望 20秒
15:20-15:40
あっさり撃沈 20秒
15:40-16:00
災厄のエルナ 工作のアネット 20秒
16:00-16:25
なぜ「灯」にいるのか 25秒
16:25-17:00
最強だから味方につけたい 35秒
17:00-17:40
自分らしい方法で 40秒
17:40-18:10
モニカの恋 30秒
18:10-18:45
守りたいもの 35秒
18:45-19:20
モニカが降参した 35秒
19:20-19:50
極上だ 30秒
19:50-20:20
「灯」の持つ甘さ 30秒
20:20-20:40
大喜びのアネット 20秒
20:40-21:00
エルナの条件 20秒
21:00-21:20
とっくに友達 20秒
21:20-22:00
独断の作戦 40秒
22:00-22:10
行方不明 10秒
22:10-23:40 ED:「ニューサンス」sajou no hana 90秒
モニカの協力をとりつけることができたパート。
シーンリプレイ
3:15-4:05
モニカの正論 50秒
どう考えてもモニカが正しい。ティアもそれが分かっているから悩んでいる。
11:15-11:30
スパイからヒーローへ 15秒
正しさや正義から平和は生まれない。実際に手を汚すスパイこそヒーローにふさわしいのかもしれない。
19:50-20:20
「灯」の持つ甘さ 30秒
それならば、逆に甘さを武器にすればよい。ぜひそれを証明してほしい、次回あたりに。
感想
マティルダの扱いを巡るティアとモニカの対立がテーマになった回であった。スパイとしてやるべきことを最優先に考えるモニカと、アネットとマティルダの気持ちを尊重したいティア。特にチームをまとめるティアにとっては難しい判断だった。
ティアが目指すものが単なるスパイではなくヒーローであるところが、彼女の甘いとモニカに批判される判断の原因だ。そして決断の指針となったのもヒーローへの想いだ。かつて自分を救ってくれた紅炉から受け継いだ大切な思想がヒーローなのだ。
今回はティアの人の心を読む能力で見事にモニカを屈服させた。しかしモニカはティアだけでなく「灯」というチームが持つその人情的な甘さが、いつか「灯」の首を絞めると危惧する。それをどう乗り越えるのか。今後の見どころである。
本作品は8人の美少女を中心とするスパイものだ。そのひとりひとりが個性的で美しく可愛らしく描写される。あまりにアニメ的なキャラクター性なので最初はちょっと拒否反応が出る方もいるだろう。しかし彼女たちの活躍を観ているうちにそんなものは吹き飛んでしまうだろう。
個人的には第1話から観るのではなく、第8話あたりから入るのもいいのではないか。ストーリー的な面白さを体験してから個々のキャラクターのエピソードを観たほうがいいのではないかと思う。最初のほうのノリについていけなかった方には特にオススメだ。
陸軍情報部の情報によるとアネットに似た人物が事件の関係者として浮上した。その2日前、別行動をしていたティアたちは、アネットの母親を自称するマティルダを巡って対立していた。