[アニメ レビュー] 体操ザムライ 第八話 「特訓ザムライ」
体操だけじゃない成長物語
体操ザムライは体操の元日本代表・荒垣丈太郎の再起の物語だ。舞台は2002年-2003年の日本。城太郎は29歳。本人はまだまだ現役を続けるつもりだが、怪我で思うように演技ができないにもかかわらずコーチの意見も聞かずにオーバートレーニングをしてしまう。
やがて城太郎は引退を迫られることになるが、娘の玲にはなかなか言い出せない。なんとか言い出すキッカケをつかもうと日光江戸村へ親子で旅行にいくが、そこで出会った忍者のおかげで言いそびれたうえに家までついてきて一緒に住むことになる。
玲に言い出せないままついにきた引退会見の当日、城太郎は「引退しま…せぬ!」と現役続行を宣言する。
全11話中で体操競技のシーンは前半のNHK杯と後半の全日本体操競技選手権大会で楽しめる。動きのあるシーンだけ観たいという方は大会のところだけ観るのもアリだと思う。
体操シーン以外でのこのアニメの見どころはキャラクターの成長である。全11話のなかで城太郎の成長、玲の成長、レオナルドの成長、と3人の成長が絡み合いそれぞれが影響しあって解決してゆく。少し駆け足な印象はあったが最後まで楽しく視聴できた。体操に興味が無くても十分に楽しめると思う。
第八話は城太郎の娘・玲が人生の目標を見つける回である。これまでの回で学校でのイジメや自分を抑え過ぎてきたことが解決されてきた玲だが、心の余裕ができ自分の将来に目を向けたときどんな夢を描くのだろうか。
※本記事は2020年12月27日時点での視聴をもとにした記事です。
第八話 「特訓ザムライ」
第八話の長さは22分52秒(1372秒)。独断で起承転結の4っつに分割している。
<登場人物>
荒垣 城太郎(あらがき じょうたろう)
主人公。女優の知世との間に娘・玲がいる。知世はすでに他界している。家では玲と母・マリとペットのBB(ビックバード)のほかにレオナルドと暮らしている。
荒垣 玲(あらがき れい)
城太郎と知世の娘。荒垣家の家事をすべてこなしている小学4年生。
天草 紀之(あまくさ のりゆき)
城太郎の体操コーチ。一度は城太郎を見放したが今は城太郎の再起を信じてコーチを引き受けてくれている。
レオナルド
日光江戸村から付いてきた忍者。荒垣家に居候中。
キティ・チャン
中国の体操選手。日中合同合宿のときに玲と仲良くなった。女優・荒垣知世の大ファン。
起 (164秒 + 178秒)
0-1:14
キティ・チャンからのメール 遊びに来る 74秒
1:14-2:44
オープニングテーマ 90秒
2:44-3:10
新技の開発中 26秒
3:10-3:50
現実的妥協点のアドバイス 天草さん有能 40秒
3:50-4:40
練習させ過ぎない レオも力になりたい 50秒
4:40-5:20
まずはイメージが必要 レオのアイデア 40秒
5:20-5:42
レオにはイメージがある 22秒
0から はしゃいでる玲ちゃんかわいい BBに信用されてないレオ
1:14から お話の舞台は2003年前後 その頃のヒット曲
2:44から 「アラガキ」の名前が付く技は2つめ
3:10から 客観的な意見を言ってくれる人は貴重
3:50から 城太郎の復活に力を貸したい理由はいかに
4:40から なんでも一足飛びではできない
5:20から もうすっかりクラブの一員のレオ
承 (463秒)
5:42-6:20
月夜のバレエ 美しい動き 38秒
6:20-6:52
何かを察する城太郎 32秒
6:52-7:24
共に戦う戦士たち 32秒
7:24-8:05
できる女キティ 準備万端 41秒
8:05-9:00
これがセレブのショッピング 55秒
9:00-9:20
玲ちゃんかわいいよ! 20秒
9:20-9:40
気づかせてくれる人 20秒
9:40-10:27
楽しい一日 47秒
10:27-10:56
街で好きな子を見かける 29秒
10:56-12:06
なるほど分からん ぐっぽん 70秒
12:06-13:25
池袋は魔境か戦場か 楽しそうな玲を見て安心するマリ 79秒
5:42から 城太郎には動きで分かる レオは只者ではない
6:20から 本当はバレエに戻りたいと思ってる
6:52から 昔は修行とか訓練はガッツリ描いてたもんだけど今は流行らない
7:24から しっかり結果を出す 自信に満ち溢れるキティ
8:05から 手当り次第に試着 よくあるシーン
9:00から デジカメで撮ってる
9:20から 何気ないけど重要な一言
9:40から どれだけお金使ったんだ プリクラが古い
10:27から 絶対無理 おかんには分からん
10:56から 天才の説明 理解できるのも才能
12:06から あゆもキティもワールドクラス おばあちゃんの目線
転 (275秒)
13:25-14:10
チャンちゃん 忍者はあやしい 45秒
14:10-14:40
さすが世界のキティ レオついに気付かれる 30秒
14:40-15:10
ロイヤルの至宝 キティは知世のファン 30秒
15:10-15:39
玲にとってもレオにとっても大切な時間 29秒
15:39-16:03
好きなものは一つじゃない 24秒
16:03-16:50
なんでもやってみたい 世界という言葉の意味 47秒
16:50-17:30
自分の部屋にあるもの 大好きなもの 40秒
17:30-18:00
映画ごっこ 30
13:25から すぐに服を褒める できる男レオ
14:10から 城太郎がBBをなでている ロイヤルの至宝は気付かれるさすがに
14:40から 玲ちゃんも女優と体操選手のサラブレッド
15:10から 楽しい理由は?
15:39から 万能感は若さの特権だと思う
16:50から 部屋を見て気づく自分の夢
17:30から レオとの映画ごっこ なりきる楽しさ
結 (187秒 + 105秒)
18:00-18:26
楽しい日々 母のポスターを見つめる玲 26秒
18:26-19:24
忍道とは 母が語りかける覚悟 58秒
19:24-19:45
キティとの別れ 21秒
19:45-20:40
言葉に出した自分の夢 55秒
20:40-21:07
痛いところをつかれたレオ 27秒
22:37-22:52
回った?! 15秒
21:07-22:37
エンディングテーマ 90秒
18:00から 心に引っかかったもの
18:26から 覚悟をしろとせまる母
19:24から 勇気を出せ
19:45から やりたいこといっぱいあって羨ましい
20:40から そろそろ立ち上がろうやレオ
21:07から おしゃれな曲とアニメ
22:37から 初めてできた瞬間の気持ち 逆上がりや自転車でも体験できる
本当にやりたいこと
自分のやりたいことに正直なキティに考えさせられた玲はついに女優になりたいと宣言する。自分の部屋を見回すシーンでは私もハッとさせられた。よく考えれば嫌いなものや興味のないものなんて自分の部屋にあるわけないのだ。強制的に勉強をしなくてはならない学生でないならなおさらである。
CGのアイドルが量産されたり、ゲームプレイを配信したり、そういうことで食べていける時代が来るなんて思ってもみなかった。おっさんでも声変えて美少女のCG着せればワンチャン狙える。やりたいことをなんでもやってみるって、素人でもかなり自由に好きなことを始められる現代にこそ大切なことだと思う。
劇中で登場する小物や歌などの文化は2002年当時を再現していて面白いし、全体を通しての挫折→復活の物語も観ていて気持ちがいい。大会の競技シーンはすごく動いて楽しいので、予定通りにオリンピックが開催されていればもっと注目度が上がったかも知れない作品だった。
城太郎の新技の完成や全日本体操競技選手権大会での活躍が気になる方や玲にまつわるこれまでの騒動が気になる方は、ぜひ第一話から観ていただきたい。最終話ではレオナルドのその後も分かるのでモヤモヤしないで済みますよ。