[アニメ レビュー] やくならマグカップも 第2話 「陶芸部はとーげんきょう」
やくならマグカップも
「やくならマグカップも」は多治見市の町おこしプロジェクトの一環として発行されているフリーコミックのアニメ化作品である。公式ページではフリーコミックのバックナンバーやフリー素材なんかも配布しているので、気になる方は見てみると楽しいと思う。
本作は前半アニメ後半実写という特殊な構成で放映されている。実写パートは主要キャストの声優4人が多治見のグルメやスポットを紹介したり陶芸したりと多治見の魅力を体験レポートするものとなっている。
借り物のコンテンツではなくイチから創り上げてきただけあって、この作品はアニメパートも実写パートも真面目に作られている。映像には多治見の一般の方が登場するし、レポートする声優4人も本当に楽しそうだ。みんなが本気で「多治見」の魅力を発信しようとしている。
作品中では多治見だけでなく陶芸という文化そのものへの想いが感じられ、観ているこちらも陶芸への興味が刺激される。だれしも人生で一回は陶芸をやってみたいなと思う瞬間があるものだが、この作品がそのきっかけになる可能性は大だ。
今回はアニメパートも実写パートもレビューしてみた。主人公の4人はVTuberとして観光案内もしているので、気になる方はこちらも観てみるといいだろう。
※本記事は2021年5月9日時点での視聴をもとにした記事です。
第2話 「陶芸部はとーげんきょう」
第2話の長さは23分40秒(1420秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
<登場人物>
豊川 姫乃(とよかわ ひめの)
本作品の主人公。織部学園の高校1年生。父親の刻四郎と多治見にある母の実家に引っ越してきた。ピンクのストレートボブ。
久々梨 三華(くくり みか)
織部学園の高校1年生で姫乃のクラスメイト。自由な発想で独特なセンスを持っている。金髪ロングのポニーテール。
成瀬 直子(なるせ なおこ)
織部学園の高校1年生で姫乃と三華とはクラスが違う。陶芸部の部員でもないが陶芸部によく遊びに来る。茶髪のショート。
青木 十子(あおき とおこ)
織部学園の高校2年生で陶芸部の部長。三華とは幼馴染。青髪のストレートロング。
豊川 刻四郎(とよかわ ときしろう)
姫乃の父親。亡き妻の実家を頼って”カフェときしろう”を開業した。
土岐川 幸恵(ときがわ さちえ)
姫乃の祖母。”カフェときしろう”のオーナー。
小泉 真美(こいずみ まみ)
織部学園の教師で陶芸部の顧問。緑髪のショート。
※背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。
起 (197秒)
0-17
多治見に来て半年 17秒
17-42
先輩すごすぎ プレッシャー 25秒
42-1:14
意味不明 レスキュー部 32秒
1:14-2:44
オープニングテーマ 90秒
2:44-3:17
好きなものと言われても 33秒
承 (103秒)
3:17-3:44
きっと大丈夫 そそっかしい 27秒
3:44-4:00
セーフ…かな 16秒
4:00-4:13
やっぱり駄目だったかも 13秒
4:13-4:45
切り高台 焼き物の奥深さ 32秒
4:45-5:00
美濃焼じゃない 15秒
家族のあたたかい眼差しを感じる。高台ひとつをとってもいろいろ。承では、湯呑を落としたことをきっかけに焼き物のレクチャーが始まる。
転 (300秒)
5:00-5:24 日本チャチャチャ 24秒
5:24-5:55 東濃地方 日本の陶器の半分を生産 31秒
5:55-6:05 なにがはじまるんです? 10秒
6:05-6:44
まじかる陶芸産地 39秒
6:44-7:20 たぬきとトイレ 36秒
7:20-7:30 富士アイス 10秒
7:30-8:06 電柱の碍子も陶器 36秒
8:06-8:44 まちなかの陶器 38秒
8:44-9:30 いろいろな陶芸 46秒
9:30-10:00 落ちた 30秒
普段から使っているけど焼き物のこと何も知らない。転では、陶芸に関するあれやこれやを教えてくれる。
結 (190秒)
10:00-10:23 まさかの「じまんやき」 23秒
10:23-10:45 6時の音楽 22秒
10:45-11:10 幼馴染の空気 25秒
11:10-11:40
コーヒーチケット 30秒
11:40-11:55 ばあちゃんカッコいい 15秒
11:55-12:30 気楽でいいんだ 35秒
12:30-13:10 多治見で若貴兄弟 40秒
アイス屋なのにお焼き。音楽が鳴る地域。結では、陶芸の自由な発想を姫乃が理解し、陶芸に対して感じていた壁が少し壊れる。
実写 「やくならマグカップも-やくもの放課後-」
起 (114秒)
13:10-13:55
オープニングテーマ ダイジェスト 45秒
13:55-14:14
ヴォイス工房さん 19秒
14:14-15:04
先生のお手本 50秒
まずはお世話になるお店と先生のお手本
承 (232秒)
15:04-15:45 それぞれの陶芸体験 41秒
15:45-16:50 正解は自分の中に 65秒
16:50-17:10 カベを作っていく 20秒
17:10-17:49 調子に乗るから 39秒
17:49-18:26
りんご… 37秒
18:26-18:56 体力と精神 30秒
みんなで陶芸体験。その難しさや面白さをレポート。
転 (103秒)
18:56-19:20
できあがり 24秒
19:20-20:39
コンセプト 感想 79秒
それぞれのこだわりを詰め込んだ作品が完成。焼き上がりを待つ。
結 (91秒 + 90秒)
20:39-20:50
1ヶ月後 11秒
20:50-21:20
きれいにできてる 30秒
21:20-21:55
満足 35秒
21:55-22:10
次回の放課後は 15秒
22:10-23:25
エンディングテーマ 75秒
23:25-23:40
次回予告 15秒
思った以上に素晴らしい作品群。自分も作ってみたいなと思わされた。
シーンリプレイ
6:05-6:44
まじかる陶芸産地 39秒
これは推し焼きができそう。焼き物にハマる人がいるのもうなずける。
11:10-11:40
コーヒーチケット 30秒
これはお店とお客の間に信頼関係がないと成立しない。
17:49-18:26
りんご… 37秒
きっと俺の心が汚れているんだ
20:50-21:20
きれいにできてる 30秒
色合いや形が個性的でどれも素晴らしいデキ。
感想
作品としては超絶作画があるわけでもなく、よくあるほのぼの日常系な作りである。アニメのキャラクターがVtuberとしてYou Tubeチャンネルを開設していたり、実写パートがあったりと、攻めの姿勢で広報しているのは面白い。
このアニメに限らず、町おこし系のコンテンツは変に流行に乗らない方が面白いし、観てるこっちだって割と真面目に観てるので説明・紹介パートを楽しく観れるように作ってもらえるとありがたい。
その点において「やくならマグカップも」は町おこしアニメとして成功していると思う。アニメパートの”転”の部分はまさにそういうパートだ。
ストーリーもただ女の子がキャッキャウフフしているだけではなく、きちんと姫乃の成長を描いていくようなので、その部分もおおいに期待して注目している。大ヒットではなく、息の長いコンテンツとして成長してほしいと思わされるアニメだ。
周りと自分を比べると見誤る。好きなものは近すぎて見えにくいこともある。起では、ようやく多治見になじんできた姫乃の気おくれが描かれる。