[アニメ レビュー] 赤い光弾ジリオン 第1話 「コードネームはJJ」
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赤い光弾ジリオン
TVの特別番組などのアニメ名作紹介などでは見かけることはないと思うが、「赤い光弾ジリオン」といえば中高生男子にはそこそこ人気のあったタイトルだったと思う。放映当時はヒロインのアップルに夢中になったおじさんも多いはずだ。
物語の舞台も西暦2387年の植民惑星だったり、主人公が特殊部隊の所属だったりとちょっと背伸びした設定で、タイトルにもなっている光線銃の”ジリオン”は人気だった。同級生が誕生日に買ってもらっているのがうらやましかった思い出がある。
私が特に好きだったのはジリオンの発射音とアイキャッチの「ジ・リ・オ・ン」という合成音声のようなジングル。SF感と未来感があって作品にとてもマッチしていた。OP・EDも透明感のあるシティポップ風で、この作品のイメージにぴったりな名曲である。
作画もかなり優秀で見ごたえたっぷり。ジャパニメーションの真骨頂が楽しめる。「君はジリオン戦士になれるか、セーガー」
※本記事は2024年3月17日時点での視聴をもとにした記事です。
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第1話 「コードネームはJJ」
第1話の長さは24分28秒(1468秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
<登場人物>
- JJ(じぇいじぇい)
- スポーツ万能で熱血。せっかちで無鉄砲という昭和っぽい主人公。
- チャンプ
- 冷静で洞察力をもつ凄腕スナイパー。JJとは正反対なクールなイメージだが、三枚目な表情をしたりギャグっぽい一面もあるキャラクター。
- アップル
- 武器や格闘もこなすオールラウンダー。強さと優しさを兼ね備えたヒロイン。
第1話 「コードネームはJJ」
<ストーリーの流れ>
⇩
攻撃を受ける現場に集まる主人公たち
⇩
ノーザ軍に追い詰められるアディとJJ
⇩
ホワイトナッツの大活躍
※背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。
起 (95秒 + 265秒)
宇宙を支配しようとするノーザ星人の侵略を受ける惑星マリス。遅刻しそうな少年、優秀な射撃成績の少女、やる気のなさそうなお兄さん。物語の舞台と主人公たちの紹介パート。キャラクターの名前どうこうよりも、その個性を描いて印象づけようとしている。それぞれの特徴も三者三様でスッと頭に入ってくる。
0-1:35
OP:「ピュアストーン」結城梨沙 95秒
1:35-2:00
惑星マリスには多くの人類が平和に暮らしていた 25秒
2:00-2:15
マリスはノーザ星人の侵略を受けた 15秒
2:15-2:30
ジリオンが人類にもたらされた 15秒
2:30-3:25
遅刻しそうな少年 55秒
3:25-3:50
脅威の命中率を叩き出す少女 25秒
3:50-4:15
文句の多いお兄さん 25秒
4:15-5:00
ラニア宇宙基地のロケット発射 45秒
5:00-6:00
破壊されるロケットと基地 60秒
承 (325秒)
ラニア宇宙基地がノーザ軍の攻撃によって破壊される。ノーザ星人の狙いはデータチップだ。遅刻のJJがいる場所へチャンプとアップルが出動し、はからずも”ホワイトナッツ”が集合という展開。ロケットの破壊シーンやノーザ星人との戦闘シーン、チャンプとアップルが通路を走るシーンなど、当時のアニメーションのおいしいところが楽しめる。
6:00-6:45
至急、ホワイトナッツ出動 45秒
6:45-7:30
データチップを狙うノーザ星人 45秒
7:30-8:00
少女のピンチに間一髪で助けに入る自転車の少年 30秒!
8:00-8:30
何回撃っても立ち上がるしぶといノーザ星人 30秒
8:30-9:00
少女の一撃に助けられる少年 30秒
9:00-9:27
少年の名はJJ 27秒
9:27-9:50
データチップをノーザ軍より先に回収せよ 23秒
9:50-10:45
ホワイトナッツだけに許された銃”ジリオン” 55秒
10:45-11:25
ついに始動するホワイトナッツ 40秒
転 (395秒)
いつJJとチャンプとアップルのふたりが合流するのかワクワクするパートだ。チャンプとアップルの出動。アディとJJの逃走劇。ノーザ軍の攻撃による爆発。そのすべてが超絶作画で描かれる。
11:25-12:30
無慈悲に侵攻するノーザ軍 65秒
12:30-13:30
アディとJJの逃走劇 60秒
13:30-14:30
逃げる場所がなくなったふたり 60秒
14:30-15:00
センサーの切り替わる瞬間を利用する 30秒
15:00-15:45
目的はデータチップ 45秒
15:45-16:15
現地入りするチャンプとアップル 30秒
16:15-16:55
再び始まる逃走劇 40秒
16:55-18:00
今度こそ絶体絶命のアディとJJ 65秒
結 (290秒 + 98秒)
ギリギリのところでチャンプとアップルに助けられるアディとJJ。その後の3人の連携は見ごたえあり。最後のJJのこじゃれたセリフも、いかにも80年代な演出である。全編にわたってセルアニメの魅力が楽しめる第1話になっている。
18:00-18:30
駆けつけたチャンプとアップル 30秒
18:30-19:00
チャンプのジリオンを手に取るJJ 30秒
19:00-19:30
すさまじいジリオンの威力 30秒
19:30-20:00
ついに揃ったホワイトナッツ 30秒
20:00-21:30
めてとは思えない3人の連携 90秒
21:30-22:00
倒れたJJに駆け寄るみんな 30秒
22:00-22:50
今夜7時、本部のカフェでね 50秒
22:50-23:57
ED:「Push!」結城梨沙 67秒
23:57-24:28
次回予告 31秒
シーンリプレイ
10:45-11:25
ついに始動するホワイトナッツ 40秒
特撮文化の集大成のようなシーン。今ではあまり見かけない。
16:55-18:00
今度こそ絶体絶命のアディとJJ 65秒
しゃれたセリフとトラックをぶん回す作画。当時のアニメが目指すところは洋画クオリティだったのだろう。
20:00-21:30
めてとは思えない3人の連携 90秒
こんなのみせられたら来週も観ちゃう。それぞれが瞬時に自分がやるべきことを見つけて実行。結果、それが連携となる。どこかで耳にした”チームワーク”というやつである。
感想
何から何までレベルが高く制作者の気合がうかがえる。今聴いても新鮮に聴こえるジリオンの発射音もその一端といえるだろう。ビームと弾丸を融合させたようなその音は、まさにこの作品の持つ神秘と未来感を象徴する音だった。
各キャラクターの性格やノーザ星人の不気味さもしっかり描けており、これからどんな物語が展開されてゆくのか楽しみになる。破壊的な威力を持ったジリオンが人類が創り出したものではなく、超文明よりもたらされたというのもミステリアスでよい。
JJ、チャンプ、アップル、それぞれに魅力があり個性もバラバラだが、ホワイトナッツとして初めての戦闘で絶妙の連携をみせるところはテンションがあがる。作画の良さも相まってとんでもなく熱いシーンとなっている。
当時の少年たちを虜にしたアップルの活躍は少なめだったが、最後のシーンだけでも彼女の魅力は伝わるだろう。JJがあんなことをしたのに殴ったりしなかった。戦闘もアクションもバリバリこなせるのに、見かけも中身も母性が強いなんて人気が出て当然だ。
よくアニメは80年代から90年代が最高だったと言われるが、この作品を観るとそれもうなずける話だ。セルアニメの動きには何か人をワクワクさせるものがある。
ノーザ星人の侵略を受ける惑星マリス