[アニメ レビュー] 薔薇王の葬列 #3 I Am the Shadow, the Darkness Behind the Light
薔薇王の葬列
「薔薇王の葬列」は、シェイクスピアの「ヘンリー六世」と「リチャード三世の悲劇」を原案とした漫画、そのアニメ化作品である。
主人公リチャードの属するヨーク家とヘンリー六世のランカスター家の王位の争いというのが本題である。そこに絡むキャラクターたちの思惑が重なって、壮大な物語となっていくようである。
この#3では、キャラクターの相関など物語の舞台が整い、いよいよ本格的にストーリーが動きますよというお知らせの回である。
これから面白くなってゆく予感はするのだが、登場人物が多いうえにこれまでの説明が駆け足ぎみだったので状況が把握しづらいかもしれない。
今回は私なりに人物の相関や状況について整理してみた。うまく伝えられれば、このアニメの面白さも分かってもらえると思う。
※本記事は2022年1月29日時点での視聴をもとにした記事です。
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#3 I Am the Shadow, the Darkness Behind the Light
#3の長さは24分00秒(1440秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
- ヨーク家とランカスター家
- この2つの家が王位を巡って争っている。#3のスタート時点ではランカスター家が優勢で、ヨーク家が反旗をひるがえしたが状況はかんばしくないといった感じだ。
- ヨーク家
- 長男・エドワード。次男・ジョージ。三男・リチャード。リチャードが本作の主役。名前の同じヨーク公リチャードは三兄弟の父親。冒頭でリチャードがキスしている生首の人が父リチャード。三兄弟の母親のセシリーは末っ子のリチャードを悪魔の子として嫌っている。それはリチャードが両性を持って産まれたからである。
- ランカスター家
- 争いを好まない王・ヘンリー六世とその妻マーガレット。冒頭の戦闘で指揮をとっているのがマーガレット。この二人にはエドワードという息子がいる。ヨーク家の長男とは別人なので混乱注意。ヘンリー六世は以前に出会ったリチャードに惹かれている。
- ウォリック
- ヨーク家長男・エドワードの側近。アンとイザベルという娘がいる。これから活躍しそうなキャラクター。
- ケイツビー
- ヨーク家三男・リチャードの世話係。リチャードが両性を持って産まれたことを知る数少ない人物。
#3 I Am the Shadow, the Darkness Behind the Light
戦の混乱の中をさまようリチャード。絶望と危機のリチャードを救ったのはケイツビーだった。ヨーク公の希望としての役割を思い出し、なんとしても生き延びる覚悟を決めたリチャードだった。
まさにこの世の春を謳歌するヨーク家。すべては思い通りに進もうとしていた。そこへ夫の領地を返してほしいと陳情してきた美貌の未亡人があらわれ、不穏な空気を残していった。
ジョージとリチャードを引き連れ狩りへと赴いたエドワード。その目的はエリザベスとの逢瀬であった。すっかりエリザベスに夢中のエドワードは、彼女を妃として迎えることに決めた。しかしそれはエリザベスのヨーク家に対する復讐の始まりであった。一方で敗戦によって自由を得たヘンリー六世は、ある人を探し歩いていた。
#3の見どころ
- リチャードの心の闇
- エドワードの慢心していく様子
- エリザベスの復讐にかける執念
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※背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。
起 (360秒)
0-20
ロゴ 20秒
20-50
ヨーク公リチャードの戦死 30秒
50-1:30
ランカスター家vsヨーク家 40秒
1:30-1:55
お父様にキスをする怒りのリチャードの図 25秒
1:55-2:19
人はそれを薔薇戦争と呼ぶ 24秒
2:19-3:49
OP「我、薔薇に淫す」古川 慎 90秒
TVアニメ『薔薇王の葬列』OPテーマ 「我、薔薇に淫す」【アニメ盤】
3:49-4:29
エドワードのウォリックへの信頼 40秒
4:29-5:30
リチャードの絶望 開戦 61秒
5:30-6:00
兆し 30秒
承 (280秒)
6:00-6:20
血に飢えたリチャード 20秒
6:20-6:45
ヨーク家の援軍 25秒
6:45-7:15
失った光 30秒
7:15-8:00
血で染めれば 45秒
8:00-8:45
もう暗闇じゃない 45秒
8:45-9:40
生き延びなければ 55秒
9:40-10:40
影として歩いてゆく 60秒
転 (320秒)
10:40-11:15
ケイツビーがいないから 35秒
11:15-11:50
三兄弟の評判 35秒
11:50-12:50
選びなさい 60秒
12:50-14:00
リチャードとアン 70秒
14:00-14:50
全てはウォリックの意思に 50秒
14:50-15:30
エリザベス登場 40秒
15:30-16:00
波乱の予感 30秒
結 (380秒 + 100秒)
16:00-16:50
男でも女でもある 50秒
16:50-17:30
怒れるマーガレット 歓喜のヘンリー六世 40秒
17:30-18:30
3つの太陽 狩りの目的 60秒
18:30-19:30
エリザベスとの逢瀬 60秒
19:30-20:15
エドワードはもう夢中 45秒
20:15-20:30
嫌悪 15秒
20:30-20:50
王妃誕生 20秒
20:50-21:20
エリザベスの復讐 30秒
21:20-22:00
王の光を守る影 40秒
22:00-22:20
ヘンリー六世の人探し 20秒
22:20-23:50
ED:「悪夢」ZAQ 90秒
TVアニメ『薔薇王の葬列』EDテーマ 「悪夢」
23:50-24:00
次回予告 10秒
シーンリプレイ
6:00-6:20
血に飢えたリチャード 20秒
BGMの突きつけるようなリズムがリチャードの心の闇の恐ろしさを演出している。
20:15-20:30
嫌悪 15秒
両性を持ち合わせるリチャードだからこその吐き気をもよおす程の嫌悪。
20:50-21:20
エリザベスの復讐 30秒
エリザベスの本当の恐ろしさはこれから発揮されるのだろう。
感想
日本人の私にとってキャラクターの名前が横文字であることや、家の対立などの関係性が把握しにくいことで、いまいち盛り上がらなかった本作だったが、今回の#3によって一気に面白くなってきた。
ヨーク公を失ったリチャードの心の闇。この心の闇が”両性を併せ持つ”というリチャードの設定にどう絡んでくるのか。エドワードの慢心によりエリザベスを迎え入れてしまったヨーク家がどうなってゆくのか。また、ヨーク家の危機を迎え撃つであろうウォリックの動向も気になる。
また開放されたヘンリー六世は誰に会いたがっているのか。それは彼の心に安定をもたらしてくれる存在、リチャード。二人の再会は新たなドラマを生むだろう。それに、彼の妻であるマーガレットがこのまま黙っているとも思えない。あらゆるものが波乱を予感させる。
愛を欲と復讐。様々な要素が絡んで物語は進んでゆく。この複雑に絡んだストーリーをどういう結末に持ってゆくのか。楽しみである。
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ヨーク公の死によって光を失うリチャード。一方エドワードはウォリックの後押しを受け、マーガレット率いるランカスター家との決戦に挑む。