[アニメ レビュー] チャージマン研! 第35話 「頭の中にダイナマイト」

現代に低予算アニメの面白さを広めたチャージマン研!

「チャージマン研!」をリアルタイムで視聴された方はもう結構なお歳の方も多いだろう。Wikipediaを見ると放映当時でもお粗末な評価であったようだ。

 そんな本作品も21世紀に入り突然再評価されたのは記憶に新しい。動画サイトの登場によって多くの人が視聴できるようになったことが大きい。しかもこれらのメディアは「動画に対してのツッコミ」が視覚化されているのでツッコミどころが多いほど楽しめる。

 低予算や時間の無さから発生する無理なストーリー展開や雑な描写がすべて面白さに直結する時代になり、「チャージマン研!」はアニメの新しい楽しみ方にピッタリはまったのだ。

※本記事は2020年11月10日時点での視聴をもとにした記事です。

第35話 「頭の中にダイナマイト」

 第35話の長さは6分50秒(410秒)

 今回とりあげたのは散々語られている名作回「頭の中にダイナマイト」(ボルガ博士の回)。「チャージマン研!」は1度は分解してみたかったのだけど、やっぱり選ぶならこの回だなと思う。

 とりあえず分解はしてみたのだけど、特に構成に意味があったわけでもなかったので一気に書いてみる。


0-1:00 
オープニングテーマ 60秒

1:00-1:52 
怪獣映画 ゴジラのオマージュ? 52秒

1:52-2:22 
ボルガ博士と出会う 怪しい男たち 30秒

2:22-2:38 
ボルガ博士の誘拐を目撃する研 16秒

2:38-3:14 
ニュースをみておかしいと思う研 36秒

3:14-3:30 
ジュラル星人の企み 博士は改造された 16秒

3:30-4:37 
会場に乗り込む研 ボルガ博士の頭の中に爆弾が! 67秒

4:37-4:59 
変身シーン 22秒

4:59-5:39 
研に連れ去られジュラル星人の宇宙船にぶつけられるボルガ博士 40秒

5:39-6:20 
かわいそうなボルガ博士 41秒

6:20-6:50 
エンディングテーマ 30秒


0から オープニングテーマ。
1:00から お馴染みのBGMをバックにした映画館のシーン。鳴き声とかポーズがまんまゴジラ。このシーンは特に意味のないシーンで入れる必要がないのに52秒も使っている。
1:52から とにかく聞き取りにくい会話のバリカンと研。そしてボルガ博士との出会い。「お菓子好きかい?」は今なら事案になりそう。不穏な空気を感じ取る研がするどい。
2:22から 研の予感が当たってボルガ博士誘拐の現場を目撃する・・・が追いかけずスルー
2:38から ニュースを観ておかしいと気づく研。そりゃあ誘拐されたの見てるし当たり前。
3:14から 全部説明してくれるジュラル星人。やさしい
3:30から レセプション会場に乗り込む研。ボルガ博士の頭に仕込まれた爆弾の音に気づく。見た感じボルガ博士自身も自分が改造されたって分かってない。眠そうな目してるし。
4:37から 変身シーン。
4:59から 訳も分からず研に連れ去られるボルガ博士。頭に爆弾を仕掛けられた人間ロボットとかひどい言われよう。「お許しくださいボルガ博士」と放り出されてジュラル星人とともに大爆発。
5:39から 黄昏に浮かぶ海上工業都市のシーン。「かわいそうなボルガ博士」。ホントにな!余韻を残したかったのか時間が余ったのかよく分からない妙に長いシーン。
6:20から エンディングテーマ。

話はデタラメでも魅力的な未来

 今回の事件はボルガ博士が誘拐されたときに、研が変身して追いかけるなり取り返すなりしてれば防げた。そもそも今回の話は博士を取り返している間にニセモノの博士がレセプションに参加して、とかいろいろ展開もできそうな話なのだ。話が展開しないのに超展開で解決するのは「チャージマン研!」では当たり前だが。

 決して本編の時間が短くて話が展開できないのではないと思う。冒頭の映画館のシーンだけでなくレセプションや最後のシーンも時間稼ぎと思われる編集がなされている。絵が動かないシーンも多い。要するに手抜きなのだ。まぁそれが最大の魅力なのだけれど。

 ストーリーはともかく今回はちょい役のキャロンもかわいいしロボットのバリカンも魅力的。ジュラル星人もグッズが欲しくなるユルさがあって好きだ。ボルガ博士も今回だけの登場なのに妙に親近感が湧いてくる。

 この作品の舞台は2074年らしい。放送年からちょうど100年後の未来だ。今の時代に明るい未来を空想したものってあるだろうか?研たちのいる未来はジュラル星人に狙われてはいるが、どこか牧歌的で穏やかな空気が描かれている。この作品は未来は明るいのが当たり前だと思っていた時代の作品なのだ。

 現実逃避を具現化したような異世界転生ものばかりが創作されている今なら、人間の未来を描くよりもジュラル星人に乗っ取られた世界を描く方が楽しい作品が作れそうだと思ってしまう。なんか仲良くやっていけそうな気がするんだよなぁジュラル星人。