[アニメ レビュー] ミュークルドリーミー 第28話 「まいらマイラブ♡」
少女向けらしいギャグ満載のキャラクターアニメ
「ミュークルドリーミー」はサンリオ発のキャラクターアニメで、内容は少女向けの変身アニメや魔法使いアニメの定番の設定を踏まえ、それらをパロディ風味で味付けした趣のあるアニメである。
主人公の中学1年生の「日向ゆめ(ひなた ゆめ)」は、お空の上で妖精に作られたねこのぬいぐるみの「みゅー」と「ユメシンクロ」で夢の中へ入り、心の隙間(ブラックスキーマ)にブラックアビスを埋め込まれて暴走した人をもとに戻すために戦う。ブラックスキーマが消えて心に新しい夢が生まれるとドリーミーストーンが現れ、それをたくさん集めると空の上にいる女王様が願い事を1つ叶えてくれる。
主人公クラスの登場人物は他にも「月島まいら(つきしま まいら)」「今井ことこ(いまい ことこ)」「安西ときわ(あんざい ときわ)」がおり、それぞれ「ぺこ」「すう」「ねね」という「みゅー」の友達(ドリーミーメイト)がパートーナーとなっている。夢の中へ入れるのはゆめとドリーミーメイトたちだけで、他のメンバーは基本的には変身もできない。ほかの娘たちとは違った距離感でゆめと接する男の子、ゆめの幼馴染の「南川朝陽(みなみかわ あさひ)」にも「れい」というパートナーが付いている。
悪役として「ゆに」と「つぎ/はぎ」というぬいぐるみがいて、悪夢の女王の命令で人々の心の隙間に毎回ブラックアビスでいたずらをする。
※本記事は2020年11月17日時点での視聴をもとにした記事です。
第28話 「まいらマイラブ♡」
タイトルからも分かるが今回の主役は「月島まいら」。全体の長さは24分1秒(1441秒)。物語を理解しやすくする為に独断で「起承転結」に分割して勝手にタイトルを付けている。
第28話は読者モデルをしているまいらの誕生日にまつわるお話。お笑い芸人を目指す一面もあるまいらとぺこたちの楽しいやり取りと重いストーリーのギャップが心にしみる名作回。
起 (100秒 + 337秒)まいらの誕生日
0-1:40 オープニング タイトルコール 100秒
1:40-2:10
一五出版社にまいらの誕生日のお祝い届く 30秒
2:10-3:42
次の日の学校 まいらの名前の由来 92秒
3:42-4:43
パソコン部にて まいらの話題で盛り上がる 61秒
4:43-5:46
衝撃の告白 63秒
5:46-7:17
まいらについて話すゆめと朝陽 ゆにの企み 91秒
0から オープニングテーマ。恐るべし畑亜貴。
1:40から 人気読モのまいら。ついにお笑い芸人を目指すことをカミングアウト。
2:10から オノマトペを口に出す演出。好きな言葉は「MY LOVE♡」。会話の掛け合いの間が素晴らしい。
3:42から パソコン部の壁掛け面白い。嬉しいけど居心地が悪い朝陽。わかりみが深い。
4:43から 母親のことを告げるまいらの表情と演技が絶妙。いつもどおり明るいまいら。
5:46から まいらの気持ちを理解する2人。れいはイケメン。
承 (250秒) 月島家のお墓参り
7:17-7:50
まいらとぺこのネタ合わせ 33秒
7:50-8:25
ケーキを買ってくれたお父さん 35秒
8:25-9:30
まいら京都へ つけるゆにたち 65秒
9:30-10:10
お父さんとお笑い劇場へ 40秒
10:10-11:27
まいらが気になるみんな アイキャッチ 77秒
7:17から あぽ~ん。いい間の掛け合い。
7:50から 動かないのに何かを思わせるぺこ。視聴者とのシンクロ。
8:25から お墓参りにお墓を出さない演出。まいらの笑顔にぺこは何を思うのか。また勝手に出てきたゆにたち。
9:30から やっぱりお笑いの間が分かってる。普通に聞ける漫才。
10:10から 心配して駆けつけるみんな。楽しげなまいらたちに気圧されつい隠れてしまう。
転 (413秒) 家族の思い出
11:27-12:42
まいらの夢に飛び込むゆに ゆめ変身 75秒
12:42-14:47
まいらの思い出 ゆめの活躍でゆにの魔法失敗 125秒
14:47-15:52
再びまいらの思い出 写真のシーン ケーキの意味 65秒
15:52-17:10
病室でのひととき まいら読モに応募 78秒
17:10-18:20
お母さんのいない家 まいらの夢 70秒
11:27から 気合の入ったかわいい変身シーン。
12:42から 幸せそうな家族。味気ない戦闘ですが毎回これくらいアッサリ勝ちます。
14:47から 楽しい思い出。みんな関西弁が上手。「大丈夫や。お父さんが支えとく」
15:52から 病院で終始笑顔。深刻な空気は作らない。
17:10から 悲しいシーンも泣き顔は出さない。ヒゲでふさぎ込んだ時間を表現。あんたが支えんとあかんやろ!いつも笑顔のまいら。
結 (226秒 + 115秒) 夢のひととき
18:20-19:01
京都から帰宅 ゆにの魔法か? ぺこと挨拶 41秒
19:01-19:59
ケーキとお父さんとお母さんの歌 58秒
19:59-20:28
楽しいお誕生日 29秒
20:28-20:52
ゆめの帰還 24秒
20:52-22:06
魔法が解ける 夢の中 マイラブ♡ 74秒
22:06-23:36
エンディングテーマ 90秒
23:36-24:01
次回予告 占い 25秒
18:20から 驚きつつも受け入れるまいら。
19:01から やっぱり誕生日にはケーキ。嬉しそうなまいら。
19:59から ぺこに思いを託すお母さん。
20:28から ここで一息。笑いも忘れない。
20:52から 魔法が解けて現実に。「うちとお母さんはいつも一緒やからな」で目を潤ませる丁寧な演出。最後の最後で笑顔の涙。
22:06から エンディングテーマ。また畑亜貴!
23:36から いつも強引な占い。楽しみにしてます。
子供向けだからこそ
笑顔、笑顔、笑顔。悲しくなる場面でも笑顔を徹底してこちらの心を揺さぶってくる。この回によってまいらというキャラクターにいっそう深みがプラスされた。
このアニメでは主人公をはじめ子どもたちに覚えてほしいキャラクターはひらがなで名前が表記してある。朝陽が漢字のままなのは、あくまで主役は女の子ということなのかもしれない。ゆめたちの年齢が13歳くらいなのでターゲットは小学生以下の女の子だろう。
さすがキャラクターで商売をしているサンリオで、どの回を観てもみゅーをはじめとしたパートナはいつもかわいいし、ゆめたち主人公やモブの表情も漫画的な表現を使ってクルクル変わって面白い。全体的に丁寧な印象だ。
この第28話はともすれば重い空気になってしまいそうな話を明るく楽しく描きつつも何か心に残る回になっている。特に表情を動かしているわけでもないのに意味ありげに見えるぺこの表情や、絶対にまいら(声の演技がうまい)に悲しい顔をさせないことにどうしても心が動かされてしまう。
おっさんはともかく、これを観た子どもたちはどういう感想をもっただろうか。細かいことは分からなくても何か心が締め付けられるような想いやモヤモヤが残ったのではないだろうか?ミュークルドリーミーのような子ども向けアニメを、子供を馬鹿にしていない人たちが創っていることに安心した名作回であった。