[アニメ レビュー] エスパー魔美 第46話 「雪の降る街を」
とにかくかわいい魔美のハートフルアニメ
1987年から放映が開始された人気アニメ。原作は藤子・F・不二雄。リアルタイムで視聴していた方のなかには魔美が初恋という方がいても不思議はないくらいかわいかった…と思う。基本一話完結の形式で放映されていた、ある日エスパーに目覚めた魔美が同級生の高畑さんと共に活躍するハートフルアニメだ。
エスパー魔美は父親が画家ということで、魔美が裸体モデルのアルバイトで頻繁に全裸になるという大変助かるアニメであった。だがそれ以上に30分という放映時間のなかで濃密なストーリーが繰り広げられていたことが人気の秘密であったと記憶している。さすが藤子・F・不二雄先生である。
今で言えば神回ばっかりのエスパー魔美の中でもこの第46話は特別心に残っている回である。ふとエスパー魔美を思い出すときには必ずこのエピソードを思い浮かべるほどに心に残っている。
名作といえども古い作品なので第46話に登場するキャラクターの人物紹介をしておいたほうがいいだろう。
佐倉 魔美(さくら まみ)
中学2年生でこの作品の主人公。第46話ではほぼほぼ全裸である。明るい性格でおせっかい焼き。料理が下手。高畑和夫を「高畑さん」と呼び、彼に絶大な信頼をおいている。
高畑 和夫(たかはた かずお)
魔美の同級生。外見はパッとしない小太りだが天才的な頭脳を持っている。まわりから注目されないためにテストではわざと間違えて回答したりしている。魔美のことは「魔美くん」と呼んでいる。いつも魔美に的確なアドバイスをおくり魔美を助けている。
コンポコ
佐倉家の飼い犬。気の抜けたような鳴き声で鳴く。見た目がキツネやタヌキに似ているが、それを言われると激怒する。油揚げが大好物。
佐倉 十郎(さくら じゅうろう)
魔美の父親。売れない画家。魔美にはパパと呼ばれている。魔美との関係は良好で仲良くしゃべる描写が多い。高畑のことも好意を持って接している。
ママ
魔美の母親。新聞社に勤めており帰りが遅いことも多い。
パパの古い友人
パパの学生時代の友人。ブラジルに行っていた。
※本記事は2020年12月13日時点での視聴をもとにした記事です。
第46話 「雪の降る街を」
第46話の長さは23分54秒(1434秒)。独断で起承転結に分割している。
起 (68秒 + 494秒)
0-1:08
オープニングテーマ タイトル 68秒
1:08-1:52
授業 放課後 雪 44秒
1:52-2:22
高畑さんと下校 バイト終わってから一緒に宿題 30秒
2:22-2:44
コンポコとお話 パパが帰宅 22秒
2:44-2:50
魔美の表情 バイトあるから道草しなかった 6秒
2:50-3:37
値段交渉 部屋が寒い 47秒
3:37-4:15
消しゴムを探す ボタンを見つける 38秒
4:15-4:41
何かおかしいパパ じゃれ合うパパと魔美 26秒
4:41-5:35
ふくれる魔美 空飛ぶボタン 54秒
5:35-7:15
パパがノッてきた 歌とともにイメージが 100秒
7:15-8:12
来客 パパの古い友人 57秒
8:12-9:22
パパの昔の女? 友人も歌う 仕事は中断 70秒
0-1:08 今でもたまに聴きます
1:08から 英語の先生なに言ってるかわからん
1:52から 気軽に家に寄り道できる関係ということ
2:22から コートを脱ぐ仕草で育ちの良さが分かる コンポコと魔美の関係
2:44から パパを迎える表情から伺える親子関係 道草→高畑さん パパは悪く思っていないというトーン
2:50から コンポコ危ない ストーブ(古い)がシーン転換のキーアイテムに
3:37から 余計なものを出す魔美の性格を分かっていてこそのセリフ
4:15から パパの体を触れる仲の良さ コンポコとストーブでシーンの時間経過も分かる
4:41から ふくれっ面かわいい ヤカンの音の空気感
5:35から 「雪の降るまちを」は実際のヒット曲で街の字はひらがな ボタン登場
7:15から 1パパの引き止め方や十数年ぶりとは思えない軽口が2人の繋がりの強さを表現している
8:12から ここでも雪の降るまちを パパのあわてっぷり スキあらば高畑さん
承 (208秒)
9:22-10:02
高畑さんに相談 難しい説明 40秒
10:02-10:42
魔美の帰宅 パパの友人の帰宅 40秒
10:42-11:25
また歌い出すパパ 一緒に歌う魔美 43秒
11:25-11:50
パパがママに一目惚れする瞬間 25秒
11:50-12:25
友人との会話 ママに憧れすぎなパパ 35秒
12:25-12:50
歌い続けるパパ もっと見たい魔美 25秒
9:22から 難しいことを簡単に説明する頭の良さ
10:02から 友人の一言に含まれた意味 視聴者の意識を誘導する
10:42から 高畑さんの作戦成功 頼りになる
11:25から 親の馴れ初めとかなかなか見ない
11:50から 友人が座布団に座ってるからここはパパの下宿先 そりゃ最初はね天使に見えるんだ
12:25から 「素敵」は魔美の口癖
転 (310秒)
12:50-15:09
話しかけられないパパ 怒る魔美 139秒
15:09-15:58
友人との別れ 友人にも怒られる 49秒
15:58-16:27
スーツに着替えるパパ 2人の馴れ初めに期待する魔美 29秒
16:27-17:00
ママが来ない 33秒
17:00-18:00
あきらめて帰るパパ あの歌を歌いながら去る 60秒
12:50から 季語的なアイコンで季節を表現 落ち葉を塗るのは過ぎた時間への後悔か
15:09から これでお別れしたならそりゃ十数年たっても気になるわ
15:58から スーツは戦闘服
16:27から 雪が降り始めて雪の降るまちをが流れる とてもさみしいメロディに聴こえる
17:00から 上手にはけるパパ 演劇っぽい アカペラで孤独を表現
結 (257秒 + 97秒)
18:00-18:30
やっと現れるママ 気づかないパパ 30秒
18:30-19:00
焦る魔美 ボタンが取れた 30秒
19:00-19:30
空飛ぶボタン ママに当たった 30秒
19:30-20:30
なんとかきっかけを掴んだパパ チャンスを生かした 60秒
20:30-20:50
時間を超えたテレキネシス 20秒
20:50-21:25
奇跡はありまぁす 歌い始める2人 35秒
21:25-21:55
雪女の帰宅 2人の歌声が聞こえる コンポコも歌う 30秒
21:55-22:17
最後は家族全員で 幸せの歌声 22秒
22:17-23:24
エンディングテーマ 67秒
23:24-23:54
予告 30秒
18:00から ママと共に希望的なBGMが入ってくる しかしパパは気づかない
19:00から ちぎれるボタン この飛行音は80年代によく聞いた音
19:30から ボタンを見つめるママの表情 実はママもちょっと気になってた?
20:30から これは超能力ではなくて実際に起った奇跡なのでは?
20:50から ストーブが演出する戻ってきた感 そりゃ歌いたくもなる
21:25から 数十年の時を経てメロディと共に現れる雪女 今度は妻としてママとして
21:55から みんなで歌うと幸せなメロディに聴こえる 感動的な演出
22:17から 仲良くしてるけどコンポコは最初は高畑さんが嫌いでした
強烈に心に刻まれる神回の記憶
神回っていうのは人それぞれに心に刻まれているだろうが、私にとってはまずこの回が思い浮かぶ。私がこの放映を観たのは中学生の頃だ。録画はしてなかったので観たのは1回きり。観た直後はぼーっとしてたと思う。神回ってのは理解が追いつかなくてぼーっとしてしまうものなのだと思う。
当時はただただ感動しただけだったが、大人になって鑑賞してみると発見が多い。仕草やセリフへのこだわりが生み出すリアリティはキャラクターの存在感を際立たせているし、くわえてキャラクターたちの感情の動きがリアルなのでファンタジーな題材にもかかわらず最後まで普通のドラマのように観れてしまう。また、声優さんの演技のおかげで魔美の魅力が100%から120%に引き上げられていたことが分かったのも発見だった。
時間の割り振りから察するに、きっちり魅せたかったのか結は十分な時間をとったうえでテンポよく時間を割り振っている。対して起の部分はけっこうな詰め込みだと思うのだが、ゆったりとした時間が流れているように感じるのは不思議だ。最後まで観ると情報量が多いのか映画を一本観たのと同じような感覚になる。
この回にかかわらずエスパー魔美には名作回がたくさんあるので、気になる方は1話から5話あたりまで観て魔美と高畑さんを好きになってから面白そうな回を観てほしい。ほとんどの回は一話完結なので気軽に観れると思う。魔美ちゃん毎回かわいいですよ?