[アニメ レビュー] ゲームセンターあらし 第13話 なぜか気になる超ボイン
ゲームセンターあらし
時はファミリーコンピュータ発売直前の1982年。ゲームはゲームセンターや喫茶店や駄菓子屋の前で遊ぶものだった。お小遣いをたくさんもらえない子だった私などは、ギャラガやドンキーコングなどを遊んでいるのを後ろから覗いて楽しんでいたものだ。
そんな時代に人気だったのが「ゲームセンターあらし」だった。当時はゲームセンターは不良の場所。しかもお金がかかるので庶民の小さな子が気軽に遊べるものではなかった。でもゲームやってみたい、そんな隙間を埋めてくれたのがこの作品だった。
特に象徴的だったのが、あらしが被っていた”インベーダーキャップ”だ。せめて帽子だけでも欲しかったのだが、人気すぎてずっと売り切れだったので私がこの帽子を被ることはなかった。
この作品はゲームで対決してピンチになるも必殺技で大逆転みたいなのがテンプレだ。第13話は”ゲームやめさせたい親”問題の回である。昔も現在も親というのはゲームを敵視するものだ。
「ゲームセンターあらし」といえばこの回を思い出す方も多いだろう。親の想いと子供の一生懸命さ。涙と笑いの昭和劇場だ。
※本記事は2022年12月27日時点での視聴をもとにした記事です。
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第13話 なぜか気になる超ボイン
第13話の長さは24分21秒(1461秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
<登場人物>
- 石野あらし(いしのあらし)
- 小学6年生の出っ歯の少年。勉強は苦手だがゲームの腕前は天才的。ムーンサルトや炎のコマなどの必殺技でゲームのハイスコアを出す。インベーダーキャップがトレードマーク。
- 石野ガラエ(いしのがらえ)
- あらしの母親。出っ歯があらしとそっくり。体重80キロでボインの昭和のかーちゃんらしいかーちゃん。ゲームばかりしているあらしを心配している。
- 大文字さとる(だいもんじさとる)
- プログラミングもこなせる秀才でスポーツマンの少年。大文字財閥の息子で大金持ち。とにかく隙がない。
- 月影一平太(つきかげいっぺいた)
- 中学生の番長。手下が50万人もいる。ゲームも上手い。
第13話 なぜか気になる超ボイン
大激怒するあらしにインベーダーウーマンが挑戦状を叩きつけてきた。それに応じるあらし。しかし家に帰るとかーちゃんに拉致されてしまった。
血を流しながらもなんとか神社へ到着したあらしを待っていたのは、金網デスマッチだった。限られた技で対抗するあらしに対しノーブラボイン撃ちであらしを上回るインベーダーウーマン。このままでは負けてしまうぞ、あらし。
金網を切り裂き勝負に出るあらし。ノーブラボイン撃ちクロスアタックで食い下がるインベーダーウーマン。勝負に勝ったあらしだったが、力尽きて倒れてしまう。見かねたかーちゃんは立場も忘れ、あらしを抱えて去っていった。その夜、コインを返しに来たかーちゃんにお礼を言うあらしだった。
第13話の見どころ
- 昭和のモラルの低さ
- インベーダーウーマンとのゲームバトル
- かーちゃんの愛
※背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。
起 (72秒 + 353秒)
0-1:12
OP:「ゲームセンターあらし」水木一郎 72秒
1:12-1:32
トップスコア あらし 20秒
1:32-2:25
インベーダーウーマン参上 53秒
2:25-3:10
ゲームコインをくれる 45秒
3:10-3:50
うげー 40秒
3:50-4:30
必殺ボインしばり 40秒
4:30-5:30
抜け出すあらし 60秒
5:30-7:05
塗り替えられたハイスコア 95秒
インベーダーウーマンとゲーム大好きあらしのパート。
承 (345秒)
7:05-8:00
文部省推薦のゲーム戦士 55秒
8:00-8:40
ニュースペースコンバットで勝負 40秒
8:40-9:10
あらしのかーちゃんみたい 30秒
9:10-10:10
かーちゃんのまちぶせ 60秒
10:10-10:50
閉じ込められた 40秒
10:50-11:30
対決に燃えるあらし 40秒
11:30-12:10
さとるの直感 40秒
12:10-12:50
勉強いやだー 40秒
インベーダーウーマンに宣戦布告されるパート。
転 (350秒)
12:50-13:10
歯茎が 20秒
13:10-14:00
あらしが来ない 50秒
14:00-15:10
特殊合金を歯で!? 70秒
15:10-15:30
ゲーム好きの神主 20秒
15:30-16:00
プォーン 30秒
16:00-16:40
金網デスマッチだ 40秒
16:40-16:55
あらしの癖を知っている 15秒
16:55-17:20
インベーダーゲームの亜種 25秒
17:20-18:00
炎のコマで1面クリア 40秒
18:00-18:40
ノーブラボイン撃ち 40秒
あらしがなんとか神社へ向かい、インベーダーウーマン対決するパート。
結 (255秒 + 86秒)
18:40-19:40
あらしの意地 60秒
19:40-20:10
母親の聖なる炎 30秒
20:10-21:00
エレクトリックサンダー 50秒
21:00-21:30
母の愛 30秒
21:30-22:00
あらしを抱えて 30秒
22:00-22:40
親子の会話 40秒
22:40-22:55
こりないあらし 15秒
22:55-23:10
次回予告 15秒
23:10-24:21
ED:「おいら熱帯低気圧!」間嶋里美 71秒
接戦を勝利ものにして倒れるあらしを抱きしめるかーちゃんのパート。
シーンリプレイ
17:20-18:00
炎のコマで1面クリア 40秒
意外な作画の良さこの作品の魅力。炎の作画や戦闘イメージの動きもいい。
21:00-21:30
母の愛 30秒
思わず母親の顔が出てしまうかーちゃん。今回の事もゲームばかりしているあらしを心配してのこと。
22:00-22:40
親子の会話 40秒
このデリカシーの無さは間違いなく昭和。ココ以外にもひどい箇所がいくつかある。
感想
最初に気になったのは現在とのモラルの差。今ではちょっと放送できないレベルで問題発言が出てくる。小学生の戯言といってしまえるとは思うのだが、若い世代の方にはショッキングであろう発言が見受けられる。恐ろしいことに、この認識のままおっさんになっている輩もいるので、若い皆さんはできるだけ近寄らないようにしよう。
当時は気付かず、いま観て驚いたのは作画やアニメーションのレベルの高さだ。ゲームの対決シーンの炎のコマがこんなにキレイに動いていたとは思っていなかった。ボインもあんなに伸びてたとは思わなかったが。
ストーリーはよくある人情もので、反対していた親が最後には折れてめでたしめでたしというやつだ。インベーダーウーマンが時折見せる親心が涙を誘う。最後にあらしの熱意を受け入れる甘さもかーちゃんならではである。
いちいちギャグを挟むあたりはさすがコロコロコミック原作。懐かしいノリで苦笑してしまう。男の子にとってこのノリから卒業することが、ある種の大人への通過儀礼なのかもしれない。
パワフルなOPテーマは、出だしのワンフレーズから私達の心を鷲掴みにする。このガツンとくる感じは昭和アニメの良いところだ。EDも音頭もので、これまた昭和アニメらしい。タイトル、主人公の名前、必殺技の名前、これが入ってこそアニソンというのが昭和の常識である。
昭和のいいところも悪いところもごちゃ混ぜのカオス状態。そういう部分を楽しんでもらいたい作品だ。
商店街では夜な夜なあらしのハイスコアを塗り替えてゆくインベーダーウーマンが出没していた。あらしはかーちゃんに妨害されつつも、それを乗り越えてゲームを遊びに出かけるのだった。しかし商店街ではあらしのハイスコアはすべて塗り替えられていた。