[アニメ レビュー] ご注文はうさぎですか?BLOOM 第2羽 「幼馴染ハート強奪事件」

きっとどこかにあるラビットハウス

 ご注文はうさぎですか?はきらら系アニメの代表作。木組みの家と石畳の街にある喫茶店「ラビットハウス」を舞台に女の子たちが活躍する物語だ。

 この作品に出てくるキャラクターたちが魅力的なのは言わずもがななのだが、アニメに登場する美しい街並みやリアルに描かれた小物が作り出す世界観は非現実的なほどかわいいキャラクターたちが現実に存在するかのように錯覚させてくれる。

 このアニメの魅力はひたすらかわいいなのだが、着ている服などはアニメによくある奇抜なものではなく普通に現実にありそうな服だし、これを「萌え」などという言葉で表現するのはちょっと違う。なんか壊れてほしくないというかなんというか。うまく言えないんだけれども。

 第2羽に登場するのは「ココア 保登心愛(ほと ここあ)」「チノ 香風智乃(かふう ちの)」「リゼ 天々座理世(てでざ りぜ)」「千夜 宇治松千夜(うじまつ ちや)」「シャロ 桐間紗路(きりま しゃろ)」「マヤ 条河麻耶(じょうが まや)」「メグ 奈津恵(なつ めぐみ)」あとティッピーとタカヒロ。みんなフルネームあったのか・・・。

※本記事は2020年11月2日時点での視聴をもとにした記事です。

第2羽 「幼馴染ハート強奪事件」

「第2羽 幼馴染ハート強奪事件」が面白かったので、分解して自分なりに考えてみた。物語の全体の長さは23分35秒(1415秒)。完全にネタバレを含んでいるのでご注意を。

 この第2羽は、なんかオープニングテーマもエンディングテーマもストーリーに含めてもいいんじゃないか?と思ったので物語の中に含めた。そのうえで物語を3っつに分けてみた。

 物語を分けたのは「第一幕 300秒」「第二幕 540秒」「第三幕 565秒 + 10秒」で合計で1415秒。分けた基準はシャロの強いツッコミで、今回の主人公のシャロのツッコミが話の区切りになっていると感じたからだ。


第一幕 300秒

0-1:40 
怪盗ラパン 100秒

1:40-2:03 
チノとココア(ねた1) 第2羽タイトル 23秒

2:03-3:33 
オープニングテーマ 90秒

3:33-4:10 
シャロと千夜(ねた2) 37秒

4:10-4:23 
みんなで何かの相談 13秒

4:23-5:00 
シャロの家にマヤとメグ(ねた3 シャロ ツッコミ強) 37秒


0から 第1話でもちょっと登場した「怪盗ラパン」。作中に登場する青山先生のヒット小説。
1:40から 怪盗が盗むものはモノだけではない。カリオストロの城オマージュのネタ振り。
2:03から オープニングテーマ。とてもいい曲だと思う。なんだろう?なんか飛ばせない。
3:33から 「怪盗ラパン」のブルーレイが観れないシャロ。うざ絡みする千夜。つれないシャロ。
4:10から ココア主導の悪巧み。いろいろバレバレでかわいいと思わされる演出。
4:23から 怖いの苦手なシャロ。強いツッコミ。今回の話の材料が全部揃う。

第二幕 540秒

5:00-5:31 
シャロ家のウワサ(ねた4) 31秒

5:31-6:08 
マヤとメグのお誘い 37秒

6:08-6:19 
場面転換 11秒

6:19-7:20 
キャラが似てる話(ねた5) 61秒

7:20-7:42 
肝試し説明 22秒

7:42-8:42 
リセの水鉄砲(ねた6) 60秒

8:42-9:57 
シャロと千夜の思い出(ねた7) 75秒

9:57-10:55 
ココア登場で大騒ぎ(ねた8) みんな集合 58秒

10:55-12:35 
ねたばらし(ねた9)(ねた10) 作戦大成功 100秒

12:35-14:00 
お風呂 千夜の気持ち(ねた11 シャロ ツッコミ強) 85秒


5:31から のお誘い。見返すと千夜の思惑とマヤとメグの思惑の違いが面白い。
6:19から 定番の大小ねた。
7:42から 絶妙に回避する千夜。こういうのツボる人はツボる。
8:42から ちょっと真面目にシャロと千夜の繋がりを見せるエピソード。手を放された千夜の表情が抜群にイイ!
9:57から 大惨事。予定よりひどくなった感ある。
10:55から 千夜とシャロが幸せそうでなにより。
12:35から ようやく素直になれるシャロと千夜。ぶち壊すココア。強いツッコミ

第三幕 565秒 + 10秒

14:00-15:31 
怪盗ラパンごっこ(ねた12)(ねた13)(ねた14)(ねた15) 91秒

15:31-17:13 
シャロの悩み(ねた16)(ねた17) 102秒

17:13-19:00 
怪盗ラパン鑑賞会(ねた18)(ねた19) 107秒

19:00-19:25 
シャロの決意 25秒

19:25-20:11 
シャロ、ラパンになる(ねた20)(ねた21) 46秒

20:11-21:10 
シャロのお礼(ねた22 シャロ ツッコミ強) 59秒

21:10-22:40 
エンディングテーマ 90秒

22:40-23:25 
ココアの営業妨害(ねた23 シャロ ツッコミ強) 45秒


23:25-23:35 
おっさん漫才(ねた24) 10秒


14:00から 怒涛の連続ねた。ちょっと落ち着いた空気を仕切り直して勢いをつける意味なのか?
15:31から 冒頭のラパンねたへ繋げる展開。
17:13から 警部の過去で泣くリゼがかわいい。
19:00から シャロを見守る千夜。第二幕で描写した2人の関係が生きてくる場面。
19:25から 完璧にコピーするシャロと適当なココア。心を盗むネタ回収と終盤へのネタ振り。
20:11から シャロのお礼に相変わらずなココア。強いツッコミ
21:10から エンディングテーマ。今回はやっぱりお話の一部だと思う。
22:40から 今回の話を全部ひっくり返して最後に持ってくココア。溜めからの強いツッコミ
23:25から お決まりのおっさん漫才。無いとさみしい。

かわいいだけじゃない!

「ご注文はうさぎですか?」のような美少女ばかり登場するアニメはたくさんある。巷ではこういうアニメを「美少女とうぶつ園」と揶揄することもある。しかしそういうアニメだって、ただ美少女を揃えてお人形ごっこさせているわけではない。

 この第2羽だってキャラクターの描写はしっかりしているし、ストリーもけっこう複雑だ。見終わったあとはきっとシャロや千夜のことを好きになっているはずだ。この話でシャロとココアの関係やシャロと千夜の関係。そしてシャロの愛され具合なんかも分かる。

 今回の23分35秒に散りばめられた「ねた(4コマ的なオチのあるやつ)」は24個(細かくカウントすればもう少しあると思う)。単純計算で約1分に1つは「ねた」が配置されていることになる。これのおかげで飽きずに最後まで観れるのだ。

 いくら美少女だらけといえど達成すべき目的も倒す敵もいない日常系アニメ作品で1分以上なにも起こらないと、どうしても途中で飽きてしまう。だから1分の間に必ずなにか起こるように「ねた」を配置しているのだろう。これは日常系アニメ作品だけでなくあらゆる動画作品に当てはまることなのではないだろうか?

 そしてエンディングテーマのあとに積み上げてきた物語をひっくり返す「大・どん・でん・返し!」だ。表現は古いが爽快なほどきれいに決まっていると思う。

 いろいろと理屈はコネてきたが、つまりは「美少女どうぶつ園」もたまにはイイんじゃないですか?ということである。