[アニメ レビュー] 烏は主を選ばない 第1話 場違いな姫君

烏は主を選ばない
この作品は原作小説の八咫烏(やたがらす)シリーズをアニメ化したものである。山内という平安時代のような世界観と八咫烏の一族、
次の統治者の妻の座を巡る騒動などが描かれる。
キャラクターデザインは世界観に合わせてシャープなイメージ。背景や小物も美しく描かれており、たちまち物語の世界に引き込まれる。その風格はさながら大河ファンタジーといった雰囲気だ。
アニメは原作小説の第1部と第2部を組み合わせているということで、このクオリティならストーリーの面でもきっちりと楽しませてくれるだろう。
※本記事は2024年4月13日時点での視聴をもとにした記事です。
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第1話 場違いな姫君
第1話の長さは25分00秒(1500秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
<登場人物>
- あせび
- 東家当主の側室の子で二の姫。病気の姉の代わりに登殿することになった。
- 雪哉(ゆきや)
- 地方貴族の垂氷郷郷町家の次男。なにかとトラブルを起こす問題児。

第1話 場違いな姫君
<ストーリーの流れ>
⇩
后候補の四家の姫たち
⇩
無教養を笑いものにされるあせび
⇩
若宮の評判と北家の雪哉
※背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。
起 (300秒)
冒頭は少年と金の烏との出会い。第1話ということで簡単な世界観の説明と若宮(次期統治者)の后候補を選ぶという登殿の儀の説明がされる。少年のほうはまだ謎のままだが、当面の話題は登殿の儀にまつわる争いについてだ。皇后さまと読み上げの人の威圧感がスゴく、あせびの場違い感がよく表現されている。なんだかこっちまで緊張してくる迫力だ。
0-1:00
何かに追いかけられる兄弟 60秒
1:00-1:40
金色の翼を持つ烏に助けを求める少年 40秒
1:40-2:00
今は忘れて、眠るがいい 20秒
2:00-2:15
山内には八咫烏の一族が住んでいる 15秒
2:15-2:30
八咫烏は人の姿になって街を築いた 15秒
2:30-3:00
八咫烏の長は「金烏」と呼ばれ山内を治めた 30秒
3:00-3:25
未来の金烏の后を選ぶ「登殿の儀」 25秒
3:25-4:15
「あせび」という名をいただく東家二の姫 50秒
4:15-5:00
南家一の姫・浜木綿、西家一の姫・真赭の薄、北家三の姫・白珠、東家二の姫・あせび、このなかのひとりだけが后として選ばれる 45秒
承 (300秒)
ここでは登場人物たちの関係が描かれる。次期統治者である若宮は四家当主たちには良く思われていない様子。もちろん当主たち自身もお互いを牽制しあう仲だ。四家の姫たちもその権力争いの渦中にある。若宮の妹である藤浪の宮はあせびと仲が良く、藤浪の宮もあせびが若宮の后に選ばれればいいと思っている。表向きに后として有力候補の南家・浜木綿と西家・真赭の薄は真正面からぶつかり合い、あせびや北家・白珠をライバルとも思っていない。みんなと仲良しキャッキャウフフできると思っていたあせびは、自分の立場を全く理解せず登殿の儀に参加していたのだ。姫同士の会話はそれほど長いものではなかったが、4人の姫たちの個性が見事に描き分けられている。
5:00-5:45
四家当主の会合に不参加の若宮 45秒
5:45-6:15
再会を懐かしむあせびと藤浪の宮内親王 30秒
6:15-6:40
藤浪の宮はあせびを姉のように思っている 25秒
6:40-7:25
あせびをからかう浜木綿 45秒
7:25-8:30
あせび(馬酔木)は若宮を揶揄する名前だった 65秒
8:30-8:50
あせびに優しく寄り添う真赭の薄 20秒
8:50-9:15
バッチバチにやりあう浜木綿と真赭の薄 25秒
9:15-10:00
現状をあせびに教える白珠 45秒
転 (410秒)
山神様によって創造された山内のなりたちの説明。登殿の儀に紛れ込んだという偽物の姫とあせびの失態。皇后はどうやら若宮が気に入らないようで、若宮が偽物の姫を見破れるのかどうか興味があるようだ。どうみても后になる準備ができていないあせびは、さっそく浮いた存在になってしまう。あせびが教養マウントを取られている場面は、なんとも息が詰まる。恥ずかしさと悔しさで逃げ出してしまったあせびの気持ちには痛いほど共感する。
10:00-10:25
うこぎさんによる山内のなりたち解説 25秒
10:25-10:50
山神様によって開かれ、金の烏に統治を命じ、金の烏は4人の息子に土地を分けた 25秒
10:50-11:05
一番目には花咲く東の地、二番目には果実みのる南の地、三番目には稲穂たれる西の地、四番目には水湧き踊る北の地を分け与えた 15秒
11:05-11:20
金の烏は金烏(きんう)と名乗り、中央の山に住まい宗家と呼ばれた 15秒
11:20-11:50
若宮は将来の金烏なので、その后に選ばれるのは大変に名誉なこと 30秒
11:50-12:40
若宮の后を選ぶ登殿の儀は四家の代理戦争 50秒
12:40-13:15
真赭の薄からの蘇芳(すおう)の衣の贈り物と茶会の誘い 35秒
13:15-14:00
四姫のなかに烏太夫(にせものの姫)がいる 45秒
14:00-15:10
練香の配合を当てる遊びを楽しむ姫たち 70秒
15:10-16:00
なんとか取り繕ううこぎさん 50秒
16:00-16:30
恥の上塗りをしてしまうあせび 30秒
16:30-16:50
白珠が助け舟を出し逃げ出すあせび 20秒
結 (370秒 + 120秒)
外遊から帰ってきてからおかしくなったと噂の若宮。宮烏たちを相手に何かを起こしそうな雪哉。冒頭で出会った金の烏と少年はおそらくこのふたりだろう。このふたりが再会し、この物語が始まる。主人公とされるこのふたりの個性や関係は次回へ持ち越しだが、どちらもクセの強いキャラクターのようだ。雪哉が宮烏たちにどんな仕返しをするのか楽しみだ。
16:50-17:45
あせびにとっては希望に満ちあふれていた登殿 55秒
17:45-18:15
若宮はうつけ者として噂されている 30秒
18:15-19:00
本来は若宮の兄が金烏となるはずだった 45秒
19:00-19:30
権力闘争に負けて出家した兄宮は皇后の子どもだった 30秒
19:30-20:00
若宮は”本物の金烏”らしい 30秒
20:00-20:15
殺気を放つ青年 15秒
20:15-21:00
雪哉たちとの再会を心待ちにする北家当主 45秒
21:00-22:00
宮烏たちにボコボコにされる雪哉 60秒
22:00-23:00
北家の宴で何かやらかしそうな雪哉 60秒
23:00-24:30
OP:「poi」Saucy Dog 90秒
24:30-24:55
次回予告 25秒
24:55-25:00
エンドカード 5秒
シーンリプレイ
7:25-8:30
あせび(馬酔木)は若宮を揶揄する名前だった 65秒
なんといやらしいイヤミか。だが私があせびとおなじ立場だったら、あせびと同じように能天気に喜んでいたと思う。
16:30-16:50
白珠が助け舟を出すも逃げ出してしまうあせび 20秒
冷たい印象の白珠だが、あせびにこの場から逃げ出すきっかけをくれた。でも全面的に味方とも思えない。
22:00-23:00
北家の宴で何かやらかしそうな雪哉 60秒
雪哉の不敵なセリフは、まさに主人公のそれ。宮烏たち相手にどんな仕返しをしてくれるのだろう。

感想
この作品は設定も人物の相関も複雑で、物語が持つ魅力を楽しむまでの距離が長いタイプの作品だ。おそらく物語が本格的に動き出すのは3話以降で、それまでに「なんかややこしくて難しそう」と離れてしまう方も多いのではないかと思う。
個人的にはとても面白くなりそうな作品なので、とりあえず第1話の時点での情報をまとめてみた。
- 山内は金烏が統治する八咫烏が暮らす世界
- 山内は宗家が治めており、世界は東西南北に分割され金烏の子どもたちに与えられている
- 次期統治者(次の金烏)は若宮と呼ばれる今上陛下の息子
- 若宮の后の座を東西南北の四家で争っている
このあたりが分かっていれば、たくさんいる登場人物の整理もつくのではないかと思う。
キャラクターのデザインや作画も良く作品にマッチした個性的なデザインだ。作品の内容で勝負しようという気持ちが感じられる。各キャラクターの声や演技も世界観を尊重した技巧派の印象を受ける。 特に私はあせびの女房のうこぎさんがいい味出してて好きだ。
覇権アニメ候補として挙げられるタイプのアニメではないと思うが個人的に推したい作品だ。次回は満を持して若宮の登場になるようだ。うつけ者として噂が先行しているが、実際はどんな人物なのか気になる。そして雪哉はどんな騒動を巻き起こすのか。ふたりの再会は。物語への興味は尽きない。
八咫烏と登殿の儀