[アニメ レビュー] 虚構推理 Season2 第14話 雪女のジレンマ
虚構推理 Season2
雪女といえば日本では昔話やアニメ・ゲームなどに登場する美女として有名である。敵として味方として様々なスタイルで描かれている。私の印象では味方か中立、もしくは人の罪を監視するような立場が多いような気がする。
私はドロロンえん魔くんの雪子姫が好きだが、みなさんはどの作品の雪女がお好みだろうか。ゲゲゲの鬼太郎のゆき、地獄先生ぬ~べ~のゆきめ、妖怪ウォッチのふぶき姫。みんなそれぞれに魅力的だが、虚構推理に登場する雪女も他に負けず劣らずのかわいさなのだ。
虚構推理は、怪異たちから神と恐れられる琴子と、半妖で不死身の九郎が主人公のミステリー作品である。にも関わらず、この第14話では主人公のふたりをさしおいて、雪女のかわいさが爆発している回だ。というかこれ以降もかわいい。
脇役が主人公を喰ってしまうというのはドラマや映画でもたまに見かけるが、観ている私としては宝物を見つけたみたいで嬉しくなってしまう。虚構推理は琴子をはじめ美女が多く登場するのだが、演技や作画がハマってとても魅力的に描かれている。事件解決までの数話だけでも観る価値があると思う。
※本記事は2023年2月6日時点での視聴をもとにした記事です。
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[アニメ レビュー] 虚構推理 Season2 第14話 雪女のジレンマ
第14話の長さは25分00秒(1500秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です。
<登場人物>
- 雪女(ゆきおんな)
- 雪山で遭難しかけた室井を助けた。とてもチャーミングな女性。十年以上もたってから室井と再会し、奇妙な共同生活を始める。
- 室井 昌幸(むろい まさゆき)
- 雪山で友人に突き落とされて遭難してしまう。その後の人生でも人に裏切られ続ける不幸な青年。
第14話 雪女のジレンマ
目が覚めると室井を雪女が迎えに来た。昨夜の出来事は夢ではなかったのだ。山小屋へと戻った室井はハヤトを犯人だと訴えた。友情を失い落胆した室井は登山をやめた。そして十一年の月日が流れ、室井は再びあの山のある街に戻ってきた。そこには変わらず美しい雪女がいたのだった。
長い時間を感じさせない軽妙な会話を交わすふたり。室井は地位も家族も仲間にも裏切られ失い人間不信に陥っていた。妖怪である雪女との時間は室井を優しく癒やしてくれるようだった。
雪女と暮らし始めて四ヶ月がたった頃、室井の家に警察がやってきた。どうやら室井の元妻が撲殺されたらしい。しかし室井の無実を証明できそうな証人は雪女ひとり。そんなふたりを救うべく琴子が立ち上がる。
第14話の見どころ
- 雪女のかわいさ
- 室井の悲劇
- 雪女と室井のパートナー生活
※背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。
起 (360秒)
0-10
猛吹雪 10秒
10-35
突き落とされた室井 25秒
35-1:05
雪女登場 30秒
1:05-2:10
OP:「ヨトギバナシ」カノエラナ 65秒
ヨトギバナシ
2:10-2:40
それらしく現れてくれた雪女 30秒
2:40-3:00
あきらめの境地 20秒
3:00-3:25
小泉八雲の雪女 25秒
3:25-4:05
ドキッとする表情 40秒
4:05-4:35
雪女は静かに暮らしたい 30秒
4:35-5:10
現実的な考え 35秒
5:10-6:00
ツンデレ 50秒
室井と雪女の出会いのパート。
承 (290秒)
6:00-6:25
夢じゃなかった 25秒
6:25-6:50
意外と力持ち 25秒
6:50-7:25
言わない約束 35秒
7:25-8:10
幽霊が現れた 45秒
8:10-8:45
浅はかな考え 35秒
8:45-9:30
消えた友情 45秒
9:30-9:45
恐ろしいもの 15秒
9:45-10:00
十一年後 15秒
10:00-10:50
変わらぬ雪女さん 50秒
生還した室井が友情を失うパート。
転 (360秒)
10:50-11:50
ふたりの時間が動き出す 60秒
11:50-12:30
人の本質を見る 40秒
12:30-13:05
住みにくくなった人の世 35秒
13:05-13:30
離婚していた室井さん 25秒
13:30-14:10
ひとりぼっち 40秒
14:10-15:10
財布は満たされていた 60秒
15:10-15:35
大型の商業施設へ 25秒
15:35-16:05
ふたりの楽しい生活 30秒
16:05-16:50
食を満喫する雪女 45秒
雪女と室井が再会し、共同生活をはじめるパート。
結 (420秒 + 70秒)
16:50-17:15
かつての部下 25秒
17:15-17:50
天ぷらでは溶けない 35秒
17:50-18:45
怪異と人の交わり 55秒
18:45-19:40
おひい様 55秒
19:40-20:10
おひい様の真っ当な意見 30秒
20:10-21:05
お互いの存在が助けになっている 55秒
21:05-21:50
据え膳食わぬは男の恥 45秒
21:50-22:10
現代に馴染みすぎの雪女 20秒
22:10-22:25
離婚した妻が殺された 15秒
22:25-23:15
九郎と琴子 50秒
23:15-23:50
きゅう~ 35秒
23:50-25:00
ED:「Invincible Love」宮野真守 70秒
Invincible Love
室井が元妻の殺害容疑をかけられてしまうパート。
シーンリプレイ
6:50-7:25
言わない約束 35秒
壮大さを感じさせる景色と雪女の生きてきた悠久の時を重ねているシーン。室井の雪女に対する畏敬の念と感謝の思いが感じられる。
13:30-14:10
ひとりぼっち 40秒
どれだけ不幸になるんだ。最後の救いを再び雪女に求めたのだろうか。
21:05-21:50
据え膳食わぬは男の恥 45秒
信じられん!まったく信じられんぞ室井!!
感想
今回は主役の琴子は最後に少しだけ登場の回である。琴子ももちろんかわいいのだが、今回は雪女のかわいさを描くのに全振りしている。その試みは成功していて、何百年も生きている怪異としての魅力と年頃の女性としての魅力を兼ね備えた”美女”としての雪女が見事に描き出されている。
単に整った顔とスタイルだから魅力的なのではない。人間の美味しい食べ物がたべたかったり、利己的な理由で室井を助けたわりに優しい面をみせるツンデレなところだったり、そのキャラクター性を声や演出で雪女を多面的に表現することで、その魅力を浮かび上がらせているのだ。
自信が雪女でありながら、人間の創造した雪女であることにこだわっているのも、彼女の遊び心が感じられて楽しい。我々人間よりもはるかに長い時間を生きる彼女にとって、そういった遊びは人間と共に生きる術であり退屈しのぎでもあるのだろう。
雪女の魅力ばかり書いてしまったが、この作品はミステリーとしても非常に優秀な作品だ。謎解きの過程でいくつもの可能性が提示され、複数の完璧とも思える推理が琴子によって示される。私なんかは頭がついていかず琴子の話を聴いて感心するばかりなのだが、推理好きの方なんかは琴子との推理勝負するのも楽しいだろう。
1期ではひとつの事件に話数を使いすぎてしまった感があったが、今回の室井さんの事件は短めなので気軽に楽しめるだろう。なにより雪女がかわいいので観ていて楽しい。このまま3話くらいのストーリーを続けて欲しいなと思った。
雪山で仲間に突き落とされた室井は雪女と出会う。死に際の幻覚かと素直に受け入れた室井だったが、どうやら幻覚ではなかったらしい。