[アニメ レビュー] 天才王子の赤字国家再生術 第1話 そうだ、国を売ってトンズラしよう

天才王子の赤字国家再生術

「天才王子の赤字国家再生術」は、軍事、経済ともに疲弊した国家を引き継ぐことになったウェイン王太子の奮闘の物語である。いちはやくこの国家運営から開放されたいウェインの思いとは裏腹に、彼の采配はことごとく国家を発展させてゆく。

 タイトルから金融政策や商業を駆使しての国家発展を想像するかもしれないが、内容は政治や戦略が中心である。それでも異世界転生や超魔術で勝利するような作品ではないので、思ったよりも現実的で論理的な内容が楽しめる。

 第1話では、ウェイン王子を取り巻く状況やナトラ王国の置かれた状況が説明されている。簡単な戦略や心理戦の要素もあり、作品の魅力をひととおり味わえる。

 補佐官のニニムのほかにも美少女が以降も登場するのだが、単純なハーレムものの展開にはならない。ポイント(いろいろなタイプの美少女という意味)は押さえつつも政治や政略を絡めた一味違うハーレム要素が楽しめると思う。

※本記事は2022年2月27日時点での視聴をもとにした記事です。


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第1話 そうだ、国を売ってトンズラしよう

 第1話の長さは23分40秒(1420秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です

<登場人物>

ウェイン・サレマ・アルバレスト
父である国王が病で倒れ、代わりに国政を担うことになった。文武両道で切れ者ではあるが、人目が無くなるとだらしがない。
ニニム・ラーレイ
ウェインとは幼なじみの補佐官。戦闘から政務に至るまでウェインをサポートする。ウェインも彼女の前では、だらしがない素の姿をみせる。


第1話 そうだ、国を売ってトンズラしよう

 大陸の東を牛耳る帝国と西側諸国の間の北端に位置する小国ナトラ。王太子のウェインはなかなかの切れ者。しかしナトラは気候にも土地にも目立った利点は無く、歴史はあるものの貧国である。ウェインはナトラの価値を少しでも高めてどこかに買ってもらい、すぐにでも隠居したいと考えていた。

 西の隣国のマーデンは金の鉱脈のおかげで潤っていたが、無能な王の失策により不安な情勢。ナトラはその無能なマーデン王の汚名返上のために利用され、マーデンからの侵略を受けることとなった。ウェインとしては軽く受け流し、なんとか講和へ持ち込みたい。それぞれの思惑のなか戦争が始まるのだった。

 ついに始まった戦闘。しかしマーデン軍は思ったほどに強くない。ナトラは帝国の戦術と武器で予想以上に強化されていた。しかし徐々に戦争の空気に飲まれてゆくナトラ軍の兵士たち。中央を突破されやむなく撤退するウェイン。追いかけるマーデン軍。どうするウェイン。

 マーデンの単純な脳筋将軍のおかげで戦争はナトラの完勝であった。このままマーデンの領土を削ろうと意気込むナトラの武官たち。それに答えたウェインは金鉱脈の奪取を決断するが、本心では失敗を理由に撤退できればと思っていた。しかし見事に金鉱脈の奪取に成功してしまうのだった。

 第1話の見どころ

  • ウェインの政治家としての実力
  • ウェインがニニムにだけ見せる一面
  • なんか上手くいっちゃう気持ちよさ

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背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。



起 (310秒)

0-1:30
帝国の混乱 ナトラは小国 90秒

1:30-1:55
もう売っちゃいたい 25秒


1:55-3:25
OP:「LEVEL」やなぎなぎ×THE SIXTH LIE 90秒


LEVEL

3:25-4:00
人目がないとだらしない 35秒

4:00-5:10
価値を高めて高く売りぬく 70秒


承 (330秒)

5:10-5:50
西の隣国マーデンからの侵略 40秒

5:50-6:30
失策の穴埋めにナトラを攻撃 40秒

6:30-7:10
調子のいい武官ども 40秒

7:10-7:25
軽く鞘当 15秒

7:25-8:00
数では不利な状況 35秒

8:00-8:30
平民の名前も覚えている 30秒

8:30-9:40
名演説 70秒

9:40-10:00
サラッと言う 20秒

10:00-10:40
ナトラを侮るマーデン 40秒


転 (260秒)

10:40-11:00
始まったー 20秒

11:00-12:00
えっ? 60秒

12:00-13:25
帝国の指導を受けていた 85秒

13:25-14:00
やっぱり本物は違う 35秒

14:00-15:00
追い詰められたか!? 60秒


結 (430秒 + 90秒)

15:00-15:30
ニニムちゃん来たー 30秒

15:30-16:30
容赦なし 60秒

16:30-16:55
完全な勝利 25秒

16:55-18:00
部下の期待に答える 65秒

18:00-19:20
撤退したいウェイン 80秒

19:20-20:20
やる気満々でした 60秒

20:20-20:30
むりー 10秒

20:30-21:10
にゃん 40秒

21:10-21:55
目標はあくまで撤退 45秒

21:55-22:10
とっちゃった 15秒


22:10-23:40
ED:「ヒトリとキミと」南條愛乃 90秒


ヒトリとキミと

シーンリプレイ

3:25-4:00
人目がないとだらしない 35秒

20:30-21:10
にゃん 40秒

 これが素のウェイン。ニニムの前でだけみせる姿。ふたりの信頼感がうかがえる。


9:40-10:00
サラッと言う 20秒

 民の忠誠心を集めるカリスマ性。人心掌握術にもたけている。


12:00-13:25
帝国の指導を受けていた 85秒

 備えあれば憂いなし。いつかはこうなると考えていたからこそ。格上との交渉力もある。


感想

 タイトルからして流行りの異世界転生ものと思いきや、戦記ものとして十分に楽しめる作品である。心理戦や政治戦略などを中心に物語が進むが、まったく硬派というわけではなく、美少女が沢山登場するファンタジーな一面も忘れていない。

 はやく隠居生活を楽しみたいウェインだが、話が進むにつれてウェインをとりまく状況は大きく複雑になってゆく。予想外のピンチをニニムと共に切り抜けてゆく姿は、理屈っぽい部分もあるが観ていて気持ちがいい。

 領土や政治力を拡大してゆくたびに関わる美少女が増えていくのだが、ニニムが絶対的なヒロインという安心感があるのも好印象だ。冒頭の「人目が無くなると、すぐだらしなくなるんだから」というニニムのセリフ。ニニムは”他人”ではないという証拠ではないか。

 お気軽な楽しさを維持しながら国家戦略を楽しめるアニメになっているので、美少女目当てでも戦略目当てでも、どちら目当てで観ても損はしない作品だと思う。


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