[アニメ レビュー] うる星やつら(1981) #1 うわさのラムちゃんだっちゃ!/町に石油の雨がふる

うる星やつら

「うる星やつら」はラブコメの元祖とも言われる名作漫画である。1981年にアニメの放映が始まり大人気となった。本作を1回も観たことがなくても、ラムちゃんは知っているだろう。

 ある日地球にやってきた侵略者が適当に決めた地球代表の青年・あたる。地球を賭けてあたるとラムが鬼ごっこで勝負をし、あたるが見事に勝利する。ちょっとした勘違いからラムはあたるのお嫁さんとなって一緒に暮らすことになった。

 この第1話から自由自在にストーリーが展開され、何でもありのバラエティに富んだ回が量産された。2022年にリメイクされるということで、この伝説の始まりである第1話をレビューしてみることにした。リメイク版の第1話もレビューするつもりなので、比べてみて楽しみたいと思う。

※本記事は2022年3月30日時点での視聴をもとにした記事です。




#1 うわさのラムちゃんだっちゃ!/町に石油の雨がふる

 #1の長さは25分38秒(1538秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です

<登場人物>

諸星あたる(もろぼし あたる)
友引高校に通う高校1年生。しのぶとは一応つきあっているようだ。インベーダーの侵略戦争に地球人代表として選ばれ、ラムと対決することになる。
ラム
地球を侵略しにきた宇宙人の鬼。あたるとの勝負に負け、勘違いからあたると結婚することに決める。あたるのことは「ダーリン」と呼び、怒ると電撃をくらわせる。
三宅しのぶ(みやけ しのぶ)
あたるの彼女。実は怪力で強い。

うわさのラムちゃんだっちゃ!/町に石油の雨がふる

 なにかと運が悪い諸星あたる青年。帰宅途中に厳重警戒で家まで送り届けられる。家に着くとそこにはインベーダーが待っていた。人類から適当に選ばれて、地球の存亡をかけて戦うことになったあたる。地球の運命を背負っても、まったくやる気がなかった。しかし巨大宇宙船から舞い降りた鬼の美少女ラム見てがぜんやる気になったのだった。

 全人類の注目を浴びる史上最大の鬼ごっこが始まった。しかし勝負はラムの圧勝。またたく間に最後の一日が来てしまう。しのぶと愛の誓いをかわしたあたるはとうとう最後の朝をむかえた。追い詰められたあたるは卑怯な最終手段にでる。隠し持った武器でラムのブラを剥ぎ取ってしまったのだ。あわててスキを見せたラムはあたるに敗北してしまう。勝利を喜ぶあたるだったが、ラムの勘違いで一方的に結婚することになってしまった。さだめじゃ……。

 もうラムには会いたくないあたるだったが、メガネをはじめとする同級生はラムの虜になってしまったようだ。同級生連合はラムを呼び戻すべくUFOに呼びかける。やがてUFOは現れたが、ラムの宇宙船ではなかった。そのUFOは宇宙タクシーで、学校からあたるの家へまでワープを使って送ってくれた。

 しかし宇宙タクシーの料金を世界の石油埋蔵量と同じだけ請求されてしまうあたるたち。吸い取られる石油、あたるに集まる批判、そこへ救いの手を差し伸べたのはラムだった。タクシー料金を盾に同居を迫るラム。拒むあたるだったが、最後には折れてラムと一緒に暮らすことを選んだ。伝説の始まりである。

 #1の見どころ

  • 初めてのラムの電撃
  • 脇を固める濃いキャラクター
  • 超展開するドタバタコメディー

背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。



起 (90秒 + 348秒)


0-1:30
OP:「ラムのラブソング」松谷祐子 90秒


ラムのラブソング/宇宙は大ヘンだ!

1:30-2:00
あたるに当たる 30秒

2:00-2:30
信じられないくらい面相が悪い 30秒

2:30-3:00
そっちの方角は良くない 30秒

3:00-3:48
厳重警戒で帰宅 48秒

3:48-4:38
インベーダー 50秒

4:38-5:38
イスカンダルへ行ったほうがまし 60秒

5:38-6:18
巨大宇宙船 40秒

6:18-7:00
ラムちゃん登場 42秒

7:00-7:18
あたるの決意 18秒


承 (320秒)

7:18-7:48
鬼ごっこ開始 30秒

7:48-8:13
ラムちゃんは飛べる 25秒

8:13-9:03
箸にも棒にもかからない 50秒

9:03-9:38
角栄、江川、友人たちの批判 35秒

9:38-10:38
しのぶとあたる 愛の誓い 60秒

10:38-10:48
モミモミ 10秒

10:48-11:08
追い詰められたあたる 20秒

11:08-11:40
とったぁー 32秒

11:40-11:58
ラムちゃんの勘違い 18秒

11:58-12:38
初電撃 40秒


転 (360秒)

12:38-13:40
ラムちゃんを呼び戻す 62秒

13:40-13:58
餌→あたる 18秒

13:58-15:08
しのぶも怖い 70秒

15:08-15:50
ベントラーベントラー 42秒

:50-16:38
狂ってる 48秒

16:38-16:58
みんなキャトられた 20秒

16:58-17:23
ウチへ帰るんだ 25秒

17:23-17:55
みんな諸星家へ 32秒

17:55-18:38
宇宙タクシーだった 43秒


結 (315秒 + 105秒)

18:38-19:18 
石油埋蔵量と同じ料金 40秒

19:18-19:58
石油が無くなるー 40秒

19:58-20:38
またあの諸星あたるか 40秒

20:38-21:18
ラムが帰ってきたー 40秒

21:18-21:38
ダーリンと一緒に暮らすっちゃ 20秒

21:38-22:08
受け入れないあたる 30秒

22:08-22:38
あー泣かした 30秒

22:38-22:58
四面楚歌 20秒

22:58-23:28
石油の雨 30秒

23:28-23:53
ラムの勝ち 25秒


23:53-25:18 ED「宇宙は大ヘンだ!」松谷祐子 85秒


ラムのラブソング/宇宙は大ヘンだ!

25:18-25:38 次回予告 20秒


シーンリプレイ

6:18-7:00
ラムちゃん登場 42秒

 稀代のヒロインの初登場シーン。初対面ではあたるも鼻の下を伸ばしていた。


11:08-11:40
とったぁー 32秒

 ココ、リメイクでもちゃんと再現して欲しい。


11:58-12:38
初電撃 40秒

 これから何回も受けることになる電撃の1回目。胸が熱くなるな……。


:50-16:38
狂ってる 48秒

 狂気すら感じさせる演出。普通にコワイ。


23:28-23:53
ラムの勝ち 25秒

 ここからはじまる非日常。ヘンとヘンが集まってくる。


感想

 絵の古さは否めないけれども、さすがに一時代を築いただけの作品である。基本的に男女1対1の一途な恋愛が描かれていた時代に、いきなりポンッとこんな作品を登場させたのだ。SFで狂ってて主人公は浮気しまくるクズ男とか刺激的すぎる。

 タクシー代に石油とか石油を雨にして降らせるとかまともな発想じゃないし、同級生の連中がUFOを呼ぶくだりは狂気すら感じる演出だ。若さと勢いがなければこんな発想にGOサインは出せないと思う。OPとEDも自由な発想で創られていてなおかつバックに流れる映像もオシャレ。作品のコンセプトにもピッタリだ。

 第1話は2つの話で構成されているものの、あたるの「勝ち」から別の話に展開し最後には地球へ戻ってきたラムの「勝ち」で終わっている。最後にあたるがラムにまんまとはめられて、そしてそれが全ての始まりという訳だ。

 多くの”おたく”を産み出し、多くの作品に影響をあたえた名作。この評価は未来永劫ゆるがないだろう。この壮大なラブコメをいつか宇宙人にも観せてあげたい。きっと「チキュウジン、アタマオカシイ」って言うと思う。