[アニメ レビュー] カウボーイビバップ 第18話 スピーク・ライク・ア・チャイルド

カウボーイビバップ

「カウボーイビバップ」は主人公のスパイクと仲間たちが大活躍(大暴れ)する痛快SFアニメである。大活躍とは書いたがその振り幅は大きく、ハードなSFもののストーリーからクライムアクションやコメディまで多種多様な物語が楽しめる。

 ストーリーだけでなく音楽にもこだわりがあるようで、タイトルに音楽のジャンルや名曲のタイトルがオマージュされているものも多い。劇中のBGMも様々なジャンルのBGMが使用されており、もともとハイセンスな作品の格をもうひとつ上げる重要なポイントになっている。特にオープニングテーマの「Tank!」はとてつもなくカッコいい。

 物語の舞台は2071年。「カウボーイ」と呼ばれる賞金稼ぎのスパイクと仲間たちが、宇宙船「ビバップ号」を駆って賞金目当てに宇宙を駆け巡る。そのゆく先々で騒動に巻き込まれたり巻き込んだり。

 スパイクだけでなく他のメインキャラクターたちも個性的で魅力は抜群だ。SF作品としても楽しめるが、個々の人間ドラマとしても楽しめる回も多いので、身構えることなく視聴できると思う。

※本記事は2021年8月4日時点での視聴をもとにした記事です。

第18話 スピーク・ライク・ア・チャイルド

第18話の長さは24分45秒(1485秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です

<登場人物>

スパイク・スピーゲル
本作の主人公。拳法の達人。カウボーイとして活躍しているが、やり方に問題が多い。そのため賠償金や補償で常に金欠状態である。

ジェット・ブラック
スパイクの相棒。非常にガタイがいい。料理が得意。仲間たちが搭乗する”ビバップ号”の船長。

フェイ・バレンタイン
スタイル抜群の美人だが”お金”に目がない。今まで数々のトラブルに巻き込まれていたようで、とてもスレた性格をしている。

エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チブルスキー4世
あだ名はエド。少年のように見えるが実は少女。普段の気の抜けた様子からは想像できないが実は天才的なハッカー。

アイン
ビバップ号に同乗しているコーギー犬。エドとなかよし。

 ある日ビバップ号にフェイ宛の郵便物が届いた。不穏な空気を感じたフェイは確かめもせずどこかへ出かけてしまう。エドのハッキングによって荷物を追跡したが2022年以前のデータは消失していた。

 とりあえず換金しようとジャンク屋に向かったスパイクたちだったが、粗暴なスパイクのせいで失敗してしまう。行方不明のフェイは懲りずに賭け事にハマっていた。そんな中、エドの探索で地球にある日本の博物館にビデオデッキが残っていることが分かった。

 地球に着いたスパイクたち。地球はほとんどが廃墟になっており人はあまり住んでいないようだ。命がけの探索をしてなんとかビデオデッキを持ち帰ったスパイクたちだったが、ジェットが意気揚々と持ち帰ったのはVHSの再生機だった。一方フェイもツキに見放されていた。

 ビデオが再生できずにふてくされていたスパイクとジェットだったが、追加で届いた荷物はベータの再生機だった。すべてが揃い、帰ってきたフェイも加えてビデオを上映することになった。そこに映っていたのは10代と思われる裕福な家庭の美少女。それは明らかにフェイであった。

背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。

起(98秒 + 252秒)

0-8
ロゴ 8秒

8-1:38
オープニングテーマ 90秒


1:38-2:17
競馬と魚釣り 39秒

2:17-3:00
浦島太郎の話 金ない仕事ない 43秒

3:00-3:17
ドローン!! 17秒

3:17-3:40
フェイの帰還 23秒 

3:40-4:24
とりあえず逃げとこう 44秒

4:24-5:00
スパイクのデリカシーのなさ 36秒

5:00-5:10
引っ張っちゃらめえぇぇ 10秒

5:10-5:50
2022年以前からたらい回しの郵便物 40秒


承 (317)

5:50-6:25
古のお宝 35秒

6:25-6:55
20世紀のドラマ 30秒

6:55-7:25
スパイクのゴミっぷり 30秒!

6:55-7:25
スパイクのゴミっぷり 30秒

7:25-8:35
ベータの悲劇 70秒

8:35-9:35
とまた 60秒

9:35-9:47
やっちゃった 12秒

9:47-10:00
やっぱり犬 13秒

10:00-10:30
そりゃ怒るわ 30秒

10:30-11:07
エド優秀 犬最高 37秒


転 (353)

11:07-11:30
ゲート間ワープ 23秒

11:30-12:04
フェイを置いて地球へ 34秒

12:04-12:30
廃墟になった地球 26秒

12:30-13:00
動かないエレベーター 30秒

13:00-13:45
危機一髪 45秒

13:45-15:00
命がけの探索 75秒

15:00-15:30
竜宮城の話 そのころフェイは 30秒

15:30-17:00
大は小を兼ね……なかった 90秒


結 (340秒 + 125秒)

17:00-17:25
ふてくされるふたり アインかしこい 25秒

17:25-18:00
エドの説明 35秒

18:00-18:40
だいたいスパイクのせい 40秒

18:40-19:00
ベータマックス 20秒

19:00-19:20
やっぱりエド優秀 20秒

19:20-19:40
結構です 20秒

19:40-20:00 シンガポールですな 20秒

20:00-20:45
この美少女は 45秒

20:45-21:20
裕福な家の娘 35秒

21:20-21:50
迷惑かけてます 30秒

21:50-22:40
「ワタシ」からのエール 50秒


22:40-24:15 エンディングテーマ
95秒

24:15-24:45 次回予告
30秒


シーンリプレイ

5:00-5:10
引っ張っちゃらめえぇぇ 10秒

6:55-7:25
スパイクのゴミっぷり 30秒

9:35-9:47
やっちゃった 12秒

まごうことなきクズのスパイク。機械の扱いはもっと丁寧に!


20:00-20:45
この美少女は 45秒

21:50-22:40
「ワタシ」からのエール 50秒

純粋な頃のフェイ。エールのときの動きがいい。しかしフェイはこの頃の記憶を失くしていた。

感想

 冒頭から映像での巧みな語り口を魅せてくれる。競馬でのフェイのやさぐれた生活を想像させ、馬券を逃したのと魚を逃す場面から釣りをするスパイクへ。その横でエドに浦島太郎の話をするジェット。ビデオデッキを取りに地下へもぐる今回の話になぞらえている。そして魚釣り再開で物語があらためてスタート。

 不快感ギリギリのスパイクの横暴っぷりは観ていてヒヤヒヤさせられるがとても”らしい”感じがまたいい。ジャンク屋のおっさんがとても気の毒になる。また、時おり挟まれるフェイのクズっぷりは最後のビデオシーンを引き立ててくれる。

 地球が壊滅していることやフェイがなぜ現在のような状況になったのかは、ビデオを観てもはっきりとは分からない。ただ、とても幸せな学生時代を過ごしていたということは分かる。実は今回の第18話には続きがあり、第24話でその疑問のだいたいが描かれている。最終話直前なのでネタバレが嫌な方は第1話から観たほうがいいかもしれない。

「カウボーイビバップ」はシリーズ全26話。もう全部がおすすめ回なので是非にでも観てほしいアニメである。第1話からキャラや設定のカッコよさに心を掴まれて夢中になる。押しも押されもせぬ名作だと思う。