[アニメ レビュー] ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第1話 はじまりのトキメキ
⇨To the English version of this article
初めてラブライブに心を動かされた
これまで「ラブライブ!」シリーズのアニメは2つ放映されていたが、そのどちらも第1話だけを観て脱落してきた。決して面白くなかった訳ではなく、なんとなくノリやキャラクターのデザインが自分に合わなかったのだと思う。
映画公開とともに伝え聞いたラブライバーと呼ばれるファンたちの熱量や特典を餌にした商売にも拒否反応が起きた。だから今期の秋アニメでラブライブが放映されると知っても、とりあえず1話だけは観てみるかという程度のものであった。
しかしながら、視聴後は力の入った第1話に心を動かされてしまった。今風にいうとエモいというやつである。
※本記事は2020年10月20日時点での視聴をもとにした記事です。
「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第9話 仲間でライバル」のレビューは→こちら
第1話 はじまりのトキメキ
虹ヶ咲学園に通う上原歩夢(うえはら あゆむ)と高咲侑(たかさき ゆう)は幼馴染の高校2年生。いつもの放課後をまったりと過ごしていた2人は、スクールアイドルのストリートライブに出会い魅了されて・・・。
第1話はここから歩夢がスクールアイドルを目指す決心をするところまでの話だ。話の筋はよくある「第1話」だったが、作画やライブシーンがとても綺麗で引き込まれた。
自分なりに「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第1話の面白さを考えてみたので、ちょっと気になった方は読んでみてほしい。完全なネタバレになるのでご注意を。
話を4つに分けてみる
ここから先の感想はすべて私の勝手な考えなので、見当違いのことがあっても不愉快な点があってもどうかご容赦ねがいたい。
第1話の長さは23分48秒(1428秒)。メインのストーリー部分は最初の17秒とエンディングテーマ以降の112秒を除いた約1299秒と考えられる。正確に計った秒数ではないけれども、だいたいそのくらいということで。
この1291秒をストーリーの区切りでの4っつに分けて勝手なタイトルをつけてみた。
起から結までだいたい6分、5分30秒、5分、5分とそれぞれ割り振られている。第1話ということでオープニングテーマ(約90秒)が無い。その秒数を「起承」の部分に盛ったとも考えられそうだ。
起 「スクールアイドルとの出会い」 17秒 + 361秒
1-7
ロゴ 7秒
7-17
はじまり 説明 10秒
17-48
侑(ゆう)と歩夢(あゆむ)のショッピング 31秒
48-1:53
可愛い服 2人の思い出 65秒
1:53-2:23
買い食い 仲良し自撮り 30秒
2:23-2:58
手持ち無沙汰 せつなのライブ開始 35秒
2:58-5:18
せつなのライブ 吸い寄せられる2人 140秒
5:18-6:18
大興奮の2人 せつなが同じ学校だと知る タイトルど~ん 60秒
17から 2:58まで2人の仲の良さと幼馴染のエピソード。3分ほど使って二人の関係が簡潔に丁寧に描かれている。
2:58から せつなのライブは侑や歩夢だけでなく視聴者も一気にこのアニメの世界に引き込んでゆく。とにかくせつながカッコ可愛い!
5:18から 大興奮の2人とオレ。その勢いでタイトルど~ん。とても面白そう。
承 「アイドルを探せ!」 337秒
6:18-7:50
朝起きる2人の対比 一緒に登校する 放課後待ち合わせする2人 92秒
7:50-9:20
スクールアイドル同好会の虜になった侑 仕方なく付き合う歩夢 90秒
9:20-10:35
2人で部室を探して回るが見つからない 75秒
10:35-11:55
近くを歩いていた生徒に尋ねてみる 尋ねた相手とスクールアイドルについての会話 80秒
6:18から ネボスケの侑と余裕をもって支度をしている歩夢。家は隣同士。もちろん一緒に登校する。
侑は授業中も昨日のせつなが頭から離れない様子。放課後ももちろん2人は一緒。侑の押しに負けてスクールアイドル同好会の部室を探しに行く2人
9:20から 部室探しや10:35からのいきなり生徒に話しかける部分は展開に違和感を感じた。大きな問題にはならないがちょっとおしい部分だ。
転 「失意のアイドルたち」 297秒
11:55-13:13
部室の扉の前 生徒会長にスクールアイドル同好会の廃部を聞かされる 78秒
13:13-14:53
スクールアイドル同好会の元メンバーたちの動向 100秒
14:53-16:17
公園で話す侑と歩夢 人の夢を応援したかったと語る侑 それを見つめる歩夢 84秒
16:17-16:52
ショッピングをする2人 浮かない顔の歩夢 立ち止まる歩夢 35秒
11:55から 上り調子だった物語が一旦冷水を浴びせられる。落胆した表情の歩夢。
13:13から 元メンバーが次々と登場。これからこの娘たちがどうやって集まっていくのか期待が高まる。
14:53から 侑の思いを聴いている歩夢の空気感が良い。
16:17から いつものショッピング。でも歩夢は心ここにあらず。
結 「アイドルになりたい!」 304秒 + 112秒
16:52-18:52
自身のアイドルへの思いを告白する歩夢 120秒
18:52-20:41
歩夢の歌 109秒
20:41-21:56
応援してほしいと侑にお願いする歩夢 もちろんと答える侑 てぇてぇ・・・ 75秒
21:56-23:26
エンディングテーマ 90秒
23:26-23:42
同好会のプレートを見つめる生徒会長 ぐぬぬ・・・ 16秒
23:42-23:48
第2話予告 6秒
16:52から ほぼ5分まるまるを使っての2人の思いと決断。この第1話の「結」というだけでなく物語全体を通しての「始まり」を強く意識させられる。
23:26から とびっきりカワイイ歩夢のライブシーン。せつなのカッコ可愛いライブシーンとは対をなしている。この2人の邂逅はいつ果たされるのか?期待せざるをえない。
20:41から 歩夢に見とれる侑。見つめ合う2人。侑に近づく歩夢。実に30秒の沈黙!このあとの2人の会話よりも多くを物語っている。
こんなの面白いに決まってる
大雑把に「起承転結」に分けてみたのだけれど、この起承転結はさらにそれぞれ「起承転結」の構造になっていると考えられる。つまり起承転結の入れ子の構造になっているのだ。
起承転結といえば物語を作る時には当然の基本なのだけれど、しかしその基本をきっちりと押さえて面白く作るのは大変なことだと思う。
しっかりとした人を楽しませる構造に加えてこのライブシーンの美しさである。こんなの面白いに決まってるじゃないか!
初めてのラブライブの視聴だったが、今回は食わず嫌いせずに最終話まで楽しんで見れそうだ。