[アニメ レビュー] ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第9話 仲間でライバル
それぞれの成長
第9話までに描かれてきたスクールアイドルを目指す上原歩夢、中須かすみ、優木せつ菜、宮下愛、エマ・ヴェルデ、天王寺璃奈、近江彼方、桜坂しずく、彼女たちの決断。そして今回は朝香果林の回である。
個別のアイドルとして活動してきた彼女たちの努力が少しづつ実り始め、声をかけられることも増えてきた。そんな彼女たちに思いがけないチャンスがやってくるのだが…。
第9話はイベントの参加をきっかけに起こる彼女たちの意識の変化とグループとしての繋がりを感じさせる興味深い回となっている。
※本記事は2020年12月2日時点での視聴をもとにした記事です。
「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第1話 はじまりのトキメキ」のレビューは→こちら
第9話 仲間でライバル
今回の主役である朝香果林は読者モデルとしても活躍している。学年も3年生なので他のメンバーよりも落ち着いて大人っぽいキャラクターだ。
ある日、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会は藤黄学園の綾小路姫乃から音楽フェスへの参加を提案される。しかし歌えるのは1曲だけ。ソロアイドルの集まりである虹ヶ咲学園からはひとりしか出演できない。
音楽フェス出演というチャンスを題材に朝香果林というキャラクターの強さと弱さ、それを受け止めるスクールアイドル同好会の成長が描かれる。
第9話の長さは23分48秒(1428秒)。独断で起承転結に分けている。
起 (194秒 + 98秒)
0-8
ロゴ
8-21
果林の独白 13秒
21-45
アイドルとしての人気 24秒
45-1:23
生徒会長の正体 38秒
1:23-2:40
認知度は上がった グループとしてどうするか 77秒
2:40-3:22
藤黄学園からイベントのおさそい 42秒
3:22-4:52
オープニングテーマ 90秒
8から 居心地のいい世界からもう一歩上へ
21から 新しい挑戦が認められている喜び
45から 中2あるある 実は…的な
1:23から はやく観たい 全員でのパフォーマンス
2:40から タイミングのいいお誘い やるしかない
承 (481秒)
4:52-6:03
フェスに推薦 人前に出るのは大事 71秒
6:03-6:42
もらえる枠は1曲だけ 39秒
6:42-8:14
みんな出たい 遠慮してちゃだめ 92秒
8:14-8:24
モデルの仕事をこなす果林 10秒
8:24-9:20
方向音痴 せつ菜たちに見つかる 56秒
9:20-10:00
スクールアイドルのグッズ売り場 40秒
10:00-11:00
もう着いてた ダンスを始めた果林 60秒
11:00-12:53
みんなのこと認めてた みんなで決めよう 113秒
4:52から かすみんの「3000人」のところの指と演技がいい
6:03から ある意味挑戦状 どう戦うのか
6:42から 普段からモデルとして戦っている果林の現実的で最もな意見
8:14から 短いけどモデル果林の魅力の詰まったシーン ケバい化粧のとこがいい
8:24から かっこよく歩いてるのに迷子 ギャップ萌えとはこのことか
9:20から せつ菜の向上心を確認して嬉しそうな果林
10:00から かっこいいには努力が必要 弱点はかわいいに昇華できる
11:00から ライバル扱いは最高の褒め言葉 「仲間だけどライバル」
転 (352秒)
12:53-13:55
フェスの会場 やっぱり果林に決定 62秒
13:55-14:33
盛り上がる会場 虹ヶ咲?なにそれ? 38秒
14:33-15:38
強がるアイドル果林 ものすごい歓声が聞こえる 65秒
15:38-16:13
アイドル枠が始まる 帰らない果林 35秒
16:13-17:00
ビビる果林 弱音を吐く 47秒
17:00-18:00
励ますみんな 勇気をもらう果林 60秒
18:00-18:45
はい、たーっち! 45秒
12:53から
衣装似合ってる さすがモデル
13:55から
これだけいても誰も知らない
14:33から
出番は最後 やっぱり不安は拭えない
15:38から
迷子を疑う 逃げたとは微塵も思わない果林への信頼
16:13から
不安を口にする果林 実はみんなも同じ気持ちという表情
17:00から
果林の表情素晴らしい みんなで不安を分け合う
18:00から
みんなで立ち向かう チームワークの芽生え
結 (176秒 + 127秒)
18:45-19:20
いつもの強キャラ果林 タイトル回収 35秒
19:20-20:57
セクシー!カッコイイ!カワイイ! 97秒
20:57-21:21
やりきった感 美咲にからかわれる姫乃 24秒
21:21-21:41
ステージを見つめる侑 瞳に宿る光 20秒
21:41-23:11
エンディングテーマ 90秒
23:11-23:43
合宿! 合宿! 32秒
23:43-23:48
次回予告 5秒
18:45から 少しの迷いもない果林 感情が演技を上回った「なかま!」の一言イイ
19:20から モデルらしい手足を生かしたダンスモーション
20:57から カリスマ性のあるステージであった
21:21から オレも好きになっちゃった 侑やっちゃいなyo
23:11から みんなでライブ 楽しみだ
グループへの意識が芽生えたアイドルたち
第9話は「起」と「結」を最小限の長さに抑えて「承」と「転」は長めに尺をとっている。今回のお話のなかで最も伝えたい部分は承と転に詰め込んだということだろう。
承では果林の部活でのパーフェクトなお姉さん的な部分と方向音痴という親しみやすい部分をみせつつ、果林のスクールアイドルや部員たちへの真正面からのリスペクトを描いてみせ、視聴者や部員たちの朝香果林というキャラクターへの親近感を高めている。
続く転では普段から人前で仕事をしている果林でも、大観衆を前にプレッシャーに押しつぶされそうになり弱音を吐いてしまう。おびえる果林を前にした部員たちは決してかわいそうという気持ちで見つめていたわけではないだろう。彼女たちは目の前で自らを「情けないわね」「ごめんなさい」と言う果林が、もしかしたら自分だったかもしれないと思っているのだ。果林に声をかけ手を握り励ます彼女たちは、フェスに出たいという憧れと大観衆の好奇や無関心を受けて立つ恐怖を弱音を吐く果林の姿を前にして、初めて現実として自覚しまた手を差し伸べることによって分け合い果林の勇気へと昇華させた。みんなに励まされ涙を拭いて仲間たちを見回す果林の表情は抜群にチャーミングなアニメーションを魅せてくれている。
みんなとハイタッチをして会場に向かう果林。姫乃とすれ違うときの手、まだ恐怖が消えたわけではない、みんながくれた勇気で前に進んでいるのだ。ステージに立つ果林「仲間だけどライバル、ライバルだけど仲間」。これが第9話の本当のタイトルだったのだ。なかなか粋なことをするじゃないか。個々のアイドルとして努力してきた彼女たちが大きな舞台を乗り切ったことでグループとしての自分たちへの意識が芽生えるひとつの区切りを感じさせる回であったと思う。
エンディングテーマ直前の侑の表情が新たな展開を予感させる。ラブライブ、まだまだ目が離せない。