[アニメ レビュー] デリシャスパーティ♡プリキュア 第35話 ここねとお別れ!? いま、分け合いたい想い

デリシャスパーティ♡プリキュア

 クッキングダムからおいしーなタウンへやってきたローズマリー。彼の目的は怪盗ブンドル団に盗まれた、すべての料理の作り方が記された「レシピボン」を取り返すこと。おいしーなタウンで出会ったゆい・ここね・らん・あまねと共にブンドル団と戦う。

 大きな目的は「レシピボン」を取り返すことだが、普段はブンドル団に囚われたレシピッピを救い出すことがプリキュアの役目だ。お料理の妖精レシピッピを奪われると、そのお料理は味がなくなってしまうのだ。

「デリシャスパーティ♡プリキュア」は”食”をテーマにした作品だが、単に生きるという意味だけでなく、家族や友達とシェアして笑顔になるということの大切さも描いている。

 特に今回はここねが2つの絆の狭間で悩む回となっている。果たしてここねはどんな答えを出したのか。大人たちはプリキュアを通して何を子供たちに伝えたかったのか。スタッフ全員の熱意が伝わってくる回である。

※本記事は2022年11月21日時点での視聴をもとにした記事です。


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第35話 ここねとお別れ!? いま、分け合いたい想い

 第35話の長さは24分20秒(1460秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です

<登場人物>

和実 ゆい(なごみ ゆい)
食べるの大好き中学2年生。家は定食屋「なごみ亭」を経営している。ある日、お米の妖精コメコメと出会ってプリキュアになった。キュアプレシャスに変身する。
芙羽 ここね(ふわ ここね)
高級レストラン「レストラン・デュ・ラク」を経営する芙羽家の娘でゆいの同級生。クールで近寄りがたい印象を持たれていたが、ゆいたちと過ごすことで少しづつ周囲にとけ込んでいっている。パンの妖精パムパムの力でキュアスパイシーに変身する。
華満 らん(はなみち らん)
ラーメン屋「ぱんだ軒」の娘でゆいの同級生。料理に対する情熱が人一倍強く、キュアスタで料理の投稿をコンスタントに続けている。麺の妖精メンメンの力でキュアヤムヤムに変身する。
菓彩 あまね(かさい あまね)
しんせん中学校の生徒会長。実家はフルーツパーラーを経営している。実はブンドル団のジェントルーとしてプリキュアと対立していたが、洗脳から開放されてゆいたちと行動を共にするようになった。パフェのレシピッピの力でキュアフィナーレに変身する。
ローズマリー
クッキングダムからレシピボンを探すため、おいしーなタウンにやってきた。みんなからは「マリちゃん」と呼ばれている。美味しいものに目がなく、おいしーなタウンでは食べ過ぎがち。ゆいたちにアドバイスすることが多く、頼れるオネエとして活躍することが多い。


ここねとお別れ!? いま、分け合いたい想い

 以前おいしーなタウンに来訪したマイラ・イースキ王女の要請で、ここねの両親は新しいイースキ島の名物料理の開発を頼まれた。それに合わせて芙羽家もイースキ島へ引っ越すという話が持ち上がった。一方ローズマリーは師匠のジンジャーが以前においしーなタウンへ来ていたことを知る。

 師匠のジンジャーがおいしーなタウンで何をしていたのか調査することを決めたローズマリー。自分の使命を果たしつつ、今はゆいたちとここねを見守ることにしたのだった。そして悩み続けるここねにパムパムは、あたたかく素直な一言でここねに寄り添うのだった。

 ここねの両親はちゃんとここねを見てくれていた。その愛を感じたここねは、ついに決心をしたのだった。そのころゆいたちは3人でゴッソリウバウゾーと戦っていた。3人での戦いに苦戦を強いられていたプレシャスたちだったが、そこへ駆けつけて来たのはここねだった。

 ここねが加わり4人が揃い、友情パワーで「プリキュア!ライト・マイ・デリシャス!」を放ちレシピッピを取り戻した。ここねはおいしーなタウンで友達と暮らすことにしたという。家族の絆が確かなものであるという両親への信頼が、ここねにそれを選ぶことを決断させたのだった。

 第35話の見どころ

  • ここねの大切なもの
  • パムパムの名言
  • 家族の絆のカタチ

背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。



起 (300秒)

0-15
ロゴ 15秒

15-30
イースキ島のお土産 15秒

30-45
第31話参照 15秒

45-1:15
名物料理を開発 30秒

1:15-1:30
国家事業を任される芙羽家 15秒

1:30-1:37
え? 7秒


1:37-3:07
OP:「Cheers!デリシャスパーティ♡プリキュア」Machico 90秒


3:07-3:30
またね~ 23秒

3:30-4:00
ここねが引っ越しちゃう!? 30秒

4:00-4:35
ここねを気遣うマリちゃん 35秒

4:35-5:00
過去にもジンジャーが来ていた 25秒


 イースキ島の国家事業に芙羽家が招聘されたことで、ここねに引っ越しの話が持ち上がるパート。

承 (350秒)

5:00-5:45
なぜジンジャーはおいしーなタウンに長居したのか 45秒

5:35-6:15
クッキングダム人が消えすぎ問題 40秒

6:15-6:40
ここねへの気遣い 25秒

6:40-7:20
大人のペースで話は進む 40秒

7:20-7:40
全部が楽しい学校生活 20秒

7:40-8:00
パムパムは気づいてる 20秒

8:00-8:50
ゆいたちが教えてくれた世界 50秒

8:50-9:15
轟さん有能 25秒

9:15-10:00
引き裂かれるここねの想い 45秒

10:00-10:20
みーんなここねの味方パム 20秒

10:20-10:50
ブンドルー!ブンドルー! 30秒


 物事が動いてゆくペースに心がついて行けないここねが悩むパート。

転 (330秒)

10:50-11:25
ご両親も心配顔 35秒

11:25-12:00
パムパムの言った通り 35秒

12:00-12:15
気持ちが決まった 15秒

12:15-12:45
奪われたレシピッピ 30秒

12:45-13:20
ここねに無理をさせない思いやり 35秒

13:20-15:10
パーティーゴー! 110秒

15:10-16:20
やっぱり3人じゃキツイ 70秒


 ブンドル団が登場し、ここね抜きでプリキュアに変身するパート。

結 (370秒 + 110秒)

16:20-17:27
分け合う美味しさ焼き付けるわ 67秒

17:27-17:55
もう頼っちゃいけないのに 28秒

17:55-18:35
一緒に考えてくれた 40秒

18:35-19:05
すべてを分かち合いたい 30秒

19:05-19:30
友情パワー 25秒

19:30-21:20
プリキュア!ライト・マイ・デリシャス! 110秒

21:20-21:40
素敵なお友達 20秒

21:40-22:20
いつも心は繋がっているから 40秒

22:20-22:30
カンパーイ 10秒


22:30-24:00
ED:「ココロデリシャス」佐々木李子 90秒


24:00-24:20
次回予告 20秒


 レシピッピを取り戻し、ここねが出した答えが分かるパート。




シーンリプレイ

10:00-10:20
みーんなここねの味方パム 20秒

 ここねに違う視点からの気付きを与えるパムパム。作画もセリフも演技も最高のシーン。どんな答えを出しても大丈夫。


18:35-19:05
すべてを分かち合いたい 30秒

 ここねが手に入れたもの。守りたいもの。ここねもみんなの味方でいたい。


21:40-22:20
いつも心は繋がっているから 40秒

 心がつながっていれば離れていても大丈夫、という子供たちへのメッセージ。


感想

 よくある引っ越しものの話だが、ここねの心の葛藤をきっちりと描いているので、観ているほうも胸にこみ上げるものがある。特にパムパムの一言には「ハッ」っとさせられるものがあった。ベンチに座るここねの作画も気合が入っていて良かった。

 必殺技の直前のシーンでは、友達に対する想いをぶつけるここねの演技が光っていた。オンラインで食事をする最後のシーンでは、テーブルを囲む芙羽家のイメージが印象的だ。これはもちろん家族の心の距離を表したものである。

 これらの演出やシナリオが、ここ数年で生活が一変した子供たちへのメッセージであることは明白だ。「デリシャスパーティ♡プリキュア」という物語は、生きるチカラの源である”ごはん”を食べて”おいしい”をシェアしてみんなで笑顔になろう、みたいなことをテーマにしている。

 中学校の高嶺の花でクールなここねは、いつもひとりぼっちで高級レストランの食事を寂しく食べていた。しかしゆいやパムパムと出会ってからは、食べ物だけでなく悩み事や楽しいこと、いろんなことをシェアして生き生きと学校生活を楽しむようになれたのだ。

 とにかく他人と接触しないように生活している子供たちに、今回のプリキュアのメッセージは届いたであろうか。人と人がつながるというのは、心の距離のことなのであると。ここねと両親との強固な関係が、ここねに”友達と一緒にいる”というある種の親離れのような選択をする心の余裕を作ってくれたのだと私は思う。

 しかし今回は完全にパムパムが持っていった。まったくなんてエモいこと言うんだ。いい年してプリキュアで泣きそうになったじゃないか。ほんとに。