[アニメ レビュー] CYBER CITY OEDO 808 DATA-1 古の記憶(メモリー)

CYBER CITY OEDO 808

 電脳都市OEDO808は1990年から1991年に発売されたオリジナルビデオアニメである。現在はサブスクリプションやブルーレイ・DVDなどで視聴できる。アニメとは別のストーリーの小説版もあるのだがこちらは2021年時点では中古しかないようだ。

 ストーリーはそれぞれ別の3話が作られており、登場人物は同じだがストーリー主人公はメインの3人の持ち回りだ。DATA-1はセンゴク、DATA-2はゴーグル、DATA-3はベンテンとなっている。どれも力の入った名作なので今でも十分に通用する面白さだと思う。

 背景の描き込みや演出なども見どころなのだが、キャラクターのやり取りの軽妙さやセリフのカッコよさにも注目だ。OVAということでストーリー1本の長さにも余裕があり、やりたいことが思う存分詰め込まれているという印象だ。

 オープニングテーマやエンディングテーマも昨今の音符に言葉が詰め込まれているタイプではなく、音符と歌詞が一対一で対応しており聞きやすく覚えやすい。すぐに一緒に歌える古き良き歌謡ロック風である。昭和生まれのおっさんには心地いい。

 もう30年以上も前のアニメだが、作品に込められた情熱は少しも色褪せない。今すぐにとは言わないが、手持ち無沙汰なときにでも視聴してみてはいかがだろうか。

※本記事は2021年5月31日時点での視聴をもとにした記事です。


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DATA-1 古の記憶(メモリー)

 DATA-1の長さは41分55秒(2515秒)。独断で起承転結の4つに分割している。これ以降はネタバレ注意です

<登場人物>

千石 旬介(せんごく しゅんすけ)
コードネームはセンゴク。DATA-1の主人公。口が悪く強引な手法で事件を解決する。
蛾眉丸 力也(がびまる りきや)
コードネームはゴーグル。DATA-2の主人公。ゴツい体をしているが頭脳明晰でハッキング等を得意としている。
メリル・柳川(めりる やながわ)
コードネームはベンテン。DATA-3の主人公。女性のような美貌としなやかさを持ち、素早い動きと細いワイヤーで敵を切り裂く。
ヴァーサス
センゴクたちを支援するロボット。だいたいセンゴクと一緒にいる。センゴクからは”ブリキ野郎”と呼ばれている。
長谷川 十蔵(はせがわ じゅうぞう)
電脳警察電脳犯罪捜査局局長。犯罪者であるセンゴクたちを減刑をエサに機動刑事へと転身させる。
城之内 京子(じょうのうち きょうこ)
センゴクたちのバックアップをしている新人婦警。


DATA-1(2) 古の記憶(メモリー)

 減刑をエサに機動刑事へと転身させられる受刑者が3人。なかでもセンゴクは破天荒なキャラクターで、ルールを守らず強引な捜査をする。センゴクたちに付けられた首輪は長谷川によっていつでも爆破できるようになっている。

 今回センゴクたちに課せられた使命は、24時間以内にOEDOのメインコンピューターを乗っ取った犯人を捕まえることだ。さもなければ、彼らの首は吹っ飛んでしまう。大混乱のなか奮闘するゴーグル。事件に巻き込まれたオキョウを励ますセンゴク。怪しいのはメインコンピューター室。なんとか潜入したセンゴクは犯人を突き止めた。

 クロカワが犯人と主張するアマチは消息不明のはずだった。しかしアマチからと思われる攻撃は止まない。15年前アマチはクロカワによって殺されたはずだった。どうやらアマチは摩天楼の最深部にいるようだ。アマチの猛攻を乗り越え、センゴクは最深部へ向かう。

 長谷川からのクロカワ殺害命令を無視するセンゴク。63回廊にはコンピューターと同化したアマチがいた。あらゆるシミュレーションを駆使してセンゴクに襲いかかるアマチ。予測不能な戦略でアマチを破壊することに成功したセンゴク。今回はなんとか首をつなげることができたようだ。


 DATA-1の見どころ

  • OEDOの近未来SFの世界観
  • センゴクの犯罪者らしい強引な捜査
  • コンピュータ VS センゴク

背景色つき文字で書かれたシーンは、シーンリプレイ対象のシーンです。

起 (510秒)

0-1:00
刑務所から呼び出される3人の囚人 60秒

1:00-2:00
永久電脳犯罪者を捕らえれば減刑される 60秒


2:00-3:55
OP:「Burning World 〜追憶のコマンド〜」三浦秀美 115秒


3:55-5:00
第13ベイブリッジ作動 65秒

5:00-6:00
センゴク犯人を逮捕 60秒

6:00-7:00
二日酔いのセンゴク 60秒

7:00-8:00
高軌道ビルの男 60秒

8:00-8:30
脅迫 タイトル 30秒


 センゴクの人物が描かれるパート。

承 (701秒)

8:30-9:25
長谷川十蔵の呼び出し 55秒

9:25-10:30
交通渋滞 少しの減刑 65秒

10:30-11:15
メインコンピュータがハックされた 24時間以内に犯人を捕えろ 45秒

11:15-12:10
OEDOは大混乱になる 首なし死体が並ぶ 55秒

12:10-12:23
デイブ・クロカワ 13秒

12:23-12:50
大混乱のOEDO 27秒

12:50-13:29
機械と人間 どちらが上か 39秒

13:29-13:50
対応に追われるオペレーター 21秒

13:50-14:50
有能ゴーグル 巻き込まれるオキョウ 60秒

14:50-15:25
頼れるセンゴク 35秒

15:25-16:00
メインコンピュータ室 クロカワ 35秒

16:00-17:05
レーザートラップ 65秒

17:05-18:25
センゴク別ルートで潜入 80秒

18:25-19:00
潜入成功 35秒

19:00-20:11
犯人はアマチ・ヨシカズ 71秒


 今回の事件の概要と犯人が分かるパート。

転 (600)

20:11-20:33
逆探知はすべて摩天楼に 22秒

20:33-21:13
アマチは行方不明 40秒

21:13-22:01
狙いはクロカワ 警告 48秒

22:01-23:01
ヴァーサスの活躍 60秒

23:01-24:01
どクズのクロカワ 60秒

24:01-25:11
クロカワの自供 70秒

25:11-26:11
犯人は63回廊に 60秒

26:11-27:16
衛星からの攻撃準備 65秒

27:16-28:16
アマチの猛攻撃 3人の奮闘 60秒

28:16-29:01
ジャイロバランサーの停止 45秒

29:01-30:11
クロカワ殺害命令 70秒


 事件の犯人がいる最深部へと向かうパート。

結 (520秒 + 184秒)

30:11-31:11
命令違反 63回廊へ到着 60秒

31:11-32:11
異形の機械を発見 60秒

32:11-32:41
正体はアマチ 30秒

32:41-33:11
攻撃は演算される 30秒

33:11-34:11
全方位ピンチ 60秒

34:11-35:11
予測不能の一撃 クロカワ死亡 60秒

35:11-36:06
OEDO復活 任務完了 55秒

36:06-36:31
ため息をつくセンゴク 25秒

36:31-37:21
ヴァーサスにあたるセンゴク 50秒

37:21-38:11
果たされた復讐 50秒

38:11-38:36
年寄りになるその前に 25秒

38:36-38:51
首輪をはずしてやる 15秒


38:51-41:55
ED:エンディング「愛しているかもしれない」三浦秀美 184秒


 センゴクによってアマチが破壊されるパート。


シーンリプレイ

8:30-9:25
長谷川十蔵の呼び出し 55秒

 光と影のコントラスト。手描きならではの演出が光る。冷蔵庫の扉を蹴るところが凄い。


27:16-28:16
アマチの猛攻撃 3人の奮闘 60秒

構成:4 6 6 2 2 1 3 1 2 1 2 3 1 1 2 5 3 1 3 2 2 3 3 1


4秒
走る足を横から

6秒
手前に走って 追いかけてくる敵

6秒
斜め上からの俯瞰 ジャンプ

2秒
ベンテン十手を取り出す

2秒
迫る敵

1秒
ワイヤーを取り出し

3秒
切り裂く

1秒
センゴクの射撃

2秒
当たって爆発

1秒
もう1台

2秒
後ろからも1台

3秒
ガッチャンこ

1秒
走る閃光

1秒
どっかーん

2秒
今度は3台だ

5秒
ベンテンの扱い

3秒
衛星の照準

1秒
タイピング

3秒
閉めて開けて

2秒
再び定める

2秒
決死の攻防

3秒
休まぬ対応

3秒
向かうセンゴク

1秒
摩天楼に異変が

 矢継ぎ早の攻撃で緊張感のあるシーン。敵の走り方や爆発の表現に懐かしさを感じる。


感想

 コンピュータに支配された未来都市。昔はよくある設定だった。しかもこの作品では世界のトップになった日本の首都OEDOという今となってはトンデモ設定。確かにこの頃は将来は東京が世界の中心になっても不思議はないという勘違いを全日本国民がしていた時代だったのだ。

 それはさておき、シナリオも音楽も演出もどれをとってもこだわりを感じる名作だ。メインキャラクターも全員クセの強い奴ばかり。セリフのセンスも男臭い美意識を感じられるものが多くカッコいいなと思わされる。

 画面の色使いは当時のロボットものやサイバーパンクものでよくあるものだが、光と影の使い方が飛び抜けて印象に残る。銃やビームの使い方も派手でカッコいいが、影の付け方で表現しているシーンはもっとカッコいい。

 DATA-1ではヒロインは新人婦警のオキョウだが、DATA-2・DATA-3に出てくるヒロインはどちらも”大人のいい女”が登場する。”萌え”でも”かわいい”でもない”いい女”なのがポイントだ。デザインも含め今のアニメでは絶滅危惧種だろう。

 回顧のおっさんが観るもよし、暇を持て余してる暇人が観るもよし、大御所の声優を目当てに観るもよし、とにかく何か理由が見当たるのなら観て損はないと思う。お金をかけたセルアニメなんてもう作れないだろうし。


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